連載
  吉野杉をハラオシしよう!〜“駆け出し”専務の修行日記〜第34回
文/  石橋 輝一
  鍛え系杉連載。さぁ、吉野中央3代目と一緒に勉強だ!
 
7月あたまの吉野は、梅雨の真っ只中です。
梅雨から夏にかけては、杉や桧の原木の出材量が極端に少なくなります。夏場は木が生長する時期なので、水分を多く吸い上げています。水分量が多い為、傷みやすく、また白太部分に虫が入りやすい事もあり、伐採に適していません。
伐採に適するのは、「寒切り」という言葉がある通り、夏場以降の寒い時期です。秋になると、木は生長を抑え、水分の吸い上げる量を減らす為、伐採に適すようになります。
   
 
  冬場は原木であふれた土場ですが、梅雨の今はちょっと寂しい感じです。
 
  杉の原木の断面です。濃い年輪が冬場に生長した部分で「冬目」と呼び、この冬目と冬目の間が「夏目」、夏場に成長した部分です。冬場の生長が少ない為、線のようになります。夏場は生長が大きい為、幅が広くなります。
   
  さて、梅雨と言えば、アジサイ。吉野山は桜が有名ですが、実はアジサイの隠れた名所でもあります。ちょうど今が見頃だったので、写真を撮ってきました。
近鉄吉野駅から吉野山に登る「七曲り」のアジサイがすごく綺麗です。葉桜のトンネルをくぐりながら、山を登る道の脇に咲くアジサイが楽しめます。青、藍、紫、白、と色々な種類のアジサイがあり、じめじめとした梅雨に鮮やかな彩りを添えてくれます。
   
 
 
 
   
   
  つづく
   
   
   
   
  ●<いしばし・てるいち> 吉野杉・吉野桧の製造加工販売「吉野中央木材」3代目(いちおう専務)。杉歴3年。杉マスターを目指し奮闘中!
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