特集 吉野
  吉野木材若手軍団のご紹介
文/写真 石橋輝一&吉野木材若手軍団
 
2009年11月14〜15日の「吉野林業体感ツアー&にっぽんの木の文化を語るフォーラム2009in吉野」をきっかけに結成された、吉野の木材関連の後継者を中心とする「若手軍団」のご紹介をさせて頂きます!
20代後半から30代前半にかけての若い力の集まりです。
   
   
   
  吉野木材若手軍団 顧問
 中井章太さん (中神木材)
   
  まずは、この若手軍団の顧問、中神木材の中井章太さんです。
中井さんは林業家で、吉野独特の制度である山守さんの7代目。吉野町議会の議員さんもされていて、吉野林業、そして吉野という地域の再生を目指して、色々な取組をされています。ツアー&フォーラム終了直後の中井さんのブログの記事からご紹介させて頂きます。
 
中神木材・代表、中井章太さん
  ●2009年11月15日
午後2時から開催されましたフォーラムには県内外約70名の参加者が集まり、スギダラケの活動事例を踏まえた基調講演と若手製材業者とスギダラケメンバーとのパネルディスカッションが盛大に行われました。その後、会場を吉野山「歌藤旅館」に移し、交流会が行われました。参加されたメンバーは、皆さん木を愛し、木に関わりたい、そして木を活かしたい想いをもった非常に個性豊かな方ばかりでした。そして皆さんが口ずさんで言われていたことは、吉野杉の良さ、恵まれた吉野の環境資源、こんなに恵まれた環境はどこにもないですよという言葉です。改めて自分の町を見渡したとき、身近なものが木でできていない、木にこだわりを持って、そこから意識改革をしていかないと明日の吉野はないかもしれない、と感じた。しかし、危機感を感じて参加した地元の若手製材所のメンバーが、スギダラケのメンバーと一生懸命語る姿に、かすかな光を感じたのも事実であった。来年、吉野で開催予定の「樽タル大作戦」「やっ樽デー」が交流会で決定したのも光の一歩かもしれないと感じた。開催にあたってご尽力をいただきました石橋君を中心とする事務局の皆様、ありがとうございました。ちなみに本日、スギダラケ倶楽部に登録させていただきました。
   
  中井さんの文中にもある、吉野にいる僕達が「気付いていない」吉野の「素晴らしさ」。僕達のこれからの活動の中で、間違いなく重要なポイントになると思います。
ちなみに中井さんのお名前は、「あきもと」さんとお読みします。
   
   
 
  吉野木材若手軍団 渉外
 上大昌幸さん (上大木材産業)
   
  さて、続いて、上大木材産業の上大(うえお)昌幸さんです。
  上大さんは主に桧を中心に扱われています。吉野の若手軍団の中で年長組にあたり、吉野木材青壮年経営者協議会(通称“青年部”)の会長もされています。この若手軍団の中では「渉外」担当。
   
  フォークリフトを操る上大昌幸さん   パネルディスカッションで発言中
   
   
   
  吉野木材若手軍団 渉外 兼 「SUGIXILE」*注)後出
 坂本哲郎さん (坂本商店)
   
  まだまだ続きますよ。坂本商店の坂本哲郎さんです。桧の天然乾燥材が専門で、社寺建築材を得意にされています。
坂本さんは若手軍団の中でも、若手にあたります。上大さんと共に「渉外」の担当です。
スギダラ関西の鬼の会計こと、水木千代美さん(ふらふらし杉さん)からは、「山口百恵の息子に似ている!」とパネルディスカッションの時に言われていましたよ。
 
坂本哲郎さん。ヒノキの芯去り5寸角・無節の大物とともに
   
   
   
  吉野木材若手軍団 記録・書記 兼 「SUGIXILE」*注)後出
 向井嘉隆さん (赤庄産業)
   
  続いては、赤庄産業の向井嘉隆さん。若手軍団最年少。集成材の芯になる材を作られています。集成材は表面に薄い板を貼りますが、その芯になる部分の材です。若手軍団の担当は「記録・書記」です。
向井さんからメッセージが届いていますので、ご紹介しますね。
 
パネルディスカッションで発言中の向井さん。左から2人目
  ●吉野体感ツアー&フォーラムを終えて
1番強く実感したことは、自分は吉野で住み吉野で生活していながら、全くといっていいほど吉野の魅力、そして直面してる問題も理解していなかったということです。
でも、こうやって吉野で木材に関わった仕事をしていながら、この程度の認識しかないのだから、木材に関わっていない吉野人たちはさらにもっと遠いところにいるんではないかと思ってしまいます。実際、僕が学生のころは、吉野なんてただの田舎で、セールスポイントはせいぜい川が流れているくらいとしか思ってなかったし、ましてや「こんな恵まれた土地で仕事ができるなんて幸せだ!」とか全くもって思っていなかったので・・・
つまり何が問題って、吉野の人が地元に愛着がなさ過ぎるってことだと思うたりします。(昔から吉野で暮らしてる先人たちは知らないですが。) 実際去っていく人が山ほどいてますし。
ですので、確かに吉野材をあらゆるところで使ってもらうということも大切だけど、それと同時に、全吉野人たちのモチベーションも上げていかないといけないんじゃないかとも思います。町興しってやつですね。吉野から杉だらけにってな感じで。
まあそれよりも何よりもあのフォーラムであの大勢の前で喋らされた?、喋らせていただいた?っていうのが1番の社会勉強になったので、それが自分には刺激になって良かったなと今になって思います(笑)。なかなか経験できることじゃないですし。
最後に、このフォーラムを企画、実行してくださった石橋さんやスギだらけの皆さんに本当に感謝します、これから吉野が良い方向に向かうようにみんなで頑張っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします。
   
   
   
  吉野木材若手軍団 記録・書記
 岡本修一さん (丸岡材木店)
   
  さて、続いては、丸岡材木店の岡本修一さん。
杉と桧のフローリングなどの加工材を中心に扱っておられます。
向井さんと一緒に「記録・書記」の担当です。
 
フォーラム後の交流会のひとコマ。拡声器を持って自己紹介中の岡本さん。
   
   
   
  吉野木材若手軍団 広報・宣伝
 桝井秀基さん (桝井製材所)
   
  まだまだまだ続きます。
(株)桝井製材所の桝井秀基さんです。杉の和室造作材を得意にされています。若手軍団での担当は「広報・宣伝」。桝井さんからメッセージが届いていますので、ご紹介しますね。
 
桝井さん。杉の大きな丸太を中心に製材されています。
   
  (株)桝井製材所の桝井秀基です。吉野杉を扱ってます。
吉野に戻って3〜4年程度が経ちましたが、まだまだ勉強中といったところです。しかし木材とは、奥が深い!!!
これから、何が出来るか未知数ですが、このメンバーで何か起こせたらと思っています。
楽しく頑張っていきたいと思ってますので、ヨロスギお願いします。
   
   
   
  吉野木材若手軍団 広報・宣伝
 田中寿賢さん (グリーンフォレスト)
   
  さて、続いては、グリーンフォレストの田中寿賢さん。
杉や桧をはじめ、広葉樹など色々な樹種の1枚板を扱われていて、家具の制作もされています。
若手軍団の担当は「広報・宣伝」。
 
田中寿賢さん。材木屋さん+家具職人さんです。
   
   
   
  吉野木材若手軍団 広報・宣伝
 丸 充彦さん (丸商店)
   
  さてさて、続きまして、丸商店の丸 充彦さん。
化粧貼りの集成材の業界のパイオニアで、特殊形状の別注材も手掛けられています。
若手軍団の担当は「広報・宣伝」。
 
枠材類の溝切り加工機の前で仕事をする丸さん。本人の希望で“横顔”でのご登場。
   
   
   
  吉野木材若手軍団 実行委員長
 上垣輝幸さん (上垣商店)
   
  そしてそして、上垣商店の上垣輝幸さん。杉の和室造作材、赤杉(杉の赤味材)を得意にされています。上垣さんは前職が高級中国料理店のマネージャーさん、4年前に家業の木材業に戻られました。
  上垣さんの若手軍団でのポジションは「実行委員長」。フォーラム後の交流会の自己紹介の際、「これまで“あと一歩”が踏み出せなかった。今回のスギダラをきっかけに、“その一歩”が踏み出せるように思う」と話され、皆から激励を受けていました!
   
  上垣さん。赤味の色合いが綺麗な杉の盤とともに。   交流会のひとコマ。一番左はスギ関メンバーの生活工房の増澤さん。真ん中が上垣輝幸(てるゆき)さん。一番右が僕、石橋輝一(てるいち)。三人揃って、「“てる”“てる”“ぼうず”」…。千代田さん命名!
   
   
   
  吉野木材若手軍団 実行委員長
 菊谷紀恵さん (ウッドベース)
   
  まだまだ続きます。ウッドベースの菊谷紀恵さん。杉や桧の住宅用材一式を扱われています。菊谷さんは製材仕事、配達などをされています。菊谷さんから、メッセージが届いていますので、ご紹介しますね。
  菊谷さんの若手軍団での役割は、上垣さんと共に「実行委員長」!
   
  11月の吉野ツアー&フォーラム、お疲れ様でした!
吉野産杉・桧材を主に取り扱っています、(株)ウッドベースという材木屋で材木屋見習いをしています、菊谷紀恵です。出身地は吉野杉の産地、奈良県川上村です。家の周りは杉、杉、杉、杉(桧も)。まさに「スギダラケ」な環境で、生まれ育ちました。材木の業界に入ってやっと1年あまり。地元の産業にかかわりたいと思って入ったこの業界ですが、仕事の中で杉に触れる間にすっかり「杉」大好きな人間になりました。
今回のフォーラムでは、皆さんの意見交換の中から改めて、吉野がもつええとこ、吉野の材の魅力を、一歩外から見て感じ取ることができました。また、フォーラムでの各地のスギダラ事業報告を聞いたとき、作り手・山の人・地域の人みんなが楽しんで活動をされている姿がとっても印象的でした。わくわくしました。
そして吉野の林業家、材木業の方とのネットワークができたことは、大きな成果でした。吉野からも発信できること、盛り上がることができると信じています。小さなことからでも、ひとつずつ頑張っていきましょう!
  余談になりますが・・・
懇親会の中で、会長の南雲さんから、「吉野の林業って産業を考えた時、何が一番大事だと思う??」というような内容の質問をされました。ふといろんなことが頭をよぎりましたが、私は、「人だと思います。」と答えていました。吉野の林業を成り立たせたのも「人」。その技術を紡いでゆくもの「人」。だめにするのも「人」。こうして、スギダラメンバーの一員として、活動をしている私たちも「人」。最後はなんだか当たり前のようなことを書いてしまった感じですが、結局は、私たちがこれからどう動いていくか次第なんだ、ということを強く意識しながらこの仕事をしていく覚悟が必要だと感じました。
  ひとつのきっかけを作っていただいた、スギダラのスタッフの方々、石橋さん、ありがとうございました。経験豊かな方も大勢いるなか、私は材木屋として本っ当に駆け出しの見習いです。
こんな私が実行委員会の委員長になっていいのか。。。と考えてしましましたが、楽しむことを忘れず、がんばります!
   
  「吉野杉でマイ箸をつくろう!」イベント時の菊谷さん   交流会のひとコマ。僕、石橋輝一も実行委員長を務めさせて頂く事になり、左から菊谷さん、僕、上垣さんの実行委員長三人です。
   
   
   
  吉野木材若手軍団 実行委員長
 阪口勝行さん (阪口製材所)
   
  まだまだまだ、続きます。阪口製材所の阪口勝行さん。
杉と桧の住宅部材一式を手掛けられています。天然乾燥材のストック量は日本有数の規模です。
阪口さんの役割も「実行委員長」!実行委員長4人体制ですね。
阪口さんからのメッセージをご紹介します。
 
阪口勝行さん。工場内にモデルハウスを建築されています。来年3月完成予定!
   
  木の町 吉野町から全国に発信していく。 その様な会にスギダラがなれば嬉しく感じます。
それぞれの事業所だけでなく、もう少し大きく物事を考えることの出来るグループであればと思って参加します。
吉野にこもっていると街では何が求められているのか?が分からなくなっています。
例えば大阪や東京に出て、建物やアイテムを見学した後、吉野へ帰ってアイデアを練る。それを街へ持ち込んで評価を得る。そんなことが出来そうなスギダラケに期待しながら参加します。
   
   
   
  吉野木材若手軍団 会計
 垣本浩良さん (垣本ハウス)
   
  まだまだまだまだ続きます。垣本ハウスの垣本浩良さん。
化粧貼りの集成材を主に製造されています。
若手軍団での役割が「会計」です。
 
パネルディスカッションで発言中の垣本さん。すいません!正面から撮影した写真が無くて…
   
   
   
  吉野木材若手軍団 会計
 南 隆弘さん (吉野材センター)
   
  そしてそして、吉野材センターの南 隆弘さん。
吉野材センターは吉野製材工業協同組合が運営する産地市場です。毎月2回、杉と桧の製品市が開催され、南さんはセリの振り子さんとして活躍されています。
若手軍団での役割が、垣本さんと一緒に「会計」です。
 
南 隆弘さん
   
   
   
  吉野木材若手軍団 会計
 港 里味さん (主婦)
  続いては、主婦の港 里味さん。吉野町から北へ自動車で30分位の橿原に在住されています。吉野ツアーのバスの中では、絶妙なマイク術で独演会(?)となりました〜。
  港さんからメッセージが届いていますので、ご紹介します!
   
  私、平日は某アウトドアメーカーでバイトしております。
(写真ではクマと写ってますが、クマ牧場の飼育員ではありません。あしからず)
  さて私が育ったのは吉野地方のある町。小さい時から製材所の音や箸を作る機械の音は当たり前のように聞いていたので、杉、檜と言われても、いつもあるもので、当たり前のものだし、価値などサッパリわからなかった…。
その私が何故、目覚めたのか?
それは暇つぶしに受講した奈良県の森林環境教育指導者講座でした。当初は受講しても「今更、木かぁ…」とサッパリ、イマイチだったのに、色んな流れに流されて行くうちに、スギカンに流れつきました。
そんな時に吉野でフォーラムがあると言う事で「どんなことしてるのかな?」という興味だけで参加しました。参加しての驚きは、まず皆さんが楽しい?それに吉野で隠れていたイケメン達を見た時…参加してよかった!!と満足。
いやいや…真面目な話、川上村での清光林業・山林での見学は、今まで山を見た事がない私にとっては吉野林業の技術の素晴らしさにびっくり。でもそれ以上にびっくりしたのが、宮崎県の日南飫肥杉大作戦でした。「こんな素敵なこと、宮崎でやってるの!!!吉野も、材木あかんわ〜どないしょ?じゃなくて、現場が動いて何か面白い事しないとあかんで!」「吉野をどげんかせんとくん!?」…とやる気ばかりに火が付いた私です。
明日の吉野のために、杉を見て笑える、何かを出来たらいいな。
   
  ツアーバス内で独演会中の港さん。一同大ウケでした!   バイト中の港さん
   
  そうなんです。今回のツアー&フォーラムで、吉野若手軍団にイケメンが多い事が判明しまして…。そこで、交流会のノリで持ち上がったのが、SUGIXILE(杉ザイル)計画!歌って、踊れて、製材ができるイケメンユニット!果たして、デビューはできるのか…???
 
  交流会のひとコマ。SUGIXILEで2トップの予定の向井嘉隆さん(左)と坂本哲郎さん(右)
   
   
   
  吉野木材若手軍団 「SUGIXILE」リーダー
 坪岡常佳さん (吉野木質ペレット販売所Refy)
   
  最後は、吉野木質ペレット販売所Refyの坪岡常佳さん。
僕、石橋輝一と同級生で、木質ペレットの販売をされています。
そして家具の制作もされています。
坪岡さんの若手軍団での役割は「SUGIXILE」のリーダー!
メッセージが届いています!
 
木質ペレットを持つ坪岡さん
  Refyの坪岡です。
吉野で木質ペレットを販売しています。樽丸、割り箸に続く裾野産業となるようにPRしています。
また、kagu chair として、家具製作もしています。材木のよさを少しでも引き出して、使っていただく方々に魅力を伝えるため、日々頑張っています。吉野らしさ、自分らしさをしっかり持った、ものづくりをしていきたいです。
   
   
 
   
   
  以上、吉野木材若手軍団メンバーのご紹介でした!
吉野の木材業では、20代後半から30代前半の若手が多いです。今回のツアー参加者の方からも「他の林産地と違って、若者が多く、それだけでも希望を持てる」という意見を頂いた位です。
まだまだ立ち上がったばかりですが、吉野からスギスギと発信をしていきます。できる事から少しずつ…、大変そうな事でもちょっと無理をしつつ…、頑張っていきます!!応援ヨロスギお願い申し上げます!
   
 

吉野木材若手軍団のチーム名、募集中ですので、アイデア送ってくださいね!
ブログを立ち上げていますので、是非ご覧になってくださ〜い!

   
  スギダラ吉野チーム(仮)のブログ:http://yoshinozai.exblog.jp/
   
   
   
   
  ●<よしのもくざいわかてぐんだん> 奈良県吉野地方の林業、製材、木材関係の後継者を中心としたチーム。20代後半から30代前半の若いパワーで、新しい時代の吉野林業を築いていきます!
スギダラ吉野チーム(仮)のブログ:http://yoshinozai.exblog.jp/
   
 
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