!スギダラ仙人
構成/ 南雲勝志
  いま地域が生き残るために・・・
 
 

スギダラが設立2004年6月1日。設立と同時にスギダラ会員を募ることにした。 担当は本部広報宣伝部長・千代田健一である。担当というより、ほとんど指令であった。
しかし千代田さん始め、本部広報チームはスギダラ棒を添えて新会員を暖かく迎え続けた。
そして、今年の6月でスギダラは丸5年になる。その間会員は徐々に増え続け、一般会員約900名(法人会員3社)、日向富高小学校特別会員100名、つまり何と約1,000名になるのだ。正確にいうとあと10名程度である。
5年間で1,000人ということは平均年間200人の方が会員になってくれたことになる。
ほぼ継続して会員が増え続けたことはスギダラとして誇っていい。杉という題材を基に、全国を行ったり来たりしながら、真剣で前向きな議論を緩やかに、そして極めて楽しくやって来た。それはスギダラの長続きの秘訣であり、その結果として5年、1,000人という仲間が集まった。記念すべき数字であるし、全会員の皆さんと共に素直に喜びたい。

さて、今までも節目でキリ番を使わせて貰ってきた。たとえば100番は内藤廣さん、300番武田光史さん、500番篠原修さん、700番川上元美さん、というように。そして800人あたりから本部で決めていたことがある。1,000人は誰になって貰おう?   有名人を含め、何人かの候補者が挙がるが、あまり盛り上がらない。そんな時、「待てよ、1,000人ということは千人、ということは仙人。そうだ、1,000人になったらスギダラ仙人という称号を与えよう!」
「それだ、ヨシ、決定!」
しばらく、間があったが、この春 、『スギダラ仙人』 はすんなりと決定した。

   
 
   
 

ご存知の方も多いと思うが、高千穂の飯干淳志さんである。
淳志さんはこれまで町役場に勤務されていたが、この3月で定年前退職された。
秋元という人里離れた集落で暮らし、自らを高千穂仙人と名乗る。 我々も何度か訪れさせていただき、素晴らしい風景、あたたかい人々、そして、淳志さんの志や地域に対する考え方に大いに感動させられた。→41号:高千穂秋元で見た夜神楽/南雲勝志
スギダラにもとても協力的で、節目節目には必ず月刊杉にトップで寄稿していただいている。
いずれも、杉と人間の神々しい関係を語ってくれている。そしてスギダラヘの力強い賛歌にはいつも勇気づけられる。創刊号の淳志さんのコメントは印象的だった。やはりすでに先を読んでいた。

創刊号:月刊杉創刊によせて
07号:神棲む森と杉の木 −神話のくに高千穂から
24号:創刊2周年記念によせて
36号:創刊3周年によせて

町役場を退職されたあとは、愛すべき秋元の村づくりの夢に向かって頑張っていくという。 神住む地にて仙人のごとく活動をしていく淳志さんこそ、スギダラ仙人に最も相応しい方であり、スギダラで認定し、讃えようと決定したのである。

すぐに 『杉仙人サプライズ実行委員会(仮称)』 なるものが出来上がった。
先ず、認定式のX-dayはいつにするか? たまたま吉武先生と電話をする機会があり、その事を相談した。 ちょうどいいイベントがある。4月29日、日向で日向市駅前交流広場オープンイベントが行われ、28日はその前夜祭がある。みんなが集まるその日は確実に盛り上がる。
吉武先生は「僕が誘うと何となく勘ぐられるから、南雲さん誘っておいてよ。」という。
「解りました。やってみます。」 さっそく連絡した。
「淳志さん、退職されたことだし、久々にゆっくり会いたいですね〜! 
 みんな日向に集まるので来て下さいよ。前夜祭から。」
淳志さんは二つ返事で了承してくれた。 「ヨシ!」 こころの中で叫んだ。


僕はさっそくスギダラ仙人認定証のデザインに取りかかった。これは仙人棒ともいうもので、スギダラ会員証の巨大なものだ。会員証は実はスギ太の杉の部分の1/10スケールである。(千代田さん考案)それに対して仙人棒はスギ太の1/2、長さが75cm、断面は7.5cmの巨大なものだ。仙人にはこれを首から掛けて貰おう。至急海野さんに連絡をとり、理由と製作をお願いした。
本部にも主旨を伝え、辻さん、春美さんには『秋元を応援する会』を中心に賛同者を募って貰った。場所もいつもの『とんちゃん』を抑えて貰った。
もう一つ、お祝いのメッセージを伝えなければならない。春美さんと相談した。「単に寄せ書きよりももっと仙人に相応しいものがいいね。」ふと閃いたのが掛け軸である。これなら大事にとっておいて貰えるかも知れないし、飾ることも出来る。
仙人棒と仙人掛け軸の2点セットはこうして決まった。
そこにはこう書いてある『淳志さん、愛すべき秋元で村づくりの仙人だ〜』 そして、この”仙人だ〜”はまた、秋元の専任だ〜と掛かっている。だから仙人掛け軸なのだ。「ヨシ!」
掛け軸の両端に、500人ずつ、全会員の名前が書いてある。0番から仙番まで一気に通して見る。『あ〜、この人はこの頃入ったんだ。などと思いにふける。』1,000人という人数はやっぱり多い・・・そしてずしりと重い。

淳志さん、改めて今後のご活躍を期待しています。
スギダラ会員1000人も応援しています。
秋元の皆さんと、どうぞ素晴らしい地域をつくって下さい。


仙人棒と(左) 仙人掛け軸
スギダラ仙人、淳志さんと愛すべきお孫さん。手にするは夜神楽のお面
   
   
日向市駅前交流広場オープン、それに合わせた日向本の発刊、そしてスギダラ仙人認定式、熱い三つの出来事が同時に重なるのもまた必然かも知れない。楽しみだ。
今月号が発刊される時にはサプライズ認定式は終了している。 その報告は、次号特集『祝!スギダラ創刊5周年と会員1,000人達成!』にて。お楽しみに!。
 
   
   
  ● <なぐも・かつし>  デザイナー
ナグモデザイン事務所 代表。新潟県六日町生まれ。
家具や景観プロダクトを中心に活動。最近はひとやまちづくりを通したデザインに奮闘。
著書『デザイン図鑑+ナグモノガタリ』(ラトルズ)など。 日本全国スギダラケ倶楽部 本部
 
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