連載

 
小さな杉暦 9月 おまけもあります。)
文/写真 石田紀佳
あのスギぼっくりからとびだしたスギの種が、再びスギぼっくりを鈴生りに するまでのほんの歩みはじめの記録。
 

 

発芽して4ヶ月。人にたとえると何歳くらいになったのでしょうか。赤ちゃん、という感じではな いですが、まだまだ幼年時代にいるようです。
というのは、まだ「樹」というよりは「草」の姿だからです。先月、植え替えのために、苗を抜い て見ると、土に入っていた根元の茎が根っこにかわるあたりは、樹木らしいかたさと茶色味を帯び ていましたが、地上に出ている姿はまだまだ一年草のようなのです。
一年では植物の体もかたくならないのですね。年月の風雪にされされて、あの樹の皮も年輪も、で きていくのでしょう。そんなことを感じながら、人間でも赤ちゃんの肌と骨と、自分のそれでは、 この杉苗と製材所に積んである材木ぐらいの差があるのだと、ちょっとがくぜんとしながら思い知 るのでした。

 
 

●9/15杉中くらいの子 ただいま身長約8センチ。

 
 

●9/15杉上から 横に枝茎を広げた子とまだ広げていない子があります。

 
 

●9/15ひのき そろそろこちらも間引きをしなくては。

 
 

●9/20杉苗横 下のほうの赤ちゃんのときの葉を落としています。

   
 

●植え替え3兄弟 8月末に植えかえた苗は深窓の令息子。

 


番外杉暦 観光編

  ●鵜戸神宮
宮崎日南に行ったおり、「おちちあめ」を手にいれるために立ちよった鵜戸神宮のお稲荷さん。杉の樹をそのままつかった鳥居でした。根元の太さに注目!

 
 
 →おまけ
 
 
●<いしだ・のりか>フリーランスキュレ−タ−
1965年京都生まれ、金沢にて小学2年時まで杉の校舎で杉の机と椅子に触れる。
「人と自然とものづくり」をキーワードに「手仕事」を執筆や展覧会企画などで紹介。
 
 


   
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