空間が人間に与える影響力は、いまさら語ることはありません。その町がどのように進むか、また、衰退しているのかは、その町の空間に触れてみれば、大方、掴めるものです。宮崎県木材技術利用センターの有馬所長は、面白い実験を行なっています。木の箱で育てたマウスとコンクリートの箱で育てたマウス、鉄の箱で育てたマウスの育成実験です。マウスの生育が、木の箱が断然、良いのです。
スギダラが作る杉の空間を楽しんでいただくと良くわかるのですが、心地よい空間は、人が集まり、次第に会話が生まれます。空間に有機的なものを使うことが人間だけでなく、生き物全てにも良いことが、この実験でも実証されたわけです。海杉は、このような空間の中で生まれた合意形成を『有機的民主主義』だと思っています。
海杉と同じことを考えている人がいました。
【参考文献】人間のための都市設計 レスター・R・ブラウン
http://www.earthpolicy.org/Books/Seg/PB2ch11_ss7.htm
海杉の考える有機的民主主義は、堅苦しいものではなく、「この空間をどう楽しくするか」「自分たちの住む自分たちのまちをどうするか」「人が幸せに(愉快に)なるには・・・」などをみんなでわいわい楽しく話し合うことでしょう。スギダラで発信できるなんとも心地良い空間は、なぜか、この心地良さを必ず、他の人に言葉で伝えてたくなる自分がいるのです。 |