秘話というほど秘話ではない、日南生まれ、オビータの誕生秘話。
●
昨年の10月、我が事務所で石田さんと南雲さん、私の3人で顔を寄せ合いエコプロダクトのパンフレットのレイアウトについて打合せをしていた。最初にあがってきた案をみながら細かい修正をしていたのだ。このパンフレット自体、展示後も使っていけるしっかりしたものにしよう、と決めていたのでかなり真剣だった。その中に飫肥杉の特徴を紹介する飫肥杉キャラクターが描かれていて、3人は少し気になった。どうせならパンフレット同様今後も通用する飫肥杉のマスコットをちゃんとデザインしてはどうか?
そこからは早かった。
「かたちは?」「もっとシンプルにした方が良いね」「木とおにぎりって同じ三角で似てるよね。オビスギコロリンとかどう?」「単純にスギダラ会員証みたいな角材でもいいよ。」「名前は何にする?」「オビスギか・・・オビスギ君じゃ単純かな?」
こういう話しになると俄然勢いづく。時折冗談を交えながら何となく大まかなかたちと方向性は決まっていった。木全体のかたちではなく、飫肥杉の特徴である"節"がだせるよう、製材した角材をイメージしたマスコットだ。このマスコットを立体ものにし、それを撮影、合成写真等の画像処理をしてパンフレット内で飫肥杉の特徴紹介をしようという事になった。
「これはおもしろそうだ!どうしてもこれはやりたい!!」と思い、私は担当にしてほしいと頼んだ。とにかく先ず立体にしてみない事には始まらない、と事務所にあったは材でつくってみたがうまくいかない。胴が長すぎるのかな?脚の出し方が変かな?試行錯誤して何とか第一号ができた。一人の判断では不安もあり、再び石田さんを交えてみてもらった。アドバイスをもらって角材の大きさや胴の長さ、手の位置等細かい所を決めて再度制作開始。この頃になると展示期間中にこれも置こうなんて話しもでていたので、やはり胴体部はホンモノの飫肥杉でないと!という事で、参加メンバーの谷材木店の谷さんに頼んでは材を送ってもらった。正真正銘飫肥杉でつくった飫肥杉マスコットだ。
|