連載

 
スギダラ家奮闘記/第5回
文/写真 若杉浩一

「スギダラ家の序章スギダラオフィス登場」

 


 さて、スギダラ家への奮闘と奮笑を繰り返す中、建設計画は少しずつ前へ向かって進み始めた。しかし我々は待てない!! 溢れかえるエネルギーとスギからスギへと出てくるイメージを竣工まで心に中に納めておれないのです。まだまだ山あり谷ありのスギダラビル計画の前にやってみたい事がある。そう思ったとき、またまた悪巧みというか、悪知恵というか、前向きなというかアイデアが頭を過ったのでした。そう!今度、潮見に計画しているショウルームをスギダラケにしよう。そしてスギダラケの人々が見に来られる、自慢できる、杉の仲間のショウケースとして作ってみようと思ったのでした。

 というより気がついたらもう、南雲さんにはデザインを頼むやら、床、壁、小物をスギダラケに設計を進めていたのでした。我が内田洋行チームはもはや当たり前、社長様だって何の疑問もなく、「そりゃ宮崎の方々に喜んで頂かなきゃ」

 ってなことで妙な盛り上がりスギを得、本来なんで杉なのという役員の方々を尻目に問答無用に押し進める事となったのです。全く不思議な会社です。もはや杉はビジネスを通り越して我が社の常識、いや定説化してしまっているのでした。

 またまたそんなとき、都合よく石田紀佳さん(以下ノリスケさん)がクラフトのアーティストを集めた「工房からの風」という企画がまたまたあるじゃあ〜りませんか。「きてる、きてるこれは偶然ではない、もはや必然なのだ〜。杉のクラフトを使えということなのだ〜」と神の啓示を得て、フガフガ千葉のコルトンプラザへ出かけました。早速、ノリスケさんへ協力を依頼し、スギダラケの空間を盛り上げる小物のコーディネーションを進めてもらう事になりました。床は杉材の床、ファンコイルカバーを杉のボーダーで隠す(ちょっとしたカウンター代わりで、結構良いんです)そして新作スギダラ家具(まだ大半が製作中で、次回に紹介いたします)は宮崎、川上木材さんから、壁材は天竜、丸八製材所さんにお願いし、スギダラオフィスへとばく進しました。そして11月15日、ようやくスギダラ家の序章スギダラオフィスが完成したのでした。

 いや〜これが良いんです。ハイテクのIT機器、そしてスチール家具を杉が優しく包み込み、違和感どころか何とも言えない豊かなオフィスが出来上がりました。そして、もっとも注目を浴びる重要なポイントには我が社の家具ではなくスギダラ家具が堂々とあり未来への期待を感じさせてくれます。なによりお客様が一番素直でした。「いいね〜」「欲しい!」「製品にして」。問答無用に話が弾むのです。やはり杉の情報は日本人のDNAに書き込まれているに違いないと思ったほどでした。今らしい使い方を僕らこそ忘れていたんだと思いました。

 まあまあそんな感じで取りあえずスギダラオフィスは大成功!! まだまだ完成しきっていませんが(食器等はまだです)、皆さん序章は突然出来てしまいました。どうぞ、東京にお越しの際は是非お立ち寄りください。そして来るべきスギダラビルのイメージを語り合いましょう!!

 次回は再びスギダラビルのその後、寺田さんが登場します。乞うご期待!!

葉ステージにはスギダラ家具が、高スギ太と新型タコスギ

杉太とすぎフローリングそしてスギカウンタが(宮崎産です)テーブルのコーディネートはノリスケさん

一面杉のウォール天竜スギです 向こうで起きたばっかりのチヨケンが寝袋をたたんでます

スギデッキとすぎカウンター佇む中尾君 

宮崎材に宮崎の焼き印を押す中尾君

これが宮崎材の印!

あまりの居心地の良さに居座るチヨケン

やっぱりまたまた乾杯!!飫肥杉でやってます

次号へつづく

●<わかすぎ・こういち>インハウス・プロダクトデザイナー
株式会社内田洋行 テクニカルデザインセンターに所属するが、 企業の枠やジャンルの枠にこだわらない活動を行う。
日本全国スギダラケ倶楽部 本部デザイン部長
 
   
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