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タコマツシリーズを製品として送り出すこと | ||||||||||||||||
文/ 齊藤治宣 | ||||||||||||||||
タコマツシリーズは製品です。 タコマツ、イカマツはスツールであり、フタゴマツはベンチです。 当たり前ですが、歴とした家具です。 |
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私の仕事は、主にオフィス家具の企画/開発/デザインですが、今回、このプロジェクトに関わるにあたっての役割は、きちんと家具としての試験/品質基準を検証して、製品として送り出すことでした。 | ||||||||||||||||
プロジェクトメンバーになった時点で、開発アイテム/デザインはほぼ決まっていましたから、後は、家具として成り立つための試験、品質面のチェック、製品として成り立つための価格バランス、それに伴う工場の選定といったところがメインワークでした。 | ||||||||||||||||
とは言いながら、試験をクリアすることは前提ですが、それぞれの木々が元々、自然木であり、景観木であり、防風林であり、伐採/製材して製品にすることが目的で植林された木々たちではありません。生い立ちも様々であり、言わば彼らも今回の震災の被害者です。 その木々たちを人々の元に再び送り出す際、所謂一般オフィス家具品質基準と同じで良いのか。変な話し、オフィス向け家具では自然木の製品であってもカタログと木目が違うと、 クレームになる場合もあります。 |
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使用上の障害となる腐れ、割れ、欠落、シニブシは外しましたが、表面のムラ、シミ等は表情として捉えましたので、極力残すように品質限度見本を定めました。 元々、"表情"のあるデザインになっていますので、そこのところもデザインの一部であると考えています。どうぞ、ご理解の程、宜しく御願い致します。 |
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最後に、早く、被災木のタコマツが巣立ち、 全国の木々たちへ、ファミリーが拡大していくことを願って。 |
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●<さいとう・はるのぶ> 株式会社内田洋行 商品企画部 プロダクトデザイン課 課長 |
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プロジェクトの顔 | ||||||||||||||||
文/ 下妻賢司 | ||||||||||||||||
若杉さんは言いました。「ギャルソンのTシャツのハート型のキャラクターがあるだろ?あんぐらいキャッチーで、すげーデザインで頼む!」 何のことやらと思いつつ、「はい!頑張ります!」と言って、ロゴマーク制作が始まりました。 |
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打倒!ギャルソン!一色だった私のデザインは上っ面ばかり求めていて、ことごとく却下。理由は明快。一番大事なタコマツのストーリーが抜けておりました。 プロジェクトの顔にあたるロゴマーク。全国に広がって、多くの人々に復興を呼びかけるシンボル。独り歩きして、みんなに愛されるキャラクター。東北復興の思いが込められたデザイン。考えを改めたとき、スッと一つの形が浮かび上がりました。今のロゴマークの原型です。これを、若杉さん、奥さんの協力のもと、現在のデザインが完成されました。 |
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ある日、このロゴマークのゴム印を自作で作って、フェイスブックに載せている方がおりました。思いはちゃんと届いて繋がっていくのだなあと強く感じました。 | ||||||||||||||||
タコマツの木づな ロゴマーク。愛されるキャラクターになることを願って。 | 山下泰久さんが自作で作ってくれたタコマツのゴム印。ありがとうございます。 | |||||||||||||||
●<しもつま・さとし> パワープレイス株式会社 リレーションデザインセンター インタラクションデザイン部 |
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