3日目ぐらいには水が順調にあがっていると安心していたのですが、忙しくしていてあっというまに一週間以上がすぎ、ある日見てみるとどうも水分が前よりも減っているようなのです。あわてて、別の日に収穫した青梅を入れた
大きなカメに移したのですが、桶を洗う時に裏側をなめてみたら「しょっぱい…」。桶を軽く乾かすと底の裏から塩が析出していました。「やはり塩分(アルコールも)のものを仕込むには板目、といわれてきたのは理由があったのね」とうなった次第です。
※ちなみに同じく南部桶正さんにつくっていただいた味噌仕込み桶は塩分も出ずに静かに働いていますから、彼の腕は確かです。そこのところ誤解がないように。
それにしても梅干しはかなり塩気が強いけど、江戸時代も木桶でも仕込んだんだろうか。焼き物のほうが多かったのかな? ご存知の方教えて下さい。
ところでうちでは庭の梅は青いうちに収穫します。写真を見て「あれ?」と思った人もあるでしょう。熟すのを待つと(都会の小さな庭の小さな木の)収量が減るし、薬効は青梅のほうがあるということで、そのようにやっています。白梅干というらしいですが、これを始めて干したときは梅が青白くて、ゴーストっぽいなあ、とおかしな感じがしました。味や香り、色は熟れたほうがうっとり感がありますが、このしわしわのゴーストもけっこうかわいいです。
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吉野杉一夜漬け桶に渋谷区産の青梅を/2005.6月 |