連載
  吉野杉をハラオシしよう!〜“駆け出し”専務の修行日記〜第30回
文/  石橋 輝一
  鍛え系杉連載。さぁ、吉野中央3代目と一緒に勉強だ!
 

こんにちは。連載30回目となりました。
年があけて早くも3月となり、春の気配を少しずつ感じるようになりました。春の吉野は、桜一色に染まります。来月号あたりには吉野山の桜も咲き始めますので、またご紹介したいと思います。

今年の冬は全国的に暖冬だったと言われていますが、ここ吉野は例年より雪が多かったように感じました。昨年の12月までは雪はあまり降らなかったのですが、お正月が明けてからは雪の舞う日が多かったように思います。秋に山で伐採し、葉枯らし乾燥された丸太が、冬場に出てくるので、原木丸太の出材量が増える時期なのですが、雪の影響で、原木市が中止または延期となった事もありました。

去年の秋頃、原木市場で下見をしていると、年配の方からこんな話を聞かされました。
「台風が来なかった年は、雪がたくさん降るから、この冬は原木が少ないかもな。」

その話を聞いた時は、半信半疑でしたが、まさにその通りになったので、驚きでした。
林業は自然そのものであり、天候にも大きく左右される仕事なので、こういう経験則というものは非常に大事なのだと思います。

自然との対話、経験則という話では、他にも色々とあります。
たとえば、最近「新月伐採」というフレーズをよく耳にするようになりましたが、この新月伐採は、月が欠けて無くなってしまう“新月”の時期の前後に木を伐採すると、傷みにくく、虫が入りにくく、乾きやすいという効果があると言われているものです。吉野でも昔から「新月伐採」と同じ意味で、「木は闇夜に伐れ」という言葉があり、月がなくなり、闇夜になる日の前後に伐採するのが良いと言われてきました。

   
 
  1月下旬、吉野町の奥、川上村の高原(たかはら)という地区で撮影した写真です。雪国かと思ってしまう位に雪が積もっていました。この付近には樹齢200年の杉林があり、それを見学しに行こうと車を走らせましたが、雪のため断念しました。
   
 

さて、春に向けて、スギダラ関西も動き始めます。4月と5月にイベントを予定していて、今みんなで色々と内容を検討しています。近いうちにスギ関ブログにもアップしますので、皆様ご協力をヨロスギお願い申し上げます!

つづく

   
   
   
   
  ●<いしばし・てるいち> 吉野杉・吉野桧の製造加工販売「吉野中央木材」3代目(いちおう専務)。
杉歴3年。杉マスターを目指し奮闘中!
吉野中央木材ホームページ http://www.homarewood.co.jp
ブログ「吉野木材修行日記」http://blogs.yahoo.co.jp/teruhomarewoodもよろしく!ほぼ毎日更新中です。

   
 
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