連載

 
スギダラ家奮闘記
文/写真 若杉浩一
日本スギダラケ倶楽部の総本山「スギダラ家」。9月のオープン目指して、いよいよ製作が始まります。
 
 昨年の今頃、ちょうど一年前である。うちの社長が(向井慎一社長:株式会社内田洋行)「おい若杉、(会社の裏に)畳屋あるだろう、知っとるか? あれうちの持ちもんだ。あれ使っておもしろいもんできんかな?」っておっしゃる訳です。写真を見て下さい。こっちは何でもデザインできれば、すっ飛んで行きますから。即「ある、ある、やる、やる」。「ばかやろう。社長に向かって、“やらせていただきます”だろう。まったく」ってなことで、「スギダラ家」計画がスタートしたのでした。
 しかし、それからがたいへん。新築のビルを建てる、デザインオフィスにする、しまいには壊す、と話しは一転二転。その度に一喜一憂することとなり、南雲さんとの杉のイベント計画もうやむやに。お陰で、嘘つきになってしまいました。みなさん、すみませんでした。そんな調子で半年以上が過ぎ、半ば諦めていましたが、スギダラケ倶楽部の盛り上がり、そして、畳屋の運用も決まらぬ中、本社ショールーム計画のプレゼンテーションがあり、その中にスギダラ家を「企業以外のネットワークと人材との活動拠点として、内田洋行が開放するサロン」という形で盛り込んだ案を出したところ、何と受けが良かったのでした。そして、ようやく社長から使用許可が降りることになったのです。がしかし、まだまだ難関は続く。管理元である総務部長の許可を得る事が条件となり主旨説明を行いました。総務部長いわく「若杉、隣のとんかつ屋あるやろ。あれ今度会社で引き受けることになったんや。社長があれもなんとかせ〜、それが条件や、と」。また条件が増えました。畳屋、そしてとんかつ屋、なんだかやけくそです。
 早速社長に、とんかつ屋の再利用計画の意志をヒアリング。「若杉、お前パワープレイス(内田洋行グループのインテリア部隊です)とは仲悪いんか。お前らデザインチームばかり盛り上がっちゃイカン。ウチダグループ全体のデザインを考えんか。全体のデザイン拠点という視点でプランせ〜」。畳屋、とんかつ屋、そしてパワープレイス、そしてウチダグループのデザイン。増えとる、増えとるがな〜!! 確実に!!
 またまたやけくそです。ウチダグループデザイナー80名を全員集め、社長にも来て頂き、プランをプレゼンテーションし、スギダラ家をウチダグループのデザイン拠点であり、外部とのネットワーク拠点として認めて頂きました。というかゴリ押しでした。2階には、内田みえさんのオフィスも入ることにようやく総務部長も了解! 長かったスギダラ家計画が認められた瞬間でした。次回はスギダラ家(畳屋)そしてお隣のとんかつ屋の詳細、そして活動計画なんぞを紹介したいと思います。
 乞うご期待、スギダラ家は9月中旬にオープン予定です。
お金がないので、メンバー自らで施工を一部行います。協力(ボランティア)できる方は工事日程を案内しますので、来て下さいね!!


●<わかすぎ・こういち>インハウス・プロダクトデザイナー
株式会社内田洋行 テクニカルデザインセンターに所属するが
、 企業の枠やジャンルの枠にこだわらない活動を行う。
日本全国スギダラケ倶楽部 本部デザイン部長

畳家を視察するスギダラの面々、右はとんかつ屋



プレゼンに使用した、スギダラ家完成イメージモデル
 
   
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