特集 祝!スギダラ5周年と会員1,000人達成!
  お礼 「感激!と感動!そして感謝!」
文・写真 / 飯干淳志
 

 平成21年4月28日。私は、この日、南雲さんからのお誘いで、『杉仙人サプライズ実行委員会(仮称)』の綿密な準備と厳粛なシナリオで企画されたシークレット・セレモニーが用意されていようとは、露ほども知らずに、日向の街に「いそいそ」と出かけました。

 このスギダラ流感動伝達式の段取りの仔細は、先月号「祝!スギダラ仙人」で南雲さんが詳しく披露をしてくれているので、ご存じない方は読んでいただきたい。

 4月初めの頃に、南雲さんから「淳志さん!今度、日向に行くんですけど、いつもの面々も集まるので、久しぶりに、ワイワイやりましょうよ!」みたいな、いつもの軽妙な雰囲気で誘いがあり、ちょうど私は、この3月で高千穂町役場を定年まで6年を残して退職し、長年思案を重ねてきた「持続可能な村づくり」に取り組もうと、さて!とばかりに、気負っていた矢先だったので、この誘いは、自分にとって節目の時期に、会いたいと思っていた人たちに、一同に会えるという、絶好のお声がけ。ですから、二つ返事で快諾し、この日が来るのをウキウキと待ち望んでいたのです。

 そして当日。なんと、私などまったく門の外の男であるはず「日向市駅前交流広場オープンイベントの前夜祭」という場面に紛れ込み、はたまた、サプライズ企画で「スギダラ仙人」の称号を恭しく拝受するという青天の霹靂に遭遇することとなったのです。

 実はこの日、私如きは、「スギダラ仙人」の称号とともに、「仙人棒と仙人掛け軸の2点セット」( ミヤダラブログスギダラ仙人認定式!をご覧ください。)という認定証を授かり、あわせて、篠原修先生、内藤廣先生、辻喜彦さんらが編著された「新・日向市駅」も南雲さんから謹呈されていました。この二つ(三つ?)の授かりものが、何物にも変え難く凄いのです。

 みんなと別れ宿に帰ってから、あらためて「仙人棒」を手に取り、「仙人掛け軸」を紐解き、「新・日向市駅」に目を通したとき、込み上げてくる涙がやみくもに止まらなくなってしまいました。 

 掛け軸の両端には、スギダラ会員1,000人の名前。書き込められた面々からの心温まるメッセージ。こんな掛け軸も、数寄を凝らした寄せ書きも、未だ嘗て見たことがありません。仙人棒のデザインに秘められた特大のこだわり。数多くの人が手間隙かけ、思いを込めていただいたことが重く伝わってくる。そして実物もズッシリと重い。

 「新・日向市駅」。「情熱と信念」で結ばれ、日向という街に結集した類稀なる格別な集団。成し遂げられた野望。プロジェクトXをも凌駕する凄い歴史の内幕・真髄を語る当事者たちの熱い思いと苦悩に共感し・熱く心を打たれ、またまた涙、涙。
 こんな凄いものに一度に出会い、私がこれから踏み出そうとしている新たなる挑戦に勇気千倍もらったのである。私はこの夜、「感激!と感動!そして感謝!」の気持ちがウルルンの涙となり、一気に自分の体を満たし浄化してくれるような、何ともいえない充実した興奮に包まれ、眠れえぬ、とても幸せな一夜を過ごしたのでした。


 設立5周年。会員1,000人。という偉業を達成できたのは、紛れもなく、スギダラが南雲さんをはじめとしたメンバーの、このさりげなさそうで、実は深い深い心根をもった集団であるということの証であろうと思います。

 私はただ、高千穂から仙人的遠眼鏡でスギダラ面々の活躍を眺めていただけであり、5周年&会員1,000人という偉業のキリ番には、けっして相応しくはないのですが、スギダラのもつこのなんとも暖かく得がたいDNAをしっかりと受け止め、仙人称号を家宝として、これからの暮らしに役立てようと考えているところです。ありがとうございました。

 ところで私には、ずっと抱き続けていた思いがあり、この春、町役場を退職いたしました。全国津々浦々の山村に共通する存亡の問題は、我が仙人村でも深刻であり「持続可能な村づくり」が重大なテーマだからです。存亡の危機はすぐそこに迫っています。

 スギダラでも度々紹介していただいている我が村。山深い辺境の地。先人も同じような危機に幾度となく遭遇したことは、想像に難くありません。村が今あるということは、その苦難を乗り越え、歴史をつないできた強(したた)かな営みが、受け継がれてきた証。「いろは屋号」をもち、「公家ことば」を使い、皆が和することを尊び、そして訪れる人々に寛大な村。ここには、深みのある社会が築かれています。

 私は、農村ビジネスモデルを創造する組織的かつ複合的な村づくりを手がけ、都市に暮らす人々と村を繋ぎ、村にあらためて自活の道を切り開き、村を後世に繋ぎたいのです。これは自らの信念で自分たちがやらなければ出来得ないことであり、自分たちのやるべき必然だと考えています。まさに、卒啄同時(そったくどうじ)の価値で、1,000人に心強く繋がっている「スギダラ仙人」の称号を授かり、ほんとに「勇気千倍」です。

 吉武哲信さんが先月号で述べてるように、スギダラは信頼で繋がり、役割・立場を越え、大きな目標に向かって協働しています。私の村も、この味を知っているスギダラな人々とともに、日本の本質的な姿をもった村として時代の最先端を走っていきたいと思います。

 
  秋元村の一景
   
   
 

●<いいぼし・あつし>スギダラ仙人。宮崎県高千穂町の秋元という山奥に暮らす。
秋元地区は「アヒルのダン ス」をスギダラ家の人々に伝授した地で、グリーン会やルージュ倶楽部という地域グループを組織し、山奥の豊かな暮らし、楽しい生き方を自分たちで実践している土地柄で、そのメンバーの一人。

   
 
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