特集 スギ天 (スギダラ天竜支部)
  茶箱、愛しスギ!って?

文/写真 鈴木浩之

 
ここは、天竜の東側、江戸時代には「越すに越されぬ大井川」とうたわれた大井川流域です。本来なら、「スギダラ大井川」とか「スギダラ川根」とか「スギダラ奥大井」とかを作るべきところですが、「スギ天」の迫力に負けて(?)仲間入りデース。
   
  スギダラケの工場が静岡県は川根本町にあります。静岡県は日本の茶どころ。その中でも、島田市の上流、川根本町は代表的な茶産地です。往年、そのお茶の保管、保存、流通を支えたのが「茶箱」です。この茶箱の材料が、「スギ」。
でも、現代のお茶の保存、流通は、紙製の袋になりました。
茶箱の運命やいかに・・・・・。
   
  スギの茶箱は、進化するのです。静岡県内高速道路のサービスエリアなどでは、非常に小さい紙張りの茶箱が売られているところがあります。でも、これは下地が合板。スギの茶箱の最も小さいものは、230*160*160(o)の1s入れサイズ・・・。OL、奥様方がジュエリーボックスやお菓子入れに使います。その上の5s入れサイズは、米びつとして重宝されています。後は、5s単位に大きくなっていき40sまで各サイズ、そして、最大の60s入れサイズがあるのです。しかも、それぞれ高さがハーフサイズのものまで・・・。ハーフサイズは、高級衣料品の保管箱として使われるのです。極めつけは、高さを40pにしたスツール型といわれているもの。
   
  販売流通するには、これらを、ロシア人形のように各種類のサイズを重ねいれて送料を軽減させながら配送するらしいのです。
今回は、スギの積木の入れ物にしました。積木は全部で8800個。末広がりです。これを220個づつに40箱の茶箱に入れて、町内の保育園と幼稚園に配りました。小さな町ですから5園。8箱づつです。これも末広がりの8です。100年先には、恐らく、全町民がこの積木で遊んだことになってしまいます。
 
  茶箱+積木   積木で遊ぶ子供たち
   
  さて、わが町には2箇所の茶箱工場があります。両方とも個人経営。県内には10工場ほどあるそうです。どうですか、この説得力がある職人の後姿。そして、おかみさん。そして、主(今回は写真はなしです)。以前お邪魔したときに適当に激写しちゃいました。
   
  茶箱職人の背中が全てを語る   おかみ。楽しそうな笑顔がキュート?
   
  実は、私はこれまでのスギダラの活動を勝手に仕事のネタとさせていただいています。昨年の夏には、スギダラ本部にもお邪魔させていただきました。
   
  ベンチコンペ、コースターコンペもそうでしたし、茶箱を一層愛し始めたのもスギダラの「杉モノ展」がきっかけなのでした。スギは木材関係の方々みんなが何とかしようとしてきたし、今でも考え続けています。その中で、昔からスギだった物はスギで作るのに無理がないのだと気がつきました。そこに今のデザインやら新しい技術を加えると使いやすくなるのではないか、別の生活様式や活用方法があるのではということなのだと考えました。これなのかと思った。
   
  全く素地がないところから作り上げるのは難しいと思うのです。たぶんプロの方々でもそうだろうと思います。ここで、過去に使われていたということならば、それを応用すればいいのだと。そして、その道具とかモノとかに愛着を持っている人たちが少なからずいるし・・・。
   
  だから、そして茶箱。わが地域で昔から使われていたモノを新しい使い方に。まずは、そのままの状態で・・・。しかも、地域産業に密接身結びついているし、地域住民も愛着を持っている。県内では相当な浸透グッズなのだ。なんちゃって・・・・・。
   
  スギダラのみなさん、いつもありがとうございます。
   
 
   
  ●スギダラなオマケ1 「大井川鐡道の各駅」
   
  説明は要らないでしょう。とってもスギダラ!
 
  田野口駅
   
  下泉駅   地名駅
   
  そして、スギの吊橋とその下を通る大井川鐡道SL!
 
  塩郷吊橋
 
  塩郷の吊橋とSL
   
 
   
 

●スギダラなオマケ2 「ミンミンエコウクレレ」

  愛知県の楽器商社が出しているスギ間伐材のウクレレ。スギダラ本部の方は「スギレレ」と名づけているとか、いないとか。(商品名は「ミンミンエコウクレレ」です。) 今回はサービスで私も写っています。市販されています。弾きまくっています、、、が、演奏はあまりうまくなりません。唄とパフォーマンスが主です。そういえば、三味線バージョンもあるらしい・・・。スギの集成材をくりぬきで作ってあるそうです。
 
  スギレレ
   
 
   
  ●スギダラじゃないオマケ 「川根茶魂」 新茶の季節
  静岡県その中の「川根」で忘れちゃならないのが、お茶。新茶の季節がやってきます。私は、お茶の季節に右のポロシャツを、その他は左のポロシャツを着ています。割りとどこででも。周りからは、恥ずかしくないのか?との声が・・・。このデザインがすごく評判がいいのです!
 
  川根茶魂、水と森の番人
   
   
   
   
  ●<すずき・ひろゆき> 静岡県川根本町 林業課 / 会員番号なし / 通称「トニー」
   
 
Copyright(C) 2005 GEKKAN SUGI all rights reserved