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ある日、月刊杉読者で和船の船釘について研究されている松井さんから、編集部へ問い合わせがありました。その内容と質問がとても興味深いものだったため、「これは月刊杉で公開し、みなさんから返事を集めよう!」ということで、松井さんの文章を紹介したのが先月号のことでした。 | |||||||||||||||
そして一月たち、集まった返答をここで紹介させていただきます。 | ||||||||||||||||
このような機会をつくりだしてくれた松井さん、そして返事を返してくれた方々、ありがとうございます。これからも月刊杉は読者とともに杉についての理解を深めていきたいと思っています。 | ||||||||||||||||
*先月号の松井さんの文章はこちらを参照ください。 | ||||||||||||||||
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質問 | ||||||||||||||||
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返答その1 | 返答 / 海野洋光 |
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この和船の主要材は、現在は杉ですが、古代に書かれた記紀では、 船材はクスノキ、建築材はヒノキとされており、スギはあまり主要材として認識されていないようです。 この記述は、日本書紀の記述を元にしているのでしょうけれどちょっと解釈が違います。 日本書紀 第一巻のすさのおのみことがヤマタノオロチを退治した後の部分です。 釘の話ですが、木造船で有名な沖縄のサバニは、竹の釘でできています。確かに船釘は、ありますが、木造船を作る大切な技術は、「木殺し」と「マキハダ」を使う技術でしょう。杉は、その点でも優れています。 特に杉に限定していませんが、船と杉や木材と日本人との関係を学ぶなら「木の教え」塩野米松著 思想社などが面白いと思います。 |
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返答その2 | 返答 / 袴田彩子(天竜支部) |
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杉の歴史などなどは、むしろ私が知りたい! というくらいなので、お答えすることはできないのですが、 「和船とその和釘」にがっつり食いつきまして返信します。食いついたと言っても、先日、仕事で和船を調査しましたよ、という程度ですが・・ | ||||||||||||||||
静岡西部の「掛川市」というところでは、民俗資料(100年程度前までの生活用具)を大量に収集しているのですが、その中に、和船が3叟あります。少なくとも1叟には、和釘が使用されているのを確認しました。 ちなみに掛川市教育委員会が管理されています。研究目的で見学したいと言えば、きっと見せてくれるでしょう(そして喜んでくれるでしょう)。 松井さんは研究されているとのこと、研究の一助になれば幸いと思い、お知らせしました。 |
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返答その3 | 返答 / 菅原香織(秋田支部) |
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●日本人が杉とどのようにつきあってきたのか、 という歴史がわかる資料 ご存じかも知れませんが… 「杉のきた道−日本人の暮しを支えて」 遠山富太郎著 中公新書 秋田杉に関しては ・「秋田杉物語」毎日新聞社−秋田支局編 ・「秋田杉を運んだ人たち−<詳記>東北林業の文化・労働史 みちのく・民の語り」 野添憲治著 社会評論社 ・「聞き書き 秋田杉」野添憲治著 無明者出版 あたりが参考になるかと思います。 秋田杉の木造船についての資料は ・「秋田県の木造船」−秋田県指定有形文化財「県内木造船資料」−秋田県教育委員会 木造船の実物を収蔵しているところ ・秋田県立博物館 ・秋田県立埋蔵文化財センター ・秋田県男鹿市北磯歴史民俗資料収蔵庫 ・男鹿市民文化会館 ・秋田県潟上市 八郎潟漁撈用具収蔵庫 ちなみに八郎潟漁撈用具収蔵庫の潟舟(打瀬船)は、なんと推定復元長約17m!という巨大なスギでできています。 ほかに秋田県内で出土した杉材では ・払田柵(仙北平野)の外柵角材列に使われている角材が年輪年代測定で、西暦800年、801年に伐採したスギ材を使用されていることが判明。 ・胡桃舘遺跡(西暦915年の十和田湖火山の噴火によって発生したシラス洪水で埋没したといわれている平安時代の遺跡)からは、天然秋田杉の建築材(長さ13m、幅40cm、高さがが30cm)が出土しているなど平安時代の昔から既に建築用材として普及していたようですよ。 |
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返答してくださったみなさま、本当にありがとうございます! | ||||||||||||||||
まだまだ返答がありましたら、編集部(担当:堂元)までメールにてお寄せください。→メール | ||||||||||||||||
どうぞよろしくお願いします。 | ||||||||||||||||
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