六月杉話

 
ヨシモトポールとスギダラケ
文・写真/ 鈴木幸男
 
 


ヨシモトポールの鈴木と申します。よろしくお願いします。
少し当社の説明をさせて頂きます。ヨシモトポールは45年前、材木業からコンクリートポールの製造業として誕生し、鉄(スチール)ポールの製造業へと発展してきました。


昭和30年代にヨシモトポールが製造していたコンクリートポール。なかなか味がありました。

どうですか?私も見たことありませんが、コンクリートもまちなみも良いですね。

材木業では、国鉄の鉄道枕木、杭丸太を扱い、コンクリートポールでは有線放送、電電公社、スチールでは照明柱、信号柱、標識柱を製作してきました。
昭和62年頃から景観事業に参画し、景観を考慮した「ヨシモト集合ポール」「レトロポール」(Gマーク取得)を開発し、「皇居周辺整事業」「北九州門司港レトロ事業」「羽田空港周辺整備事業」「東京都臨海副都心プロジェクト」等で製品を納入して来ました。

今ではポールの総合メーカーとして、デザインの照明、信号、標識等の柱と、柵、高欄、車止、シェルター、サイン等の景観商品を製作しています。素材も、木材、コンクリート、石、鉄、アルミ、ステンレス、鋳物、ガラス等と何でも扱えます。

木、コンクリート、鉄と時代とともに主要素材が変わって来ましたが、近年、景観物件で照明柱、高欄、ベンチ等で木材との接点が増えてきて「宮崎県日向市照明柱」「三重県桑名市照明柱」「宮崎県天満橋橋詰広場」で鉄と木材とのコンポジット製品を納品してきました。

現在の群馬工場。ここでは、ヨシモトポールのメイン工場として、ポールの設計から、資材調達、鋼材加工、表面処理、納品まで一貫したシステムを展開しています。

 
先日の群馬ツアーでは日曜でラインは動いていませんでしたが、上の写真の一部をみなさんにを見ていただきました。少しわかってもらい良かったと思っています。

さて、日本全国スギダラケ倶楽部への入会のきっかけは南雲勝志氏です。
会社として十数年のお付き合いの中で、ナグモデザインの照明柱、柵、高欄、車止めなどを製作してきました。
昨年、杉に詳しい南雲氏と材木に詳しい当社社長の由井克巳が杉談義で盛り上がり、日本全国スギダラケ倶楽部への入会とスギダラツアー群馬の開催、「杉照明ポール」の開発の話題へと話が次々進んでいきました。

社長の由井(後ろの麦わら帽子)もスギダラの若いみなさんと一緒に、杉と日本を語ることが出来ほんとうによろこんでいました。夜帰る予定が翌日の午前中まで、めいっぱい付き合いました。

私のスギダラ活動の参加は、その少し前、昨年の秋田スギダラツアーからです。秋田で行ったところは実は私と当社工藤の田舎のすぐそばでしたが、日本一の高い杉、曲げわっぱ工房、樽・桶屋さんや枝打ちなど、地元に生まれながら、知らなかったこと、やったことのなかったことばかりでした。 なつかしい田舎なまりを聞きながら(モクネットの加藤さん、菅原さんのなまりも良かった)、きりたんぽ鍋を食べ、おいしい酒を飲み、楽しいダンスを踊って、ほんとうに楽しかった。スギダラの会員は楽しく、明るい人ダラケ、美人ダラケで最高です。

今回、由井がスギダラの法人会員になったことをきっかけに群馬ツアーを企画させてもらい、多野東郡森林組合、県産材加工協同組合、天野刃物工房、横田材木店を訪ねましたが、そこでそれぞれの皆さんが自分の仕事を説明するほどに目が輝いてくるのがよく解り、なんだか感動しました。
我が社の由井の話も、社員の私たちまでも心を動かされた、とてもよい話しでした。

<以下、由井社長の話しの抜粋です>
「・・・・私の家は山を持って林業をしていたんですが、ここ(藤岡市)から日航機の事故で有名になった御巣鷹山のある上野村を抜け、十国峠を超えた長野の佐久というところです。木はカラマツだったんですね。今、北海道にあるカラマツは、ほとんどそこの木を持って行って植林したんです。その当時は、ここらへんの群馬の山でまっすぐに育つ杉を見て、うらやましいなー、と思いました。当時関東へは碓氷峠より十国峠の方が交通の要だった。杉の運搬もこの近くの神流川を下り、前橋で一度集め、利根川経由で東京まで運んだんです。
戦後、なーんにも無くなった中で、みんながんばって杉を植林し、育てたわけです。それがやっと今使える材となったのに、このような杉が大切にされないような世の中になってしまったのはとても残念だ。
戦時中から戦後にかけては木がとても貴重だったから、当社も木の電柱をつくっていたが、どうにか他の材料でできないかと、簡単で安いコンクリートの柱をつくった。しかしコンクリートは実は自然を破壊しているんですね。それがわかってからは、こんどは鋼管柱をメインにしている。時代とともにどんどんいろんなものを開発していった。当時はそれがいいと思っていたけれど、今振り返ってみるとそれは間違いだったのかもしれない……。
 急ぎすぎたなぁ! 日本は急ぎすぎたよ。南雲さんと出会って、このスギダラの活動を知って、それがよくわかった。だからもう一度木を使いたい、と真剣に思っています。
南雲さんはコンクリートを使い、鉄を使い、そして今木を使い始めている。でも我々は木からスタートし、コンクリートに変わり、いま鉄にいきついた。そしてこれからはまたスタートに戻り、木を使おうと真剣に考えているんです・・・・」


由井から話が出ました、杉ポールの件ですが、何とか秋までに、杉照明ポールを開発し、製品化したいと考えています。本当に杉から始まり、また杉に戻ることになります。

スギダラケの会員のみなさん、何かつくりたいもの、考えていることがあったらいつでも気軽に相談してください。出来るだけのお手伝いはします。

ということで、 今後ともどうぞよろしくお願いします。


畜産環境事業部:ヨシモトポールではいくつかの事業を展開していますが、畜産環境事業部はその中でも今後拡大していく方向にあります。国内外の優れたシステムと最新システムを取り入れた畜産施設(主として豚舎)の設計施工を行っています。日本の農業をバックアップしていきます。

最後にみなさんにお知らせです
7月29日(土曜日)当社群馬工場で開催する納涼祭に是非参加して下さい。食べ物もいっぱいあり、飲み放題、打ち上げ花火付で500円です。アヒルのダンスみんなで踊りましょう!



<すずき・ゆきお> ヨシモトポール株式会社 ( http://www.ypole.co.jp/)勤務。

 
 


   
  Copyright(C) 2005 Gekkan sugi All Rights Reserved