特集 油津 [後編] 夢見橋の使い方

 
「オビダラ日記」の日記

文・写真/ 河野健一

定点観測 のおまけもあります 
 
 

■2006/11/11
日南市油津で「赤煉瓦ネットワーク2006日南大会」が開催された。
この夜、集まったメンバーが、あることを約束したらしい。
「スギダラ全国大会in日南(略して「オビダラ」)」
・油津の堀川運河で進められている、飫肥杉製の屋根付き木橋づくりを市民参加で!
(↑ボクは、ここには居なかったので、後で聞いた話。どうやら「オビダラ」誕生の日。)

■2007/01/05
今年は、年男! 猪突猛進! ピンと来たら、がむしゃらに突き進もう!
と考えていたところに、アトリエ74建築都市計画研究所の辻さんからメールがっ。
・屋根付き木橋づくりを市民が参加できる「お祭り」にしましょう!
・実現するためのアイデアがあったら、どうぞヨロ杉お願いします!
夢見橋をみんなでつくりあげる大作戦「オビダラ計画」が、動き出そうとした日。
そして、それを動かそうとし始めた、必殺「仕掛け人」辻さん。

■2007/01/08
宮崎市青島で「2007冬のフラワーショープレイベント&青島裸参り」が開催された。
杉屋台に立ち寄ったら、(当時)県庁宮崎土木事務所の井上課長さんを紹介いただいた。
そして、あたたかく励まされ、何かが出来そうな気がしてきた日。
・みんなで話せば、ナントカなるもんですよ。
・ガンバらずに、いきましょう。
たのもしく、心強い、それでいて、やわらかい、おっきな方だった。

■2007/01/09
日南市役所協働推進課の安藤課長に相談。
屋根付き木橋づくりを通じて、みんなに飫肥杉を見つめ直して欲しかった。
・市役所にプロジェクトチームを立ち上げ、議論しては?
飫肥杉課が生まれるキッカケとなった日。

■2007/01/26
SAKUTA建築設計の作田耕一朗さんの飫肥杉ダラケの新居でケンジ。
(日南では、新築祝いのことを「ケンジ(建司?)」と言う。)
オビダラ計画の下協議となるかと思いきや、ただの飲み会。
飫肥杉の床板のあたたかさと、イノシシ七輪焼きに大満足した日。

■2007/01/29
辻さんから続々とオビダラ計画の具体案が届きだした。
・木橋の桁材(120年生の飫肥杉)は、街なかを馬車で引いて現場に運ぼう!
・木橋完成時は、飫肥杉のボードデッキで七輪焼き肉パーティー!
・ボク(河野)が常駐する飫肥杉製品展示施設「杉の館」をつくろう!
尽きないアイデアに少し押され、日南市役所の皆さんに相談した日。

■2007/03/01
油津の夜、有志が集まり、木橋イベントの準備委員会が開催された。
熊田原工務店の熊田原社長の木橋にかける熱い思いを聞いた。
参加者は、日南市まちづくり市民協議会や日南商工会議所の皆さんなどなど。
木橋づくりを単なる公共事業にせず、市民みんなでつくりあげていくことで意気投合。
実行委員会を設置することを決め、考えられるイベント案が続々出された。
そして、二次会での必殺仕掛け人・辻さんからの一言で、ブログを開設することに。
オビダラ計画を強力に進めるチームと、ブログ「オビダラ日記」が生まれることになった日。

■2007/03/15
「(仮称)堀川運河『飫肥杉木橋』架橋イベント実行委員会」結成総会が開催された。
呼びかけ人は、日南市まちづくり市民協議会の細田会長と日南商工会議所の清水会頭。
初めてお会いする方もいた。
港町油津のまちづくりや飫肥杉に関わられている方々が集まった。
そして、日南市教育委員会の岡本課長補佐の一言で、実行委員会のナマエが決まった。
「堀川に屋根付き橋をかくっかい実行委員会」
(「かくっかい」とは日南弁で、「架けようゼ!」みたいなカンジ。)
変なナマエ〜と思った日。

■2007/03/27
やっと、ブログ「オビダラ日記〜飫肥杉ダラケのまちづくり〜」を立ち上げた。
記念すべき一発目のタイトルは、「堀川運河に屋根付き橋をかくっかい!」。
変なナマエ〜と思ったコトなんか、もう忘れた日。

■2007/03/29
2回目の実行委員会が開催された。
細田委員長が、「市民が飫肥杉やまちづくりに関心を持つキッカケづくりを!」とごあいさつ。
木橋イベントの内容が、少しずつ決まってきた。
・ナマエを募集しよう!
・部材にメッセージを書いてもらおう!
たっくさんの人たちが関わって木橋が完成することを夢見た日。

■2007/04/02
いろんなHPやブログにリンクしたいのに、わからない。
ということで、スギダラ宮崎支部の広報宣伝部長・吉武春美さんに相談した。
わかりやすいアドバイスで、解決!
少し成長した日。

■2007/04/11
3回目の実行委員会が開催された。
6月20日までナマエを募集することが決まった。
ナマエの選考委員をお願いする方々も決まった。
地元以外では、政策研究大学院大学教授・篠原修先生や、スギダラ宮崎支部長の海野洋光さん、
NHK連続テレビ小説「わかば」(ロケ地:日南市飫肥)ヒロイン・女優の原田夏希さん、
そして、東国原英夫・宮崎県知事など。
このほかにも、実行委メンバーから多くのアイデアが出され、楽しかった日。

■2007/04/12
辻さん、スギダラ本部の石田紀佳さん、蒔田有美子さんからメールが。
昨夜、もうひとつのオビダラ作戦が静かに進行していたらしい。
・オビータくんが紹介する紙芝居を作ろう!
・木橋を通じて、まちづくりや飫肥杉の活用を子ども達に紹介しよう!
誰かが描いてくれた紙芝居に、ニコニコ群がる子どもたちの姿を夢見た日。

■2007/04/22
明日の第4回実行委員会用に、紙芝居のラフ案を描いてみた。
芋焼酎「黒飫肥杉」を飲みながら、クレヨンで落書き系。
まあ、メンバーにイメージしてもらう下書きだから、ヨシとした。
ヘタクソな絵に、ちょっとムカッときた日。

■2007/04/23
4回目の実行委員会が開催された。
なんと、ボクの落書き系紙芝居が採用されてしまった。
やばい! 小5の息子が描いたことにしておけば良かった。
観光地でのGWイベントで、部材へのメッセージ記入を呼びかけることになった。
いろんな人のメッセージや願いが詰まった木橋になるだろう。
やりたいコトや、やらなければならないコトが多すぎて、あたまパンパン気味の日。

■2007/04/24
熊田原工務店に行って、部材の切り込みや組み立てを見てきた。
木橋の天井に使う曲げ木づくりには、驚いた。
沸騰したお湯で2時間あたため、さらに2時間お湯の中、ジャッキで締めていた。
これ、足場用のジャッキ5本を逆さまにして作った、オリジナルマシーンらしい。
伝統工法での木橋づくりに取り組む大工さん達に憧れた日。

   
  オリジナル曲げ木マシーン   逆さで組み立て中の屋根
  オリジナル曲げ木マシーン   逆さで組み立て中の屋根
   
 

■2007/04/26
最近、いろいろなところから耳にする。
・実行委員会は行政主導だ!
実行委員会ができる前に、一番心配していたことだ。
ボクは、市民の皆さんが、考え、話し合い、行動し、悩み、また考え・・・
といった機会を潰しているのではないだろうか。
みんなのチームワークで取り組めば、今後のまちづくりのためにもなる。
それぞれが、何が出来るか、どこまで出来るか、なぜ出来ないのか・・・
と考えるチャンスにしたかったのに。
自分の小ささが嫌になった日。

■2007/04/28
宮崎市青島で、「yappaあおしまdeナイト!3」が開催された。
堀川運河の屋根付き橋や飫肥杉をPRするため、スギダラケなブースがあった。
日南海岸地域シーニックバイウェイ推進協議会事務局の谷越さんたちのご協力で。
木橋の部材にメッセージを書く若い人たちがいた。
飫肥杉のベンチに座りながら、楽しそうに、そして真剣に書いている。
メッセージ記入をやって良かったなぁ〜と染みた日。

■2007/05/07
5回目の実行委員会は欠席して、NHK宮崎放送局の生番組に出演してきた。
作田さんや、ナス材木店の南寿さんと一緒に。
もちろん、飫肥杉と屋根付き橋のPR!
作田さんご指導のもと、木橋の絵を書いて、ナマエの募集もしてきた。
でも、リハーサルとは違う質問には、慌てた、慌てた。
少年野球の教え子に、テレビに出ちょったねぇ〜とツッコマレタ日。

■2007/05/13
油津の港朝市に行ってきた。
実行委メンバーでもある、油津のまちづくり団体が部材メッセージ記入イベントをされた。
GWには、飫肥の方々が飫肥城下町で、熊田原さんは日南海岸でされていた。
メッセージを書く地元の皆さんから、油津や堀川に対する思いが伝わってきた。
海や魚や杉やまち・・・、ふるさとを誇らしく思った日。

■2007/05/16
油津小学校に行ってきた。
紙芝居「飫肥杉の一生」を読んできた。
なんでボクが? 自転車に乗ったオジサンに群がる子どもをイメージしてたのに。
ヘタクソ紙芝居は、市内の全小学校に配られた。
いいのだろうか、あんなので、教育上よろしくないのでは。
紙芝居の枠は、熊田原さん作の50年生飫肥杉製。
子どもたちの真剣なまなざしに、少し汗ばんだ日。

■2007/05/22
屋根付き橋のナマエ募集に、107人から224件も応募が来ている。
6/20の締切まで、あと一ヶ月ぐらいだ。
ちなみに「日南おびすぎドーム」の時は、76人124件だった。
素敵なナマエが付くことを夢見た日。

   
  ■2007/05/23
  木橋づくりの現場に、柱が立ち始めた。
堀川運河に、飫肥杉が立体的になってきている。
シャープな飫肥石の固まりの存在感にも驚いたなぁ。
6回目の実行委員会も、出張と重なり欠席した。
蒔田さんのアイデアの杉冊子をつくろう!と話し合ってもらったが、難しそう。
ぜったい子どもが喜んで、それが大人にも伝わっていくと思うのに。
子ども達が飫肥杉ハカセになってくれることを夢見た日。
  部材に書かれた夢・願い
部材に書かれた夢・願い
   
 

■2007/05/31
訳あって、しばらくの間、数枚の写真撮影程度しか現場には行けなかった。
屋根が乗っていた日。

■2007/06/08
7回目の実行委員会は、久々の出席。
06/24(日)の上棟式の内容が、ようやく固まってきた。
大工さんが唄うスローな棟上げの唄「木遣歌(きやり)」に合わせて、みんなでロープを引っ張る。
力を合わせて、チームワークで、みんなで木橋をつくり上げていくんだ。
そのあと、屋根付き橋の屋根の上から、もちをまく。
当日は説明コーナー(堀川運河、景観・町並み、木橋、飫肥杉、紙芝居など)も置く。
ぜったい、杉板のパネルを使ってもらおう!
高校時代のもちつきのバイトを懐かしく思った日。

■2007/06/12
油津小学校の6年生担任の安波圭先生からメールが来た。
この前の紙芝居を聞いてくれた子ども達は、一生懸命勉強してくれているらしい。
木橋について調べている6年生の質問だ。
・なぜ飫肥杉じゃなきゃいけないんですか?
・木橋を造るのに働いている人数は,だいたいどれくらいですか?
・なぜ木橋を造ろうとおもったのですか?
・橋の完成まで,実際どのくらい時間がかかりそうですか?
年明けからしか関わっていない、自分の知識不足に気付いた日。

   
 

■2007/06/14
今日の昼スギの油津は、どしゃ降り。
そんな中、市内の中学校が屋根付き橋の工事現場見学に来てくれた。
雨合羽を着て・・・。風邪引かないといいなぁ。
大雨の中、屋根に銅板を貼る職人さんに見とれた日。
銅の価格が一番高い頃に仕入れたらしい。
屋根の銅板、盗まれないといいな。

  どしゃ降りの中の中学生
どしゃ降りの中の中学生
   
 

■2007/06/20
今度の上棟式では、お二方にお話をしていただく。
まずは、油津地区都市デザイン会議の篠原修委員長さん。
そして、屋根付き木橋などを設計された小野寺康さん。
当日は少し高いところからでないと、お二人の顔が見えないと思った。
南那珂森林組合の星衛俊和工場長にお願いした。
桁材の120年生飫肥杉の切り株をステージにしたかった。
星衛さんは、いつも急なボクの願いを叶えてくれる。
「ホシえもん」と思った最初の日。

■2007/06/21
8回目の実行委員会に行った。
昨日でナマエ募集を締め切った。
うれしいことに、全国の607人もの方々から1,201点もの応募があった。
本当に多くの方々に関心を持ってもらっている。
上棟式の内容を再確認した。
ここ何年かで一番、天気にな〜れ!と思った日。

■2007/06/23
いよいよ、明日は上棟式。
作田さんの飫肥杉ダラケの新居では、ミヤダラ合宿中。
行きたかったなぁ。
昨日は、星衛さんが飫肥杉製のツイタテを作ってくれた。
青島で見たとき、ぜったい油津でも!と思っていた。
木橋の棟上げを祝う大勢の人たちで賑わうシーンを夢見た日。

■2007/06/24
上棟式は熱くて暑かった。
手作りでも、あんなに嬉しい感激することが出来るんだなぁ。
誰もが初めてのコトばかりで、試行錯誤、ケンケンガクガクだった。
でも、何かが見えてきたような気もした。
詳しいことは、ブログ「オビダラ日記」に書こう。
木橋が無事に一日も早く完成することを夢見た日。

   
   
  上から見た上棟式   上棟式朝の実行委メンバー
   
 

■2007/06/29
油津小学校の6年生が現場見学に来てくれた。
とても暑い日だったけど、一生懸命メモしていた。
子どもが何かを吸収しているときの表情って、イイ。
この子たちが今日持ち帰る木橋の話題で、夕飯の食卓が賑わうことを夢見た日。

■2007/07/03
9回目の実行委員会。
上棟式の反省点が、いろいろあった。
次は、8/26竣工式へ向けて、再スタート!
ボクなんかが出来ることは、ほとんどないけど、あんまりデシャバリすぎないようにしよう。
いつも口を挟みすぎて、きっと嫌な思いをしている人もいるだろう。
みんなが出来るコトを持ち寄って、みんなで完成をお祝いしたい。
木橋には関係ないが、明日は木橋の近くの福岡医院へ行く予定だ。
先日、一日半で失敗した禁煙に、医学の助けを借りるため。
両親など、自分より先に生まれた方々より、長生きしようと夢見た日。

■2007/07/05
油津小学校の6年生全員から手紙が届いた。
先日の現場見学のお礼だった。
来てくれて、聞いてくれたので、こっちこそお礼を言いたい。
一気に読んだ。
笑ったり、考え込まされたり、頼もしく感じたり、うるっときたり。
禁煙2日目のイライラもあっさり吹き飛んだ日。

   
  ■2007/07/10    
 

今度は、桜ヶ丘小学校の5年生が現場見学に来てくれた。
上棟式で、紙芝居の台に使った飫肥杉の樹齢を聞かれた。
橋桁と同じと思い、これも120歳ぐらいと答えた。
ボクの自信なさげが伝わったのだろう。
女子チーム4〜5人は、いっせいに声をそろえて、年輪を数え始めた。
その結果、90歳であることが判明!
かわいい行動力に完敗した日。

 
小学生の現場見学
   
 

■2007/07/12
実行委員会も、もう10回目。
ナマエの第一次選考で、1,201点が40点に絞り込まれた。
油津堀川橋、堀川運河橋、運河橋、堀川憩い橋、堀川木橋、堀川夢回廊、堀川夢叶う橋。
堀川運河屋根付き橋、ほりかわ弁甲橋、弁甲橋、弁甲屋形橋、弁甲曙橋、おび杉べんこう橋。
おびすぎ橋、飫肥杉橋、飫肥杉木橋、油津おびすぎ橋、運河飫肥杉橋、おびすぎ匠橋。
堀川飫肥杉橋、飫肥杉だらけ・屋根付運河橋、飫肥杉屋形橋、飫肥杉夢叶う橋、飫肥杉夢昇天橋。
おびすぎロマン橋、おびの香橋、杉香橋、杉かおる橋、杉石橋、美杉橋、夢杉橋、夢の杉橋。
コミセンわくわくブリッジ、しあわせやね橋、新曙橋、ぞんこ木橋、だれやみ橋、日南元気屋根橋。
ボクらの橋、夢見橋。
多くの思いが伝わり、でもボクは、あのナマエがいいなぁ〜と夢見た日。

■2007/07/14
外は、ものすごい暴風雨。
台風4号が油津を直撃中。
油津の最大瞬間風速は、観測史上最大の55.9mらしい。
もしかしたら、熊田原さんや星衛さんなど、工事関係者の方々は現場に行かれているかも。
自宅で焼酎を飲みながら心配した日。

■2007/07/20
11回目の実行委員会は、やむなく欠席。
前回の実行委員会で、チーム分けをしたので、話もかなり進んだだろう。
メインイベント、サブイベント、ステージイベント、記念品・展示・即売。
そして、会場整備・装飾、駐車場、講演・セミナーと、計7チームに頼もしい各リーダー。
もう何も心配いらないゾと安心した日。

■2007/07/25
木橋の上で、竣工式の打ち合わせをした。
現場を行ったり来たりしながら、いろんなアイデアがまだまだ出てきた。
特に、ベンチやテーブルやツイタテなどなど、星衛さんに注文が入る、入る。
星衛さん、困っているような、うれしそうな。
「ホシえもん」の四次元ポケットを羨ましく思った日。

■2007/07/28
今日と明日は、日南の夏恒例「油津みなとまつり」。
その中の一つ、港での「弁甲競漕大会」は、6mの弁甲2本に5人がまたがり競漕する。
油津の夏の風物詩だが、1回も出たことがない。
スギダラチームが参戦する来年の夏を夢見た日。
少し先には、帆を上げたチョロ船が見えていた。
この大会の司会者も恒例で、我らが実行委員会事務局長の日南商工会議所・黒田課長。
たしかにウマいしゃべりだが、ちょっと毒舌で、きみまろ風だ。

■2007/07/31
12回目の実行委員会で、各チームの進捗状況を聞いた。
やる気のあるリーダーが引っ張るチームは、すばらしい。
「おびすぎリンピック」も実現していただけるそうだ。
スギダラ関西支部の「杉リンピック」を油津でも!
子ども達が杉に親しむ姿、親子で協力し合う姿を夢見た日。
ナマエは、11人・団体の皆さんによる第二次選考が終わった。
最終選考に残った3点は、弁甲橋、堀川飫肥杉橋、夢見橋。
あとは、8/1油津中、8/6油津小・桜ヶ丘小の投票を待つのみ。

■2007/08/09
13回目の実行委員会。
少年野球の沖縄遠征や仕事などなどで、竣工式のための時間がほとんどなかった。
でも、そんなの関係なく、かなり細かいところまで決まっていた。
みんな、木橋に関心を持ってほしい、愛して欲しい、と思っている。
きっと、完成後もそれぞれの思いで、いろんな木橋の使い方が出てくるのだろう。
ボクは完成後の木橋と、どう関わっていきたいのだろうと自問自答した日。
あ、それと、ナマエが決まった。
いいナマエが付いたなぁ。

■2007/08/14
付近を通りかかったら、足場が取れていた。
ぜんぜん違う風景に、驚いた。
橋だけの橋になっていた。
・完成したのだなぁ〜
誇らしげに、胸を張っていた木橋に、背筋がピンと伸びた日。

■2007/08/17
14回目の実行委員会は、お休みした。

■2007/08/20
現場で、汗だくの星衛さんと話した。
今度の日曜日にせまった竣工式の準備で、もう準備に入っていた。
準備する飫肥杉のモノたちについて、1個1個、熱く語られた。
長い間、飫肥杉で飯を食われてきた方の、キモチを伝える場にもなるとイイなぁ。
辻さんや吉武さん、蒔田さん達からは、いろんな提案が届いている。
中でも、「金魚すくい」チックな「杉すくい」は、面白そうだ。
ビニールプールではなく、「まぐろ箱」を使おうというアイデアに、一本取られた日。

■2007/08/22
「杉すくい」は「杉つり」に変わったらしい。
これはイイ!
釣り堀好きな地元の子ども達や、おっさん達にもウケるだろう。
ボクも「かふぇみやだら」のトナリで、「オビータくん屋さん」をやることにした。
材料は星衛さんに準備していただいたし、道具は買ってきた。
竣工式の全体的な運営は、実行委員会の先輩方が着々と準備されている。
やっぱり、ボクなんかが首を突っ込まなくても、ぜんぜん問題なかった。
当たり前か。
でも、4日後の竣工式に、なんだか緊張してきた日。

   
  ■2007/08/24    
 

竣工式を明後日に控えた土曜日の夕方、実行委員会の皆さんが地元テレビに生出演。
リポーターの浴衣姿は、木橋に似合っていた。
実行委員会の緑色のおそろいバンダナも、それなりに似合っていた。
終わったら、明日のリハーサルと、最終打ち合わせ。
木橋のまわりが、飫肥杉や飾り付けや多くの人たちで賑わうことを改めて夢見た日。

  実行委がテレビ出演PR
実行委がテレビ出演PR
   
 

■2007/08/25
今日は朝から明日の準備。
全体的な準備は、各チームで役割分担。
その様子は、ブログに書くとして。
ボクは、「かふぇみやだら」と、「オビータくん屋さん」の準備をガンバった。
「まぐろ箱」を搬入して、「杉つり」用の水タンクを熊田原工務店に取りに行った。
熊田原さんは少しも緊張気味ではなく、大物オーラを放っていた。
その後、まぐろ箱に園芸用ビニールを貼って水を貯めたり、杉ツイタテを組み立てたり。
次につくるときは、きっと、もっと上手に出来るだろう。
そして、帰宅後、せっせとオビータくんづくり。
夜中までかかって、110匹産んだ。
作田さん達のバーベキューにも行きたかったなぁ。
竣工式が、いよいよ明日にせまった日。

■2007/08/26
ついに、竣工式の日を迎えた。
東国原県知事からナマエの発表があった。
「夢見橋」
みんなの夢が、いっぱい詰まった橋になった。
・部材に書かれた何千もの夢。
・かつて、この場所に木の橋を架けた人、それを使っていた人の夢。
・地元の飫肥杉を使い、伝統工法、新しい技に挑戦した人たちの夢。
・このまちを愛する人たちの夢。
そして、夢見橋の名付け親(名付けっ子?)、尾田原章太くん(小6)のキモチ。
・この橋へ来て、夢へ向かっていってほしいなぁ〜。
小野寺さんが、みんなの前で誇らしげに言われました。
この橋に関わってきた人たちが、思っているでしょう。
・俺がいたから出来た橋
・俺がいなかったら出来なかった橋
・私が言ったことが形になった橋
一つの夢が叶い、次の夢に向かっていくことになった日。

   
  竣工式につめかけた5000人の市民
  竣工式につめかけた5000人の市民
  夜の夢見橋
  夜の夢見橋
   
 

■2007/08/27
夜、夢見橋に行った。
近所のおばちゃんたちの世間話が聞こえてきた。
橋の上は、自宅のエアコンより涼しいらしい。
前から知っている人のように感じた日。

■2007/08/28
夜、夢見橋に行った。
連れて行った息子は、橋の至る所をまだ小さい手でなぜて、におった。
血が繋がっていることを感じた日。

■2007/08/29
夜、夢見橋に行った。
橋の上のベンチに座った娘は、しゃべる、しゃべる。
明るい娘に元気を分けてもらった日。

■2007/08/30
夜、飲んだ帰りに、夢見橋を渡った。
出張で日南に来られたらしき人たちと、すれ違った。
どこかで会ったことがある人のような気がした日。

■2007/08/31
夜、夢見橋でアイスクリームを食べた。
涼しい橋の上が、もう少し涼しくなった。
近くにいた3〜4歳の子に、美味しそぉ〜と言われた日。

■2007/09/06
実行委員会の反省会があった。
参加者が一人ひとり語った。
うれしかったこと、苦労したこと、夢見橋にかける思い、次にしたいことなど。
一人ひとりが思う、夢見橋との関わり方、夢見橋の使い方、活かし方があるのを感じた。
最後に、ボクがしゃべろうとしたら、みんなから言われた。
・泣くなよぉ〜
そんなことを言われて、泣きたくないのに泣きそうになった日。

■2007/10/28
禁煙は、やめた。
約4ヶ月で、断念。
なにしろ、体に悪い。

   
   
   
   
 
   
   
   
   
 
 
 

●<かわの・けんいち> 日南市・北郷町・南郷町合併協議会事務局/日南市役所・飫肥杉課

   
   
   
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