特集 WCTE2008 (第10回木質構造国際会議)

 

WCTE2008  ポスターセッションへの投稿

文/ 千代田健一

ここ2ヶ月、千代田さんがうんうん呻りながら取り組んでいたのは、この論文のためなのです。

 
 

WCTEとは、World Conference on Timber Engineeringの略で、和約すると、公式には「木質構造国際会議」となっています。
本部の若杉、千代田、辻、エトセトラの略ではありません。

木質構造に係わる最新の技術・研究・設計手法などに関する発表や情報交換を行う世界最大の会議のことで、これまでに、シアトル、東京、ロンドン、モントリール、マレーシア、フィンランド等で2年ごとに開催されてきました。記念すべき第10回大会は、2008年6月に宮崎で開催されることになっています。会場は前回の杉コレの開催地都城市の宮崎県木材利用技術センターになっています。
詳細はhttp://www.wcte2008.com/をご覧ください。ただし、全て英語です。
この会議では上記のように世界各国からの情報が集まります。主に口頭でのプレゼンテーションとポスター展示によるプレゼンテーションです。

この会議の運営に宮崎支部の出口先生(宮崎大学)が関わっていらっしゃいまして、スギダラを襲ったこの一連の不幸?は、出口先生の以下のメールから始まりました。

   
 

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みなさん:出口です。

2008年6月2日〜5日に宮崎で10th World Conference on Timber Engineeringが開催されます。私もなぜだか学術委員会のメンバーになっています。詳細は添付パンフレットをご覧下さい。

辻さん:日向市での(富高小学校での?)取り組みか何かで投稿しませんか?
部門は EducationかUrban Planningでしょう!
査読論文にはなりませんが、英語発表のカウントにはなります。
Abstract(300words)の締め切りが8月1日です。

内藤先生は忙しいでしょうが、川村さんは日向駅舎Wood in Archtectureに発表しませんかね?

吉武さん:スギダラをUrban Planningに出す手もあります。
南雲さんや千代田さんは、Design やProductsへの投稿も可能かもしれません。
みなさん:一考、下さい。 
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・・・その後
再度出口先生から、

   
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千代田さん:以下のように、南雲さんからメールが来ています。
「ボクは英語が苦手なのでここは千代田さんにお願いしようと思います。
月刊杉もよろしくお願いしますね。 南雲」
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これらのメールのやり取りからいつの間にか、ボクと辻さん、内藤事務所の川村さんがエントリーする羽目になる訳です。もちろん口頭プレゼンテーションなんてできっこないので、ポスターセッションへのエントリーです。
ちなみに南雲さんからはこの件ではメールも電話もいただいていません(苦笑)

何はともあれ、スギダラ系で3つの投稿エントリーをすることになり、苦渋の日々を過ごしたのであります。

ぼくの担当は富高小学校での課外授業のこと。Education教育における木材活用のテーマで書くことになりました。まあ、とりあえず和文を作成し、出口先生のチェックを受け、さてどうやって英訳しようか悶えておりました。
僕も英語には自信があるわけでもなく、しかも論文みたいなものなので、通常自分で書いている会話的な英語ではダメであろうと、毎日ため息をつくばかりで、一向に作業が進みません。あまりにもため息ばかりついてうるさいもんだから、隣の席の若杉さんが、
「オレ、スゲーこと思いついたぞ! 聞いて驚くなよ!・・・ジェフに頼め!」
「???   おおーーー! そりゃぁスゲー!!! ナイスアイデア!」
早速、ジェフに連絡を取ったところ、あっさり引き受けてもらうことになったのでした。

今回はこの翻訳をやってくれた若杉、千代田の仕事上のパートナーであり友人でもあるジェフリー・ジョーサンさんによる訳文と千代田の元原稿、それからジェフが日向を訪問することになった、その後の展開のお話を読んでいただこうと思います。ちなみにジェフの本業はいろんなことやってますが、一言で言うと、国内企業と外国企業の橋渡し的存在で、特にIT技術を得意としたビジネスコンサルテーションとか業務代行とかを中心にやっているクロスワイヤ<CROSSWIRE>と言う会社の代表取締役です。

まあ、ボクの硬い感じの投稿文が生き生きとした英文になっている様を体感してみてください。それと最後にジェフが書いてくれた日向のこと・・・ボクはこれを読んで泣きそうになりました。文章もうまいけど、ジェフが感じたジェフのハートがぐっと伝わってきます。ジェフに頼んで良かった!
若杉さん、さすがだよ!!!
まだまだあのときの感動は続いており、今も尚いろんな人に繋がって行っているんだと実感しました。
ああ、素晴らしい。杉とともに往く懐かしい未来。(ち)

   
   
   
 
●<ちよだ・けんいち>インハウス・プロダクトデザイナー
株式会社内田洋行 テクニカルデザインセンター所属。 日本全国スギダラケ倶楽部 本部広報宣伝部長
   
 


 
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