特集 「だっこのいす」プロジェクト  
  特別寄稿 おとなもがんばれ!
文/ 内藤 廣
   
 
 
   今回、あらゆる場面でオジサンたちは、圭沙ちゃんにヤラレッパナシでした。完敗ですね。どんな場面でも、自分が何を伝えたいか、自分がどのように見られているか、何をすればどのような反応が返ってくるか、すべて圭沙ちゃんは分かったうえで対応していました。堂々としたものでした。いやー、おそるべきというか、かなわないというか、子供はあなどれませんね。大人の考える事なんてお見通しです。
   
   そんな圭沙ちゃんでも、一瞬、我を忘れた瞬間があったと思います。その場に立ち会えませんでしたが、小田村長から野田村のユルキャラ「のんちゃん」のぬいぐるみをもらった時、キャーッと歓声をあげたそうです。大のお気に入りのマスコットになったみたいです。それと野田小学校の三年生の交流会。最後に野田小の生徒たちがお礼の歌を合唱で歌いました。宮崎から来たオジサンたちも僕もウルウルしましたが、圭沙ちゃんも受け取るものがあったはずです。
   
   多くの人に支えられた素晴らしい企画だったし、それに見合う素晴らしい出会いがあったと思います。
   
 
  安田圭沙さんと内藤先生。圭沙さんの手には野田村のマスコット「のんちゃん」が。(photo/南雲勝志)
   
   
   
   
  ●<ないとう・ひろし>  建築家
「だっこのいす」を東北に送るプロジェクト 発起人代表
(株)内藤廣建築設計事務所 代表取締役 http://www.naitoaa.co.jp/
東京大学 名誉教授
杉コレクション 審査委員長
   
 
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