連載
  吉野杉をハラオシしよう!〜“駆け出し”専務の修行日記〜第27回
文/写真  石橋 輝一
  鍛え系杉連載。さぁ、吉野中央3代目と一緒に勉強だ!
 
 

こんにちは。連載27回目です。
こちら吉野はお盆が明けてからは、随分と暑さが和らぎ、秋の気配を感じる日が多くなりました。今年の夏は、時折降る局地的なものすごい夕立が印象的でした。本当にびっくりするくらいの局地的具合で、当社の工場から500mくらい先に短いトンネルがあるのですが、それを越えると雨が降っていなかった、という事もありました。なんだか変な天候です。

さて、今回から何回かに分けて、ここ吉野の古い製材所などの味わい深い木造建築物などをご紹介しようと思います。

今回は、僕の実家です。築50年を越える木造住宅で、まさに日本家屋!といった家です。細部に昔の職人さんのかっこいい仕事ぶりが垣間見えて、本当に素敵なので、ご紹介したいと思います。

まずは、玄関の丸窓です。竹を使っての見事なデザインだと思います。

   
 
  玄関の丸窓
 
  竹の形状をうまく利用して、よい意匠になっています
 
 
外部から見ると、こんな感じです。
   
 

続いては、和室へと続く廊下の丸窓です。二層構造になっていて、手前が竹細工、奥が杉格子です。柱は桧、長押や枠は杉、壁は土壁。その中に入る丸窓。なんとも良い感じに均整が取れていて、美しいです。

   
 
  廊下の丸窓
 
 
二層構造になっています。奥側の杉の赤味材で組んだ格子、曲線が見事です。
   
 

窓の建具です。杉の赤味材で作られているようです。建築当初は杉の赤味が美しかったと思いますが、時が経ち、深みが増し、美しさに磨きがかかっています。

   
 
  廊下の窓です。照明も良い感じです。
 
 
杉の窓です。シンプルなデザインですが、1本1本の材がすごく細いので、繊細な仕事です。
   
 

子供の頃が住んでいながら、昔は気にも留まらなかったのですが、木材を扱う仕事をするようになり、住宅建築や住まいの文化を意識するようになってきた為か、すごく光り輝いて見えます。素材の特性を上手に活かした見事な職人芸。大事にしていきたいです。

つづく

   
   
   
   
   
  ●<いしばし・てるいち> 吉野杉・吉野桧の製造加工販売「吉野中央木材」3代目(いちおう専務)。
杉歴3年。杉マスターを目指し奮闘中!
吉野中央木材ホームページ http://www.homarewood.co.jp
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