連載

 
あきた杉歳時記/第22回
文/写真 菅原香織
すぎっち@秋田支部長から、旬の秋田の杉直(さんちょく)だよりをお届けします ・・・・
 
 

秋田では「爆弾低気圧」などと物騒な名前の付いた暴風雪が吹き荒れ、凍える毎日を過ごしています。でもときおり顔を覗かせる太陽の光は、日に日に強さを増しているので、心なしか気分は上向き。これからはじまるいろいろな計画に、テンションはあがる一方です。
つい先日も、ひとつのプロジェクトが無事完遂し、新たなるステージに向けてスタートを切りました。そこで今回のあきた杉歳時記は、いつもとちょっと違った「スギモノガタリ」について書きたいと思います。

無事完遂したプロジェクトとは秋田県から委託された「国体ボランティアサポート」です。内容は、昨年秋田で開催された、秋田わか杉国体と秋田わか杉大会(全国障害者スポーツ大会)を支えるボランティアのみなさんの募集・登録、研修、情報提供などで、そのために有志を募ってボランティア組織「秋田スポーツボランティアサポートチーム」(愛称:OLEわか杉)を立ち上げ、活動をしてきました。

   
 
 

ボランティアの種類。(秋田わか杉国体・秋田わか杉大会ボランティアホームページより引用)

   
 

そもそものきっかけは,2001年に開催された秋田ワールドゲームズでした。最終的に3800人を超えるボランティアが集まったのですが、個人情報の関係もあって大会が終わったと同時に名簿を破棄してしまったのです。そのため、「楽しかった」「またボランティアをしたい」と思っている人たちへ連絡をとる手段もなくなり、せっかく芽生えたボランティアの「芽」を秋田に根付かせることができませんでした。

2003年の暮れ、秋田ワールドゲームズでボランティアをしていた方から、今回の国体では同じ轍を踏みたくない、ということで相談を受け、当時IT支援のNPO法人で活動していた私は、情報発信などで何か役に立てればという気持ちで協力することにしました。そして、足かけ5年、国体ボランティアサポート活動をしながら、「国体・大会が終わっても、だれでも気軽にボランティアとして参加できるようなしくみ」を考えてきました。

国体などのボランティアは、大きく分けて競技の知識や専門的なスキルを必要とされる専門ボランティアと大会運営をサポートするイベントボランティアに分けられます。イベントボランティアは特別な資格やスキルを必要としないので、誰でも気軽に参加することができます。そこで、地元のお祭りやイベントで気軽にボランティアができるようにすれば、活動の機会も多いのでは?と考え、ボランティアをしたい人とイベント主催者をつなぐしくみを考えました。そして先日、有志によって「mottoわか杉ネットワークあきた」を設立し、「OLEわか杉」から、「mottoわか杉」にその想いをバトンタッチしたのです。

   
 
 

mottoわか杉の活動イメージ図。「mottoわか杉」の「motto」は「もっと・・・したい」の「もっと」。

   
 

イベント主催者と協力・連携し、多くのボランティアが気軽に活動できる場をつくることによって、お互いにとってよい関係を築くことができればいいなと思っています。その輪が広がっていけば、きっと秋田県全体がもっと元気になれるような気がします。

ところで国体のマスコットとして大活躍、全国ゆるキャラ王選手権の初代チャンピオンにも輝いた人気者の「スギッチ」ですが、県のマスコットとして再就職が決定したのでわたしもほっとしています。今年6月15日に北秋田市で開催される全国植樹祭のマスコット「森っち」とともに、県民に愛される存在として活躍が期待されますね。

スギダラ秋田支部も新年度に向けていろいろと企てているところですので、お楽しみに。

   
   
   
   
   
   
  ●<すがわら かおり> 教員
秋田公立美術工芸短期大学 産業デザイン学科 勤務 http://www.amcac.ac.jp/
日本全国スギダラケ倶楽部 秋田支部長 北のスギダラ http://sgicci.exblog.jp/
   
   
 
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