特集 杉コレクション2012 in 宮崎
  杉コレ受賞者コメント 受賞者/ チーム菊池
★内田洋行賞『みんなでヤタイ〜一本杉支え愛〜』 松田公伸・丹波秀朗・松本隆男・高木敬二
藤原惠洋・高倉貴子・佐藤忠文
文/写真 佐藤忠文
 
   あれは〆切当日の深夜10時、熊本県菊池市のとある古民家の一室で、大の大人達が画用紙を前に奮闘していました。夏の暑い夜、突飛なテーマに戸惑い、迫る〆切に焦りを憶え…、というのは嘘で、そんなことはどこ吹く風、アレやコレやと見たことも無い愉快なヤタイに思いを巡らせます。すると「そうだ、一人じゃ立てないヤタイにしよう。」と一人が言って、それを一人が絵にしました。そのまま写真に撮って、メールに添付したのが10時41分。「これはグランプリに間違いない!」30分足らずで考えたのに、大人達は大興奮です。
   でも、世の中って不思議なもの、1次審査を通過しました。気を良くした大人達は、2次審査の模型作りにも気合いが入ります。「テーマに沿って、みんなでやらないとね。」と、皆でワイワイと図画工作に熱中です。「審査は、既に始まっているんだ。」妙なところに、拘っています。
   そんな拘りは、最終選考にも現れます。宮崎へ乗り込む車中、作戦名「いっそ酒盛り大作戦〜酔ったが勝ち〜」が発表されます。準備万端。お酒も肴も満載でした。ちゃっかり日向駅舎に感動してから、会場の若草通りに到着すると、木青連の皆様の御陰で30分が100倍くらいになっています。「真面目にやらないと。」と思いを新たにしつつ、一升瓶に伸びる手を止めることは出来ません。「だってこれ、ヤタイだもん!」
   
   明かしてしまうと、こんな下りで僕らは杉コレクション当日を迎えたのでした。不真面目だったかな。でも僕らは、何よりコンセプトに忠実であろうとしていました。何時だって、みんなで考え、みんなで作りました。みんなで発表して、みんなで賞を頂きました。だから「みんなでヤタイ」一本杉に寄り添って、最高の杉コレクションを経験させて頂きました。
   でも、本当に最高だったのは、ちょっとのアイデアを出した僕らじゃなくて、今日のこの日まで、準備に準備を重ねた皆さんです。「ふざけてるって思われないかな?」と実は心配して会場に着いた時、「見てみろ、これ絶対賞取るって!」と言ってくれたのを聞いて、これはいけると確信しました。その素晴らしい度量に感服して、心よりの感謝を。「ありがとうございました!」チーム菊池一同より。
       
   
最終審査にて実際に使ってみます。お酒も肴も満載。周りに人が集まることで、一本杉の脚を支えます。
  「みんなでヤタイ〜一本杉支え愛〜」。実際は中央の脚一本だけですが、自立させるために臨時で四隅に脚をつけています。(photo/(c)ブーフーウー)   みんなで協力してバランスをとりながら、乾杯!
 
  最終審査会にて、「みんなでヤタイ〜一本杉支え愛〜」を囲む。(photo/スギダラ宮崎支部ブログ「南のすぎだら」)
 
  「みんなでヤタイ〜一本杉支え愛〜」関係者一同で受賞を喜ぶ。前列中央、賞状を持っているのが筆者。
   
   
   
   
  ● <さとう・ただふみ> 熊本県菊池市のまちづくりグループ「菊池養生詩塾」副塾長。
熊本県富合町生まれ。
まちづくりのプラットフォームとなるべく、九州大学大学院芸術工学研究院藤原惠洋研究室が展開する菊池文化資源総合調査研究などへの支援活動を行う。毎月第4日曜日に菊池市で行われる「菊池湯ったり軽トラ朝市」にも出店中。
菊池文化資源総合調査研究ホームページ : http://kikuken.info/(きくけん)
facebook : https://www.facebook.com/syanporion
   
 
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