連載
  吉野杉をハラオシしよう!〜“駆け出し”専務の修行日記〜第39回
文/写真  石橋 輝一
  鍛え系杉連載。さぁ、吉野中央3代目と一緒に勉強だ!
 
吉野木材若手軍団team KASUGAIの最初のプロジェクトが、1月から2月にかけて行われましたので、報告させて頂きます。
   
  吹田市立佐竹台小学校「コミニュティースポット」新築プロジェクトです。
コミュニティースポットとは地域の安心安全を守る為、子供達の見守り活動の拠点、地域の防犯活動の集合・待機場所として、吹田市が設置を推進しているプロジェクトです。
  今回、コミュニティースポット建設を担当する佐竹台連合自治会さんの中にスギダラ関西のメンバーがいた事が縁で、私達チームカスガイに声をかけてくれました。
   
  スギ関メンバーの水木千代美さん(NPO法人まどり)が中心となって、コーディネートをして頂きました。施工もスギ関メンバーの日向建設さん。設計は佐竹台小学OBで現在も佐竹台在住の田村浩一さん(エルタムデザイン室)で、田村さんはプロジェクト後、スギダラに入会されました!
そして、木材提供が我らチームカスガイ。吉野から杉と桧をたくさん持ってきました!
   
  子供たち、大人たち、街の人、山の人が一緒になって、吉野の杉・桧で建築するコミュニティースポットは、山と街をつなぐシンボルのような存在になりました。では、プロジェクトの模様をレポートしていきます!
   
 
   
  ●墨付け&刻み
  2月1日から日向建設さんの大工さんにより、構造材の刻みが始まりました。現在では機械によるプレカットが主流ですが、今回は大工さんの手作業による「手刻み」で、さらに構造材の接合部は金物で留めてしまうのが大半ですが、今回は「込み栓」を打って留める「伝統工法」で建築が進みました。
現在の日本では、法律面の制約から伝統工法での建築は非常に難しい時代ですが、やはり本物を知るという事は大切な事だと思います。
   
    日向建設の大工さんが柱に墨付けを行っているところです。
       
    続々と刻みが進み、仕口が作られていきます!
   
 
   
  ●2月5日(金)…上棟!
  約4日間の刻み作業を終えて、現場で建て方が始まりました。
       
    基礎を作っているところです。子供たちが興味津々で集まってきます。
       
    見事に組み上がったコミュニティースポット。右隣に見えるのが今までのコミュニティースポット。ビフォーアフターです!
   
 
   
  ●2月6日(土)…キッズカーペンターと一緒に大工工事
  大まかな骨組みはプロの大工さんにお願いしましたが、床板や壁板などは子供大工さん(キッズカーペンター)と一緒に大工仕事を行いました。この日は雪もチラつく寒い一日でしたが、みんな一生懸命がんばりました。
   
    キッズカーペンターのみんなが集まり、大人も一緒になって、コミュニティースポット建築が始まりました。
       
 
  大工さんに教わりながら、床板を貼っていきます。
       
    学校内の一部屋の床も杉に張り替えます。
       
    屋根板はタニタハウジングウェアさんのご協力で、ガルバリウムの屋根材を貼りました。チームカスガイのメンバーもお手伝いしました。これが結構難しい!。写真はガルバリウムの板を切っている阪口製材所の阪口勝行さん。
       
  一日がんばった後は、スギダラ関西の新年会へ突入しました。頑張った後の一杯はやっぱり格別です! 場所はいつもお借りしている日向建設さんの屋上の山小屋で。話が尽きず、深夜まで盛り上りました。
       
    囲炉裏が良い雰囲気です。お酒が進みました!
   
 
   
  ●2月14日(日)…完成除幕式
  そして、ついに2月14日に完成記念式典が行われました!
       
    除幕式に先立ち、完成記念イベントを行いました。写真は丸太切り対件の様子。子供たちはみんな夢中でノコギリと格闘中。
       
 
  丸太切りの丸太を担ぐは、カスガイメンバーのウッドベース・菊谷紀恵さん。
       
    いよいよ完成除幕式がスタート!吹田市長さんからの祝辞。
       
    吉野町長さんからも祝辞を頂きました。
       
    コミュニティースポットの愛称&デザイン案の募集で、優秀賞の子供に賞状と記念品が贈られました!。コミュニティースポットは「ハッピースポット」(ハピスポ)と名付けられました!プレゼンターはカスガイメンバーの上垣商店・上垣輝幸さん。
       
    そして、テープカット。桧の柱をカンナで削ったものを使いました!
       
    そしてそして、遂に除幕の時を迎えました!
       
    来賓の方々と佐竹台小学校の子供達が共同で幕を引きました。幕が降りた瞬間、歓声があがり、杉と桧の良い香りが漂ってきました。
       
    除幕式の途中でしたが、待ちきれない子供達はずんずんと前へ前へ!
       
 
  佐竹台連合自治会の会長さん。撫でているのは杉の磨き丸太。会長さん命名「願いが叶う柱」!。撫でると願いが叶う(かもしれない?)ので、どんどん撫でて下さいね!
       
    佐竹台小学校の校長先生より、お礼の言葉を頂きました。
       
    式典終了後には、吹田市長、吉野町長、プロジェクト関係者を囲んでの意見交換会が行われました。吉野の杉と桧がつないだ縁、これからも大切に育んでいきたいです。
   
 
  ハッピースポットの全景です。
   
 
  キッズカーペンターのみんなが切った丸太をネームプレートにしました。みんなの思い出が詰まっています。
   
 
  最後に、チームカスガイ全員で記念撮影!
   
 
   
  佐竹台小学校のコミュニティースポット建築プロジェクトは大成功の中、無事終了しました。ご協力をいただいた関係者の皆様、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました!。佐竹台のみなさま、“ハッピースポット”をいつまでも大切に、愛してくださいね。
ハッピースポットは完成しましたが、山と街と人をつなぐ活動はずっと続いていきます。吉野木材若手軍団チームカスガイ、前進あるのみ!がんばります!!
   
  つづく
   
   
   
   
  ●<いしばし・てるいち> 吉野杉・吉野桧の製造加工販売「吉野中央木材」3代目(いちおう専務)。杉歴3年。杉マスターを目指し奮闘中!
吉野中央木材ホームページ: http://www.homarewood.co.jp
ブログ「吉野木材修行日記」: http://blogs.yahoo.co.jp/teruhomarewoodもよろしく!ほぼ毎日更新中です。

『吉野杉のハラオシをしよう!』web単行本: http://www.m-sugi.com/books/books_ishibashi.htm
   
 
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