新刊紹介
  『小屋と倉』
文 / 内田みえ
 
     
 

働く建築は美しい。日本各地の木の小屋と倉を満載。
スギダラな小屋も登場!

 
     
  筑波大学大学院・安藤邦廣教授と安藤研究室が、日本各地の木組みの小屋と倉を実地調査、その25年に渡る記録と研究をまとめた本です。たばこの葉を乾燥させるための「常陸のたばこ乾燥小屋」、籾の専用倉庫「山形のモミド」、池の上に立つ「仙北の水板倉」、板倉を土でくるんだ「八ヶ岳山麓のドゾウ」、石で囲う「新島の石倉」、そして八溝杉をふんだんに用いた「八溝山地のせいろう倉」など、地域の気候風土とそこで生き抜くための知恵から生まれた17の小屋・倉を、「干す・仕舞う・守る」という機能をキーワードに編集・収録しています。カラー写真や図面等の資料も豊富に掲載。  
     
  小屋と倉は、地域の記憶の集積であり、日本文化の財産でもあります。その多くが失われつつある現在、この本は過去の記録としてはもちろん、これからの建築やデザインを示唆するヒントとして、また、かつての日本の暮らしと地域を知り得る本として役立つこと請け合いです。温故知新の一冊、ぜひぜひ覗いてみてください!  
     
     
 

『小屋と倉 干す・仕舞う・守る 木組みのかたち』
著者/安藤邦廣+筑波大学安藤研究室
A4変形160ページ 発行/建築資料研究社 ¥3,800+税
http://www.ksknet.co.jp/book/search_detail.asp?bc=93000137

 
   
   
   
   
 

●<うちだ・みえ>編集者
インテリア雑誌の編集に携わり、03年フリーランスの編集者に。建築からインテリア、プロダクトまでさまざまな分野のデザイン、ものづくりに興味を持ち、編集・ライティングを手がけている。

 
   
 
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