連載
  杉で仕掛ける/第23回 「イベント成功のコツ」
文/  海野洋光
   
 
祭りやコンサート、上演、上映、講演やパーティーなどイベントにも様々な種類があります。でも、これらを成功させるコツのような体系つけたものは、余り聞きません。偶然に成功しているような気がするのでしょうが、実は、深い心理作戦の勝利だと海杉は考えています。
   
  海杉が「このイベントが成功するぞ!」と直感的に感じるのは、コアメンバーが、目標を決めた時です。杉コレ2007 in都城では、新橋の居酒屋で「杉100立方!」とメンバーから出たときは、「いける!」と感じました。知事まで引っ張り出して「そのまんま一棟!!」も面白いと思ったものです。これは、共通した目的がお互いに発見でき、それに向かって何をすべきなのかが、それぞれの立場の人が理解したときに「イベント成功」の2文字が出てくる。新橋の居酒屋で飲み、アイデアを出し合った思い出は、海杉にとっても忘れられないものになりました。
   
 
  都城の杉コレ2007
   
  イベントを成功させる第一歩は、「アイデアがたくさん出る会議」です。役所の会議で「何かアイデアを出してくれませんか?」と司会者や議長が尋ねるシーンがよくある。重苦しい雰囲気の中で発言することも、手を上げることも億劫になってしまう。でも、若い女性に参加してもらい、途中で、コーヒーブレイクを取ってくれると、すごく活発な会議になるだろう。当然、若い女性には、活発な発言を期待する。プラス、男って結構単純だから、いい格好を見せたいと思うわけだ!発言をもっとして欲しいときは、普通、考えても思いつかないような意見を出すと次の発言者も発言しやすくなる。神聖な会議にそんな心理作戦を使うことは、不適切だとお叱りを受けるかもしれないが、会議は、報告の場だけにするのは、面白くないし、多くの人の時間を使うことがもったいないような気がしてならない。イベントの会議には、イベントを成功させるアイデアがたくさん噴出した方が良いに決まっていると考えるからだ。
   
  この会議でのルールだが、いっぱい出たアイデアを全て使う必要はまったく無い。使わないアイデアを出した人に申し訳ないという気持ちは、あっても良いと思うが、絶対にしなければならないというルールはないのだ。逆に採用されなかったアイデアを全然違うイベントに使用しても構わない。会議は、「アイデアのネタの倉庫」ぐらいに考えておくことが大切で使うか使わないかは、条件次第である。
   
  もちろん、会議だけがアイデアの倉庫ではない。海杉の場合、昨年の杉コレ2008 in日向の山田洋次監督を審査員にするアイデアは、寝るときに突然、思いついた。実は、これにも伏線があって、本当は、実現したくて以前に動いていたアイデア(内藤廣氏と山田洋次監督を日向市駅で対面)をそのまま、杉コレクションに持ってきただけの話だ。人のアイデアを盗むということではないが、イベントをより成功に導くためなら埋もれたアイデアを使わない手はない。という考えからだ。
   
 
  山田洋次監督(左から3番目)と内藤廣氏(1番左)が審査員となった杉コレ2008
   
  イベントに対してアイデアを出してそれが採用となると出した人のモチベーションが上がる。と同時に責任感もあがる。繰り返しになるが、人はこのイベントを成功させなければならないと感じると「どうすれば、成功するか」と言うことに目や思考が行ってしまいがちで、イベントそのものの目的を見失ってしまうことがある。「イベントは成功したけれど?」ということにならないためにも、イベントの目的をしっかり認識した上でのアイデアの議論をしたい。
   
  前回と同じ話になるが、このアイデアを出す会議もアイデアを出した人への尊敬も日本の教育では、重要視されていない。日本の会議の手法が悪いと言うことではない。ただ、新しいことや斬新なことに対しての縛りやルールがあまりにも多すぎてできないと言うことになりやすいのではと感じる。海杉は、イベントと言う一種のお祭りのような治外法権的な行事をすることによってブレイクスルーの楽しみを味わって欲しいと思っている。
   
  イベントは成功すると病み付きになってしまう。
   
 
  日南の杉コレ2009の2次審査。「パネルディスカッションをする講演者は、ステージで緊張するが、この屋台はすばらしい。落ち着く」と内藤氏がしつらえを絶賛。
   
  「オビスギ大作戦」が11月に行われる日南でも○○中毒患者をかなり、増やしてしまったようだ。あんまり、ラリっていないで、早くまともになろうよ。日南のメンバーが正気に戻るのは、来年だろうか?
   
   
   
   
  ●<うみの・ひろみつ>木材コンシェルジュ
ほぼ、毎日更新しています。ブログ「海杉 木材コンシェルジュ」 http://blog.goo.ne.jp/umisugi/
2009年3月31日をもって、日向木の芽会 を卒業しました。
海野建設株式会社 代表取締役 / HN :海杉
   
 
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