今、スギダラ天草が熱い!!
 

天草ヒノキプロジェクト

文/原田るみ子

   
 
   
 

実は私、スギダラケクラブのことをずっと前から知っていました。
建築かインテリアの雑誌の特集で目に飛び込んできた、ほぼ杉そのままの、乱暴なのか計算されたプリミティブなのか、ふざけているのか真剣なのかわからない作品。でも、その作品の数々に本能が反応し惹かれてしまい、数ページに渡るスギダラケの記事を丁寧に読み込み、心が“ざわざわ”したのでした。

私の実家は熊本県天草市で製材業を営んでいます。同業が次々に廃業し、木材関係の産業が衰退していく中で「木をどうにかせねば」とはやる気持ちとは裏腹に、遠く離れた東京で木とは無縁の仕事に振り回されていた、そんな時に謎のスギダラケ倶楽部の記事と出会ったのです。“ざわざわ”の正体は、「私ができずにいることを思いきりやっている人たちがいる!」という焦りというか羨ましさのようなものでした。

それでも一歩を踏み出せずにいると、数年後、偶然にも若杉氏の講演を拝聴したのです。謎だったスギダラケクラブ、それを率いる若杉氏という人物がなんと天草人であったことが判明し興奮しました。そして、これは啓示だと感じました。

時間はかかりましたが、その延長に「天草ヒノキプロジェクト」がスタートしたのです。

天草ヒノキプロジェクトは、地域材を知ってもらい活用してもらうことで、林業関係産業、木にまつわる職人さんや工房などを活気づけ地域経済に貢献する目的で2017年に発足したプロジェクトです。
杉でもよかったのですが、天草にはヒノキが多い(人工林の7割)ということもあり、またヒノキ=日本人は誰でも好きというイメージもポイントになると思いヒノキをフックにしました。

プロジェクトの企画を何の縁もない行政に持ち込んだところ「課題は同じ」と賛同くださり、熊本県天草広域本部林務課さんによる柔軟かつ強力な支援をいただけることに。
そして、このプロジェクトのキックオフミーティングで「若杉氏天草凱旋講演」が実現し、私の“ざわざわ”がなんとなくおさまったと同時に、天草の地に、スギダラケクラブが振りまいてくれた火種がポッと灯りました。

天草ヒノキプロジェクトでは、これまでに以下のような活動を行ってきました。
・ヒノキ商品の開発支援とプロモーション
・ヒノキ木質化をすすめるための地域内連携とモデル施工
・木育
・各種イベント出展
・PR活動

   
 
  天草ヒノキ商品群
   
 
 
イオン天草店休憩コーナーをヒノキ化   イオン天草店_家具もヒノキ化
   
 
 
ヒノキサンタWS   アマクサローネ出店
   
 
  アマクサローネ集合写真
   
 
 
イオンWS   イオンWS
   
 

スギダラケクラブのソウルもそのまま若杉氏やパワープレイスのみなさんに随所で注入いただき、そのおかげで、とても良い雰囲気で、しなやかな土台を築きつつあります。
メンバーは、川上から川下まで揃い、異業種の方々ともゆるやかに連携し、なんだって出来る気がしてきています。
活動3年目となる今、若杉氏から新たに「天草狭小住宅」という取り組みテーマを与えられ、どぎまぎしながらも、これを実現させるべく動き出すところです。
その過程に、昔からある地域のつながり、文化、技、を再び見出し、それが地域が生き残る力になっていくという実感を得て、かつてスギダラケクラブに感じたざわざわまで辿り着けるかも、、、!
今はこれにワクワクしています。

   
 
  集合写真
   
   
   
   
 

●<はらだ・るみこ> 株式会社おてんと丸

   
 
Copyright(C) 2005 GEKKAN SUGI all rights reserved