連載

 
杉暦 2月、おまけもあります。)
文/写真 石田紀佳

季節ごとにうつりゆく杉の姿を紹介。杉ってこんなにも表情豊かだったのです。

 
 
2月の杉暦

 花粉症対策のCMが目立ってくるのが2月。けれども今年の関東あたりは(全国的にでしょうか)春が遅いので、雄花の生長も遅れています。たしか去年の2月にはもう雄花が黄色い光のように点滅していましたから。
 杉の木の種類によっても花の咲く時期が少しずつ違うようです、定点観測地でも、うちの小屋にもっとも近い杉とそこから100メートルほど離れたところの杉林では、葉っぱのつき方も、杉ぼっくりの形も大きさも色も実り様も違うのです。杉林ではとんがりツノの先に雄花が咲くのに、小屋近くの1本杉のツノは花をつけませんでした。それでいったいどうなるのかと見ていましたら、オレンジ色になったのでした。目にしみるような、ちょとドキッとするような、明るいオレンジ。いったいなんのシルシなんでしょうかねえ。魅惑的な色つやです。
 杉かさははじけているのに、まだ種子が入っています。ときどきツンツンとつつきながら思いました。あっ、もしかしてこのオレンジ色、鳥につついてもらうための信号なのかな、などと。。

 
  2/3日きらきら

  2/21オレンジつん とてもあざやかなツノ
 
2/21オレンジつんつん

   
  2/21鈴生り

2/21定点杉 去年の4月とくらべると……

   
  2/21雄花 まだまだ小さい

 
  2/21去年雄花跡 まだ去年のをぶらさげているが、はがれた跡も
 
  ●<いしだ・のりか>フリーランスキュレ−タ−
1965年京都生まれ、金沢にて小学2年時まで杉の校舎で杉の机と椅子に触れる。
「人と自然とものづくり」をキーワードに「手仕事」を執筆や展覧会企画などで紹介。
 

  
 
 

 
 
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