特集 長野県栄村セミナー&スギダラツアー
  やっぱ スギダラ でしょ!
文/ 宮崎正毅
   
 
 
  はじめに
   
  当社 瑞穂木材株式会社は、長野県栄村より南に30分の木島平で製材工場をしています。創業は昭和28年で、今年で60周年を迎えます。

創業当初は近くの山の木を使って製材をし、大工さんに木材を供給していました。昔は大工さんがお施主さんよりお金を頂いて、私ども製材さんにこれで用意をしてくれという時代だったそうです。

その後は高度成長と共に住宅が盛んになり、地元の材では供給が間に合わなくなったため、ロシアの唐松材を扱うようになりました。ロシア材は、3・4mが主体ですので、住宅様式の変化に伴い、材料もアメリカの米松へと移行します。しかし、やがて米松はアメリカからの製品輸入や国内での大手工場の進出により、価格的にも太刀打ちできなくなってしまいました。

平成11年に、米松の乾燥をするために乾燥機を導入したのですが、そこから国産材の乾燥を始め、当社も国産材へとシフトしてきました。現在では、25立米の高温乾燥器を3基設置して、杉・唐松を中心に構造材から羽柄まで何でも作れる工場として稼働しております。
   
 
  瑞穂木材株式会社
   
 
   
  日本全国スギダラケ倶楽部(スギダラ)との出会い
   
  スギダラとの出会いは日本木材青壮年団体連合会(日本木青連)に出向していた、平成18年頃だったと思います。日本木青連の理事会等が内田洋行のショウルームで開催され、その時に初めて内田洋行に伺い、ビックリしたことを思い出します。1階のカウンターバー(?)とデッキでの懇親会、通し柱テーブルに椅子、デッキには屋台、通勤帰りの人がお店かと思って入ってくるほどでした。そこでスギダラの話を聞いたのが始まりだったと思います。しかし、当時はスギダラは宮崎県の杉材を中心にしている会と思っていましたので、今回お話が聞けて本当に感動いたしました。
   
 
  内田洋行のデッキでの懇親会
   
 
   
  スギダラのパワー
   
  今回のツアーで、懇親会から参加した私は、みなさんのパワーに圧倒されてしまいました。南雲さんと若杉さんのコンビの会話は、目にもとまらぬ速さ???出るわ出るわで……その話題に素早く反応できる皆さんのすごさは、並大抵ではできないのでは?と感心してしまいました。また、夜は日が暮れるまでというより、お酒がなくなるまで語り明かす。それも熱く熱く。これにも本当に感激です。
 
宿泊先での大宴会が終わった後も、さらに語り明かす
   
  翌日の工場視察でも、「じぇじぇ? 根曲りではないでしょう? J(ジェイ)でしょ。」
こんな発想もビックリです。
セミナーでは若杉さんの漫談士のような軽やかな言葉に圧倒させられてしまいましたが、内容が一番、心に響きました。南雲さんも負けじと?スライドを説明され、そこからはいかに周りの人たちをその気にさせられるのか。感心してしまいました。
今回は、いろいろなきっかけヒントを頂いたように思います。
   
 
   
  最後に
   
  私たちは、行政等に「木材を使ってほしい」と陳情ばかりしてきました。その結果、木材をたくさん使った建物だけは残りますが、木材を供給したらそれで完結です。そこからの繋がりや連携といった、その後に続くものは何もありませんでした。今回のツアー・セミナーを通して、これからは、木材を使うことを基盤に今後どうやって繋がっていくのか、そういった話をしていかないといけないと痛感させられました。

私たちはこれまで、同じ業界の人たちと背広姿で机に座って会議ばかりしてきましたが、このままでは前には進めないのかもしれません。市民の方や、子供たちや女性、あらゆる業種の人たちと一緒になって、地域をどうしたいのかを真剣に考えなければいけない時だと思います。

今回は、勇気とパワーを頂きました。 
また皆さんとお会いできる日を楽しみにしています。
ありがとうございました。
   
   
  ツアー1日目、宿泊先での大宴会にて、自己紹介をする筆者   大宴会の最後の締め。盛り上がりました。
   
   
   
   
   
   
  ●<みやざき・まさき> 製材業
瑞穂木材株式会社 代表取締役。長野県木島平村生まれ。
長野県産材を中心に、製材・乾燥・仕上げを行い、トータルで提供しています。
長野県木連副理事長、長野県産材販路開拓協議会長等を歴任し、県産材の普及に努めています。
   
 
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