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2013年11月30日(土)、秋晴れの中、吉野貯木まちあるきの第2回を開催しました。 | |||||||||||||||
*参照:月刊杉95号(2013年11月)イベント告知「吉野貯木まちあるき&スギダラ全国大会」 | |||||||||||||||
吉野貯木は昭和14年の完成以来、まちがひとつの製材工場の中、日本の木の文化の発信基地として歩んできました。 | |||||||||||||||
製材所、樽丸工場、集成材工場、木工所、原木市場と最盛期は80軒の木材関連施設が軒を並べていました。貯木場内には昭和30年代中頃までは貨物車用の引込線が敷かれ、近鉄と国鉄のレールへと繋がり、木材製品が吉野から日本全国へ旅立っていきました。また、かつての吉野貯木には3つの大きな貯木池がありました。原木丸太を吉野川から引き上げて、製材するまでの間、貯木するための池でした。 | |||||||||||||||
完成したばかりの吉野貯木の様子です。写真左上から貨車の引込線が下りてきています。右側に見えるのが吉野川で、原木丸太を貯木池に運搬する為に運河のような役割を持たせています。現在では、この川は埋め立てられて、川幅は8分の1程度になっています。 | |||||||||||||||
完成数年後と思われる写真です。建物が増えています。原木丸太が流されて、水路を通って貯木池へと運ばれています。 | |||||||||||||||
吉野貯木の真ん中あたり、現在の吉野製材工業協同組合の付近です。貨車引込線は敷設当初から電化されていました。工場、倉庫、原木置場、住居の間を縫って、貨車が走っていました。 | |||||||||||||||
貯木池です。右側に吉野川の本流が流れています。現在では埋め立てられていますが、池の外周部の石垣の一部が残っています。 | |||||||||||||||
昭和30年代に入ると、物流がトラック輸送に変わり始めました。貨車の通行量が減ると、引込線は子供達の遊び場になったそうです。 | |||||||||||||||
今回のメイン企画のひとつとして、場内に張り巡らされた引込線の跡地を巡りました。吉野貯木で50年間ハラオシさんとして活躍した西村守夫さんにご案内いただきました。 それでは、第2回吉野貯木まちあるきの模様をレポートいたします! |
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●第2回吉野貯木まちあるき 報告 |
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第1部 幻の引き込み線を巡る旅 | |||||||||||||||
スタート地点は、近鉄吉野線の吉野神宮駅です。吉野貯木の高台に位置しています。 | |||||||||||||||
吉野神宮駅の駅前空き地に、当時の写真パネル展示とともに、貨車引込線で使われたレールを再現しました。引込線の廃線後、レールは製材所に引き取られて、工場で原木置場の台として使われてきました。 | |||||||||||||||
いよいよ出発です。吉野神宮駅の駅舎の反対側。現在使われていない、いわゆる0番線。引込線はここから始まりました。 | |||||||||||||||
ハンドマイクで説明しているのが、西村守夫さんです。ハラオシさんとして50年、吉野貯木と共に歩んで来られました。 | |||||||||||||||
左側が吉野町地域おこし協力隊の野口あすかさん、右側がウッドベースの菊谷紀恵さん。西村守夫さんの案内のサポートをしてくれました。 | |||||||||||||||
吉野貯木には、木造の工場や倉庫がたくさん残っています。道沿いには、桟積みされた木材をよく見かけることができます。 | |||||||||||||||
引込線の廃線後、そのままコンクリート舗装したそうで、レールがあった部分がちょっと浮いています。 | |||||||||||||||
引込線は敷設当初から電化されていました。当時の電柱が、現在でも1本だけ残っています。 | |||||||||||||||
廃線後のレールの活躍場所が、製材所の原木置場です。吉野貯木の全体では、かなりの量のレールが残っていると思います。 | |||||||||||||||
原木輸送に使われた運河の水門跡です。アーチに向こうに見える山が富士山のような形なので、吉野富士と命名しました。 | |||||||||||||||
川沿いに見える石垣。かつての貯木池の形跡です。 | |||||||||||||||
まちあるきの休憩タイム。お菓子が入っている箱は、昨年12月の吉野材を使った暮らしの道具デザインコンペの最優秀作品"杉のパンケース"です。 | |||||||||||||||
第2部 吉野貯木の「今」を知る旅 | |||||||||||||||
まちあるきの後半は、吉野貯木の「今」を知る旅。これから始まる吉野貯木の新しい歴史の1ページ目を辿ります。まずは、阪口製材所さんのモデルハウスから。吉野サロンと吉野STYLEの2棟のモデルハウスです。 | |||||||||||||||
続いて、丸商店さんへ。日本で初めて化粧貼り集成材を手掛けられた会社です。現在では、特殊加工の集成材を得意にされています。吉野杉のiphoneカバーの製作現場を見学していただきました。 | |||||||||||||||
そして、吉野中央木材へ。目立て場を中心に見学していただきました。この日は、metate-barとして、狩野新さんとのコラボ家具の"じてんしゃのわ"、"トガリスギタナ"も設置しましたが、写真を撮り忘れました・・・。2番目の写真の左端にトガリスギタナがちょっとだけ写っています。 | |||||||||||||||
坪岡林業さんへ。幼馴染の坪岡常佳君が手掛けている"聖山"は、木のある佇まいを提案されています。オリジナルの折敷、机、椅子、フローリングに囲まれた空間で、ゆったりとして頂きました。 | |||||||||||||||
第3部 樽丸と樽酒、吉野樽を巡る旅 | |||||||||||||||
吉野貯木まちあるきの締めくくりは、樽丸と樽酒、吉野樽を巡る旅。吉野林業の原点に戻る旅です。樽丸とは、樽の側板のことです。吉野でも数少ない樽丸職人、樽丸くりやまの大口孝次さんに、樽丸製造の職人技を見せて頂きました。吉野杉の歴史は、日本酒の発展とともに歩んできた事を忘れてはなりません。 | |||||||||||||||
最後は、美吉野醸造さんで、吉野杉の木桶の見学です。月刊杉で何度もご紹介している吉野杉の木桶復活プロジェクトの舞台です。杜氏の橋本晃明さんの説明とともに、木桶仕込み日本酒"百年杉"を味わっていただきました。 | |||||||||||||||
●第2回吉野貯木まちあるきを終えて・・・ | |||||||||||||||
昭和初期、吉野貯木場建設という大事業は、吉野貯木で今を生きる私達にとって、想像を絶するスケールです。吉野材が建築材として全国に名を馳せる事ができたのは、原木輸送の為の運河と貯木池、木材工業団地の造成と生産体制の構築、貨車の引込線の敷設という、来るべき時代に向けたインフラ整備があったからこそです。 | |||||||||||||||
吉野の豊かな森林資源を如何に活かして、次代に引き継いでいくか、昔も今も不変のテーマであると思います。 現在では、引込線は廃線となり、貯木池も埋め立てられ、風景の中で当時を伝えるものはかすかに残るだけですが、吉野貯木を自分達の足で歩き、そのスケールを体感することで、木と共に生きた先人の熱い想い、大胆な発想、飛び抜けた行動力を実感します。いまの時代、出来ることがまだまだ沢山あることに気付かされます。 | |||||||||||||||
吉野貯木の「今」を生きる私達は、かつて吉野貯木と日本全国をつなげていた引込線のレールのような存在を目指して、次代に向けて、歩みを進めています。 | |||||||||||||||
その歩みのひとつが「吉野貯本(ちょブック)」です。吉野貯木の木、人、技、風景、歴史、現在の情報が詰まったガイドブックで、来年3月に向けて製作中です。 | |||||||||||||||
●「第3回吉野貯木まちあるき」&「第3回スギダラ全国大会」のご案内 | |||||||||||||||
この貯本(ちょブック)の発刊を記念して、「第3回吉野貯木まちあるき」を開催いたします。 日時は2014年3月29日(土)です。まちあるきにご参加いただいた方に、もれなく「貯本(ちょブック)」を差し上げます。貯本を片手に、貯木を楽しんで下さい! | |||||||||||||||
さらに! 同日の夜、「第3回スギダラ全国大会」を開催します。全国のスギダラの皆さま、奮ってのご参加をお待ちしております。宿泊等の調整をしたいと思いますので、参加希望の方は、参加表明メールを下記アドレスに送ってください。できれば、2014年1月中に表明いただけるとありがたいです。その際に、懇親会参加と宿泊希望の有無を教えて下さい。ヨロスギお願いいたします。 |
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桜が咲き始める早春の吉野でお待ちしております。 動き出している吉野貯木に、ぜひ遊びに来て下さい! |
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つづく |
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●<いしばし・てるいち> 吉野杉・吉野桧の製造加工販売「吉野中央木材」3代目(いちおう専務)。杉歴5年。杉マスターを目指し奮闘中! 吉野中央木材ホームページ: http://www.homarewood.co.jp ブログ「吉野木材修行日記」: http://blogs.yahoo.co.jp/teruhomarewoodもよろしく!ほぼ毎日更新中です。 月刊杉web単行本『吉野杉のハラオシをしよう!』: http://www.m-sugi.com/books/books_ishibashi.htm 月刊杉web単行本『吉野杉のハラオシをしよう!2』: http://www.m-sugi.com/books/books_ishibashi2.htm |
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