特集スギダラ関西
 

コドモスギコレ・ワークショップ!真っ只中

文/写真  縄稚美穂子+水木千代美
 
公園杉(縄稚美穂子)

昨年秋、スギ関は「コドモゆめカフェ」という連続ワークショップで、大阪府吹田市の子ども達と「ゆめのみ」(※市内で「まちづくり&子ども」をテーマに活動する団体。保育園時代の父母仲間で結成、賛同する市民の方も参加。ふらふらし杉さん・部長杉さん・公園杉もメンバー。)と一緒に、「(増殖する屋台)スギキューブ屋台」を作り、1日カフェのメニュー企画から運営まで子ども達が主体になって実施しました。
今年はさらに色々な方にもご協力いただき、「コドモゆめデザイン」という連続ワークショップを開催中。その一環として「コドモスギコレ」というコンペを実施しています。

   
  

「コドモゆめデザイン」の主旨

  ●プロとのものづくりを通して、子ども達に「仕事」への夢・大人になることへの夢を持ってほしい
  ●「デザイン」を様々な角度から考えることを通して、子どものうちから「社会との関わり」を体験にしてほしい
   
 

きっかけは、中学や小学校高学年にさしかかった子ども達に、「働くこと」や「大人になること」の意味をどう示したらいいか?それが親としての大きな課題に思えたこと。
でも一人の親が子どもに伝えられることは限られている、それなら仲間達と大人も子どもも楽しみながら、その課題を一緒に考えていこうというところから出発したワークショップでした。

このワークショップでは、会社見学や、スギを使ったプロとのものづくりも組み込みたかったので、水木千代美さん(スギ関の裏番長ことふらふらし杉さん)とスギダラ本部に進め方の相談させていただいた(=強引に引きずり込んだ?)ところ、(株)内田洋行大阪支社の三好さん、パワープレイス(株)デザイナーの筧さんを紹介していただき、どうせなら「コドモスギコレ」をやっちゃえば?と話が一気に進んで・・・
結果として、連続ワークショップはコアメンバーの子ども20人〜30人ほどが参加、下記内容で実施することになりました。

   
 
   
  1.第1回 講演+会議
 
日時 2008年6月28日(土)
講演+会議 「デザインって何?」
講師 パワープレイス(株) デザイナー 筧 浩石氏
   
 

普段どんな思いで仕事をしているか、またデザインとは夢をもつことでは?といった話をかっこいい&おもしろいスライド映像と一緒に話してくださいました。

   
   
   
  2.第2回 講演+会議
 
日時 2008年7月13日(日)
講演+会議 「公共空間のデザインとそれを使いこなす人々〜世界の例から」
講師

大阪大学大学院工学研究科 地球総合工学専攻
建築・都市デザイン学講座 建築・都市計画論領域 鈴木毅 准教授

   
 

公共空間だからこそ、ひとりひとりが思い思いに居て心地いい場所が大事。小学校の校舎や庭の設計での楽しい例や、世界の公園の使われ方などをスライドで紹介頂きました。大阪大学の講義室や建築設計製図室を使わせていただき、子ども達もちょっとかしこくなった気分?

   
   
   
  3.会社見学
 
日時 2008年8月6日(水)
内容 仕事の現場を見てみよう! 鞄燗c洋行大阪支社の会社見学
   
  三好さんのご尽力により実現。 夏休みの子ども達とその親で、内田洋行社屋の「働く人のための仕掛け」や最先端の製品の数々を見学。子どもからの質問タイムで「どんな時に仕事が楽しいか」に、三好さんは「仲間や出会った人達と一緒に、世の中に新しい価値を創り出せたとき」という話をしてくださいました。
   
   
   
  4.「コドモスギコレ」公募
  夏休み中、「コドモスギコレ」下記募集テーマで吹田市内小中学生対象に公募。
 

●まちにあったらいいな
●学校にあったらいいな
●働く場所にあったらいいな

   
   
  5.「コドモスギコレ」デザイン案選定会議
 
日時 2008年9月20日(土)
   
  出揃ったデザイン案について、各々コアメンバーの子ども達とどの部分がいいか、またどれを作りたいか会議。9月末時点で、まだ優秀作品は選定していませんが、どれも子ども達なりのゆめや考えが反映されていて、試作もおもしろくなりそうです。
   
   
  6.ワークショップ「つくってみよう」
 
日時 2008年10月11日(土)、18日(土)、25日(土)の3回
場所 吹田市北山田地区集会所
   
 

スギコレ応募作品のいいところをより集めて、大工さんと一緒に製品を試作、並行して11月のフェスタの内容を皆で考えていきます。吉野中央木材さん、日向建設さん、狩杉さんや他の杉関メンバーのご協力があればこそ、のワークショップ。

   
   
  7.試作品・優秀作品発表!ゆめのみフェスタ2008開催
 
日時 2008年11月9日(日)
場所 吹田市北山田地区集会所
   
  優秀作品の表彰や、試作品の発表会を兼ねたお祭り。子ども達がスギ屋台カフェやゲームコーナを切り盛りします。
   
   
  (10月〜11月のワークショップはいずれも吹田市北山田地区集会所(阪急又はモノレールの山田駅から徒歩15分)で開催しますので、お時間ある方は是非!)
   
 
   

公園杉(縄稚美穂子)

 

さて、今までの講義や会議で、「デザインとは?」という途方もなく大きなテーマについて、いろんな人からの話を聞き、一つの答えは見つからないにしても、ものを作ったり、仕組みを考えたりする時に、どんなことを考える必要があるのか、少しは体験してもらえたと思っています。

それから「仕事とは?」についても、たとえば自分にとって、まわりの人にとって、もっと多くの人にとって・・・本当に必要なことは何か、どうすれば思い描く社会に近づけるか、そもそもどういう「思い描き」が正しいのか??その中で自分ができることは何か・・? 等々、大人にとっても自問自答の連続ですが、自問自答し続けることが大事だとわかってもらえるといいなと思います。
こうやって見ると、形のある無しをひっくるめれば、全ての仕事は「デザイン」なのですよね。

コドモスギコレは、本家スギコレとは同じ名前を語るのもはばかられるほど小規模ですが・・
経験や勉強の集大成が問われる大人スギコレに対し、ものを生み出すためのプロセスを初めて体験するためのスギコレとしてあと1ヶ月少し、皆でがんばります!

スギ関には、製材所・工務店・設計士・デザイナー・大学の先生・・等々、色々なご職業の方がおられます。一人ではできないことも、スギ関として立ち向かえば本当に夢のあることができると実感、それも皆さん「志」のある方ばかりなので話が早いです。
というか、どんどん膨らんでいきます。なので、やり終えて振り返ると、「あれ〜?私達ってこんなことできちゃうなんて思ってなかったね・・」という感想になるのです。ま、それには鶴の一声ならぬ、「ふらふらし杉さんの一声」の影響もあるでしょうが・・(いやいや、本当に実際、奔走していただいているのはふらふらさんなのですよ。)
では、ふらふらさん、何か一言どうぞ。

   
ふらふらし杉(水木千代美)

はい、こちらふらふらし杉です。公園杉さんにきちんとまとめていただいたのであとは私の勝手な思いだけを書かせていただきます(笑)
昨年、今年とスギダラの皆さんをはじめいろいろな方に協力をしていただき、実現してきたあれこれですが、思ったことは、「世の中捨てたもんじゃない!」なぜこれだけ多くの人が手伝ってくれるのか!!!ふらふらの勢いに負けて?たまたまスギダラに入っていたから?何かきっかけはあったとしてビジネスにもならないことになぜ?
そこには“人”として生きるための一番大事なものがあるからだと感じています。一言では上手くいえませんが、それは“誰かのためにと動き、結果、人に感謝され認められる、そして自分の存在を肯定でき幸せになれる”ことなのかも…と。たぶん杉を自然を次世代を愛する人はそのことに無意識に気づいていて、だからこんなにパワーを提供できて素敵なことができるのかも…と…どうでしょう?ともかく、スギダラ万歳!

   
   
   
   
  ●<なわち・みほこ> 大学職員。吹田市「ゆめのみ公園プロジェクト」もやってます。
   
  ●<みずき・ちよみ> 国産材普及のNPOをやってます。
福祉施設でのものづくりのボランティア、「ゆめのみ公園プロジェクト」もやってます。
 
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