特集 スギダラ大分ツアー
  われスギダラ大分ツアー、かく企画せり!
文/写真 津高 守
 
 
  一昨年の6月に大分に転勤となり、しばらく経ったある日、有馬(晋平)君が「若杉さんが、スギダラ大分ツアーをやってほしいって言ってますよ」という話をしてくれた。
「実行できれば素晴らしい。若杉さんを大分に呼んでスギ九や宮崎のメンバーに声をかければよいのだからすぐにでも実現を!」と思ったものの何の動きもしないまま時間だけが過ぎて行き、昨年春には千代田さんも転勤で東京に帰ることに。
「若千代(若杉浩一、千代田健一)の二人が揃わないとツアーにならないし、千代田さんが九州からいなくなればツアーの実施が困難となってしまう。二人が大分に来れるように何か知恵を出さねば。」と思いつつも、春の陽気に誘われて山登りばかりしていた私であった。
   
  ツアー実施の最大の課題は、若千代二人が大分に同時期に来れるか否かである。いろいろ考えた結果、若千代二人が同時に大分に出張で来てくれることを期待するより、JR九州が二人を講師として招くことができれば問題は一挙に解決するという結論に行き着いた。
3年ほど前にも弊社で若杉さんに話をしてもらったことがあるが、それ以降、部下のスギダラへの理解が大きく深まったのは事実であり、それが結果として大分支社のスギダラオフィスに繋がったと思っている。
今回は、大分支社のメンバーの前でスギダラの話をしてもらおう。金曜日に勉強会を開催すれば、あとの土日はスギダラツアーを実施できると算段した。合わせてスギダラのおかげでJR本州3社にも顔の売れているスギダランナー荒川堅太郎君と、私の下でトレインナーレなる芸術文化活動をやれと命令されて困惑している課長の大田貴信氏にも話をしてもらえば、勉強会としても体裁も整うと考え、開催時期は有馬君が「手作り男子の店」を大分市の中心部で開店するときに合わせて11月の第3週とした。
話はこののちトントンと進み、11月15日の明るいうちは弊社の勉強会、夜からスギダラツアーをスタートさせて17日の午後に由布院で解散するというプランに行くつくことができ、1年越しの課題であった大分ツアーの実施に目処をつけることができた。
   
  ツアーの中味については有馬君の素案をもとに大分分会で調整を図った。今回のツアーの最大の特徴は「杉が無いこと」(爆)。手作り男子の有馬君達の作品と大分支社の内装以外は杉が全く登場しないという、スギダラを否定するようなツアーのメニュー(笑)。
大分がアートで盛り上がっていることを感じてもらえばいいかと考え、最終日である17日の日曜日も空港が近い国東半島の芸術活動でも見てもらおうかと話をしていたとき、思わぬ情報が飛び込んできた。その日のクルーズトレイン「ななつ星in九州」は昼に由布院駅でお客様を降ろしたあと空車となって博多まで回送扱いとなると。アートではないがななつ星の車両も、ものづくりのこだわりを具現化した代物である。これは千載一遇のチャンスとばかり、由布院駅での車内見学の了解を弊社内のクルーズ本部に取り付けた。ただし不測の混乱を避けるためツアーの案内には由布院の散策を行うとだけ書いて、社内見学の話は前日にツアー参加者にお知らせした。一部の方からは「ななつ星の見学がわかっていたら無理してでも参加したのに。」という声もいただいたが、諸事情をご賢察のうえご容赦願いたい。とはいえデザインやクラフトに関わるメンバーの多いスギダラツアーにおいて「ななつ星in九州」を見ていただくことができたことは非常に意義深いことであると思っている。
   
  勉強会からツアーまで怒涛の3日間であったが、詳細は他の皆さんに譲りたい。ただ、15日、16日の両夜とも深夜遅くまで町を徘徊したことを報告しておく。初日の夜には大分分会分会長 三宮康司氏のパワー炸裂で、繁華街である都町での顔の広さを改めて披露してくれた。16日は午前中に手作り男子の店の見学、昼食を弊社の大分支社で食べて別府に移動し、女性版若杉浩一ことアベリアが合流。半ばスギダラツアーを乗っ取る形で翌日まで我々を引っ張ってくれた。今後、大分分会を感染源としてアベリア菌が増殖していくものと推察している。(って一番に感染しているのは私です・・・)
   
  また今回は、東京のスギダラ本部のメンバーに加え、浜松からキャッシー(袴田彩子)が参加してくれ、九州内も北部九州支部は池田支部長や佐藤薫ちゃんが、宮崎からは海野さんや河野健ちゃんたちが参加してくれた。金曜日のみの参加であったが九大の藤原恵洋先生も来てくださり、弊社のトレインナーレにもエールをいただけた。
  延べでは30名を越えるメンバーが集ってくれたことになるが、ツアー後に社内外の人たちから、「よくこれだけ集まりましたね。」とか「大分にお金を落としていただき有難う。」という賛辞もいただけた。
   
  何よりも弊社内でスギダラを認知させることができたのが私にとっては最大の成果である。例えば花粉症で杉の木が大嫌いだと公言していた由布院駅長が、「支社長がこんな立派な活動に関わっておられるとは知りませんでした。私も街の中をスギダラケにするため応援します。」などとヨイショでも嬉しいことを言ってくれた。ある意味、敵が味方に寝返ったという状況である。
   
  今回、社内外の皆の協力でツアーを無事に行うことができた。最後に関係してくれた全ての方に感謝を申し上げたい。
   
 
   
  P.S.
  15日の勉強会に参加した客室乗務員3名(全員美人)は、ツアーのスタートとなる手作り男子のお店のオープンパーティーにも参加してくれた。その際、若杉さん及び河野健ちゃんには3人が座っているソファーに同席してもらったが、見事に二人とも沈黙していた。私がFacebookで客室乗務員との写真をアップするたびに二人は同席させろと言っていた割には余りにも情けない状態であった。(爆)
   
 
  健ちゃん(右)と廣田チーフ
 
 
  スギダラ大分ツアーのキックオフ懇親会に出席した客室乗務員。左の写真、左から廣田さん、小野さん、林さん。美人地獄 にはまって沈黙した若杉浩一と河野健一。
   
   
   
   
   
   
  ●<つたか・まもる> 九州旅客鉄道株式会社 大分支社長
日本全国スギダラケ倶楽部 北部九州支部 大分分会JR班 班長
   
 
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