連載

 
杉暦 1月 おまけもあります。)
文/写真 石田紀佳

季節ごとにうつりゆく杉の姿を紹介。杉ってこんなにも表情豊かだったのです。

 
 
1月の杉暦

2006年は、杉の落ち葉、落ち枝での焚き火で始まりました。
1月4日、「焚き火は小学校以来かも」という知人とともに杉の香を焚いたのでした。
冬の空気をいっそうひきしめるような匂い。

 

1月11日の澄みきった晴れの日、スギぼっくりたちを撮影。
自然の状態では種子はどのようにとびちるのだろうか。もしかしてもうスギぼっくりはカラっぽかな、とひとりごとをつぶやきつつ、ツン ツン、とつつくと依然としてひらべったい種がこぼれます。こぼしながら、「ああ、そうだ」とヒノキぼっくりのことを思い出しました。
……つやつやだったヒノキの実は、乾いた赤茶色になってはじけていました。
今回はスギぼっくりとヒノキぼっくりのくらべっこ。
種もくらべてみると、ヒノキのほうが小さくて丸っこい。
どちらもまじまじと見るのははじめてです。

 
 
  1月杉の実:写真左上には雄花のつぼみが

  1月杉アップ:マツカサというならスギカサともいうのか
   
1月ひのき:とても赤いです

  1月杉冠雄花:例の冠にはもう花粉満載
 
 
  スギとヒノキの実:ヒノキってけらけら笑っているみたいこれも鈴のよう
 
  スギとヒノキの種子:上がスギで下がヒノキ

  ●<いしだ・のりか>フリーランスキュレ−タ−
1965年京都生まれ、金沢にて小学2年時まで杉の校舎で杉の机と椅子に触れる。
「人と自然とものづくり」をキーワードに「手仕事」を執筆や展覧会企画などで紹介。
 

  
 
 

 
 
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