特集スギダラ関西
 

スギとゆく、Awajiの未来

文/写真 北坂 周
 

こんにちは!
ラーメン、つけ麺、僕スギやねん。でお馴染みスギやねん関西の周でございます。

今月の月刊スギは「スギカン」特集ということで、スギカン風雲児の私が「スギとゆく、Awajiの未来」をテーマにちょろっと書きたいと思います。

   
  スギーカー』
   日本のエーゲ海といわれる瀬戸内海に浮かぶ淡路島で、スギを使ったモノヅクリをしています。なんで杉の産地でもない淡路でスギやねん!とよく言われたりもしますが、"楽しくスギを使う"というスギダラのスタンスに共感しておりまして、そんな"楽しくスギを使う"を僕なりの考えで作ってみたのが、日本初?無垢の杉を削りだして作ったスピーカー、いわゆる「スギーカー」です。
   
 
スギーカー
   
 

ちゃんとネットーワークも組んだりして意外とまじめに作ってます。
肝心の音質ですが、スギらしい音がしますよ。

   
   
  『古民家再生「スギダラ亭」計画』
先月号の北部九州特集で、スギダラ家の古民家に来て民家?を拝見して、ビビッ!ときましたね。
というのも、僕も淡路にある間取り2K+Tの平屋の民家を改修していまして、これもスギダラの魔力かなと思いました。Tはもちろん田んぼのTです。
この民家は戦後建てられたものですが、あの阪神淡路大震災では震源地の近くにもかかわらず、地震に耐えた民家でして、ダンボール屋敷と化していたものを、ぼちぼちとイイ感じに改修していっているところです。
   
  スギダラ亭
   
  改修後は、アーティストがギャラリーとして使ったり、スギダラでワイヤワイヤしたりと自由に使える空間にする予定です。
   
   
 

『淡路島でスギダラ』
それはさておき、淡路は他の田舎がそうであるように、過疎化が進み若い世代が減っています。そのため、淡路市にある小学校と保育園が統廃合のため、毎年2,3校ずつ廃校(手続き上休校)になるのですが、廃校になった後の学校の利用方法が決まってなくて、困っています。

この間、市長さんを囲んだ勉強会で、そのことについて話し合ってきまして、市としては利用法を考えていかなくてはならず、宅地分譲、企業誘致はなかなか難しく、他の自治体と同様に地域活性につながる利用法で困っているようでした。
また、「学校がなくなると人が集まらなくなり、地域の活気がなくなるので人が集まるような施設にして欲しい。」というのが地域住民の願いで、よくある老人ホームなどにするのは活気のある地域にはならないので、前向きではないようです。

それで、現在考えられている案の一つに、複数のアーティストが学校を使って製作、発表の場にしようというものがあります。
というのも、淡路では芸術活動をしている人が意外に多くて、柳沢地区はアートパーク事業が行われていたり、大磯にはアート山ってのもあったりします。

そこーで!スギが登場です!
私が廃校でスギモノヅクリをしながら、時折スギダラとしてワークショップなどのイベントを開催し、地域の子供たちや大人たちと一緒にモノヅクリなどして、SUGI
LOVEになってもらおうというのです。
こう聞くと、稚拙だ。思うかもしれませんが、この構想には裏があります。

   
   
 

『山づくりは海づくり』
淡路島は琵琶湖ほどの大きさで、島の周りは豊かな海に囲まれ、明石の鯛、由良のウニ、沼島の鱧など築地に並ぶほど有名な海産物に恵まれています。陸では、甘くて美味しい「淡路のタマネギ」や神戸牛の元である「淡路牛」などがあります。
海岸線からは一気に山が広がっていて、雨が降ると山の栄養分が流れて豊かな海を形成しています。
そんな淡路も戦後の植林でスギがたくさん増えました。
しかし、林業地としては完全に衰退してしまい、山を守る人がいなくなったので、建材として使えるスギが取れなくなってしまいました。
周知のように放置された山になると、自然界の循環機能が低下してしまうので豊かな海が守れなくなります。治水の意味でも治山は大事ですよね。

そこーで!淡路の放置された杉を農家、漁師、商工会を巻き込んで島民の手で伐採して、山を手入れすることにより、豊かな淡路の自然を守っていこう!っちゅう考えがそこにはあるのです。

と、まぁこんな感じでぼちぼちやっとります。

   
   
   
   
  ●<きたさか・しゅう> 島人
Lifestyle of Health and SUGI ( LOHAS )を提唱し、淡路島でスギモノヅクリに励む。
ブログ 古民家再生「スギダラ亭」計画 http://awajinoie.blogspot.com/

   
 
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