特集 ガンガンノリノリツアーin吉野
  吉野杉をハラオシしよう!〜"駆け出し"専務の修行日記〜第65回
文/ 石橋輝一
「ガンガンノリノリツアーin吉野」報告
 
  2013年8月31日、夏の吉野を自転車で巡り、ものづくりと川遊びを体感する旅、「ガンガンノリノリツアーin吉野」を開催しました。 
まち全体が製材所「吉野貯木」地域と、和紙と割箸の里「国栖(くず)」地域、吉野を代表するものづくりの現場を自転車で結び、吉野を五感で体感した一日でした。
   
  吉野川の下流部の南岸の吉野貯木、上流部の北岸の国栖。南"岸"と北"岸"を結ぶので、ガンガン!
そして、自転車"乗り"、吉野杉の一本"乗り"なので、ノリノリ!
あわせて、ガンガンノリノリ!というわけです。
   
  *参照:月刊杉91号(2013年7月号)イベント告知 『ガンガンノリノリツアーin吉野』(8/31)のお知らせ
   
   
  今回のイベントには、いろいろな"ご縁"と"きっかけ"があり、実現に至りました。
   
  はじまりは、昨年8月のスギダラ徳島ツアーでした。
徳島大学の真田純子さんのお誘いで訪れた木頭杉の里、那珂川で体験した杉丸太の一本乗りから全てが動き出しました。
その楽しさに魅せられた私達は、吉野に戻ってすぐに、吉野川での自主練習を始めました。
   
  *月刊杉83号(2012年10月号)特集:徳島木頭杉ツアーでの中井章太さん「地域の暮らしを豊かにする林業とは」にその模様が紹介されています。
http://www.m-sugi.com/83/m-sugi_83_nakai.htm
   
   
  そして、一年。ふたたび、一本乗りの夏がやってきました!
   
  みんなで吉野杉の一本乗りを楽しみたいと考えていた時、スギダラ関西の仲間、大阪・吹田の日向建設の中村浩人さんから、自転車でのツーリングイベントができないか、ご提案を頂きました。
中村さんがメンバーのコグウェイ四国のツーリングチームの方々にもお集まりいただき、コグウェイ四国の主宰者であるサイクリストの山田美緒さんをゲストとしてお迎えできることになりました。
山田美緒さんは、アフリカ大陸8か国を日本人女性初単独縦断5000キロなど、世界20か国を自転車で走られています。中村さんの紹介で5年前にお会いして以来、ぜひ吉野にお越しいただきたいお一人でした。
   
  地元の吉野町観光協会さんのレンタサイクル事業、国栖の里観光協会さんの和紙と杉で作る国栖の里灯り展とのコラボレーションが、地元の方々のご協力で実現し、ノリノリな感じで、企画内容が決まっていきました。そして、ありがたい事に、スギダラや吉野の仲間も集まってくれて、一般募集をする前に、ほぼ募集定員に達する事ができました。
   
  それでは、ガンガンノリノリツアーを写真とともに振り返りたいと思います。
   
 
   
  近鉄吉野神宮駅に集合(9:30)
       
   
  吉野神宮駅の駅前広場(現在、空き地)が集合場所。ここ吉野神宮駅は、吉野貯木に隣接しており、昭和30年代までは、駅から貯木場内に引込線が伸びていて、木材製品の貨物輸送がさかんな駅でした。   東京、神奈川、大阪、兵庫、愛媛、高知、奈良からお集まりいただきました。
   
   
  第1部「ガンガンノリノリツーリング」(10:00-17:00)
   
  ●吉野木材協同組合連合会の原木市場 見学
 
  吉野貯木場内の吉野木材協同組合連合会の原木市場を見学。
 
  原木市場に出材されるまで、100年3世代に渡る山づくりがあります。木とともに生きてきた日本人の歴史を実感する場所です。
   
   
  ●吉野中央木材の製材所 見学
 
  吉野中央木材の製材所。木材に新たな命が吹き込まれる瞬間に立ち会って頂きました。大きな丸太を割って、製品にします。木の個性を見極めて、製材しなければなりません。一度分解すると、それまで。ハラオシさんの腕の見せ所です。
 
  吉野杉の木製カヌーです。イヌイ木工の乾貞男さんの手作りです。美しいです。驚くほど軽いですが、FRPで覆っているので、頑丈です。一家に一台、杉カヌー。僕も作ってみたくなりました。そんなに難しくないとの事。この後、国栖の河原で、一本乗りと共に体験して頂きました。
   
   
  ●吉野川の下流部・南岸の吉野貯木より、上流部・北岸の国栖へ出発
   
  国栖に向けて、出発!   テープカットならぬ、ヒノキカット。ヒノキのかんな屑で作りました。
   
  普段はトラックやフォークリフトが行き交う通りを、自転車が列をなして走る姿は新鮮でした。   ゆったりのんびりのツーリング。高低差の少ないコースで、お天気も良く、心地良い汗でした。
   
   
  ●休憩
 
  吉野町喜佐谷の桜木神社で休憩。天武天皇の壬申の乱の舞台でもあります。御神木である杉の大木が圧巻です。ここでは、吉野の焼き餅を召し上がって頂きました。
   
   
  ●ものづくりの里、吉野町国栖に到着。昼食をとる。(12:30)
   
  河原に降りて、お昼ごはん。   竹の皮で包んだお弁当です。竹の皮は抗菌効果に優れ、昔、吉野の筏師さんがよく食したそうです。このお弁当は、昨夏の吉野での一本乗り自主練習の帰り、立ち寄った地元の温泉の食堂で出会いました。
   
   
  ●和紙と吉野杉でつくる里灯りを体験
 
  昼食後は、和紙と吉野杉でつくる里灯りを体験。和紙を切り貼りして、オリジナルの灯りを作りました。
   
   
  ●杉丸太の一本乗り&吉野杉の木製カヌー体験
 
  河原では、吉野杉の一本乗りにチャレンジ。
 
  スギダラ徳島ツアーで一本乗りを体験した中神木材の中井章太さん、奈良県庁奈良の木ブランド課の北村達也さん、桝谷建築の桝谷貴仁さん、そして、当日の朝から練習をしてくれた上垣商店の上垣輝幸さんが、丸太の前後について、サポートしてくれました。一本乗りはやっぱり難しい!でも、とっても楽しいです!
 
  こちらは、吉野杉の木製カヌー。
 
  ゆるやかな川の流れの中で、ゆったり漕ぎます。心地良かったなぁ。
   
   
  ●吉野貯木の吉野中央木材に戻り、ガンガンノリノリツーリング終了。(17:00頃)
   
   
  第2部「吉野チョボトーク&BBQ」(17:30-20:30)
   
  ●BBQ
 
  吉野中央木材の工場内でバーベキュー。地元のメンバーは、第2部からの参加も多く、ますます盛り上がりました。写真を撮り忘れていたのですが、おなじみの吉野杉の木桶仕込み「百年杉」も堪能。2010年、2011年、2012年のそれぞれの味わいを堪能しました!
   
   
  ●吉野チョボトーク
 
  第2部のメイン企画は、吉野貯木トークライブ「吉野チョボトーク」。ゲストはサイクリスト山田美緒さん。大学在学中の2004年のアフリカ大陸単独縦断などの経験談を通して、「感謝すること」「強い思いをもつこと」「楽しんで生きること」そして「最強の武器は友情」のメッセージ!
 
  人と人のつながりが、ひとりひとりの力を大きくする。より一層、その想いを強くしました。
   
   
  ●「ガンガンノリノリツアーin吉野」終了!
 
  ラストは記念撮影。掛け声は、恒例の「やっ樽で〜」「桶(オッケー)!」。2009年のスギダラ吉野ツアー以来、「やっ樽で〜」は吉野に欠かせない言葉になりました。
   
 
   
  今回の企画は、ツーリングイベントという事もあり、木のことを初めて知ってもらえる方が多かったです。木の香りに包まれながらのツーリングで、吉野の産業、文化、歴史、自然の一端に触れて頂くことができました。
   
  参加者の皆さん、吉野にお出でいただき、本当にありがとうございました!
   
  スタッフの皆さん、短い準備期間の中、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました!
   
  次回のイベントは11月。吉野貯木まちあるき、第2弾。
   
  木愛をこめて。
やっ樽で〜!
   
 

つづく

   
   
   
   
  ●<いしばし・てるいち> 吉野杉・吉野桧の製造加工販売「吉野中央木材」3代目(いちおう専務)。杉歴5年。杉マスターを目指し奮闘中!
吉野中央木材ホームページ: http://www.homarewood.co.jp
ブログ「吉野木材修行日記」: http://blogs.yahoo.co.jp/teruhomarewoodもよろしく!ほぼ毎日更新中です。

月刊杉web単行本『吉野杉のハラオシをしよう!』: http://www.m-sugi.com/books/books_ishibashi.htm
   
 
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