連載

 
スギダラな人びと探訪/第10回
文/写真 千代田健一

杉を愛してやまない人びとを、日本各地に訪ねます。どんな杉好きが待ち受けているでしょう。

 

 

スギダラ本部に集うスギダラな人々

去る4月4日、5日 スギダラ本部(仮本部)のあるウチダラ洋行にて「桜の宴」と題して、花見会が催されました。ウチダラ洋行は江東区の潮見というところにあります。埋立地で周りには物流倉庫みたいな建物が多く、はっきり言ってさびしいところなんですが、ウチダラ洋行のビルの敷地は運河に面していてその場に来てみるとなかなかいい景観が臨めるんです。その寂れた感じに目を付けられたのか、人気ドラマ「踊る大走査線」の湾岸署の建物として採用されました。
その敷地内に桜の木が5本ほど植わっていて、その時期になるとまあ結構いい感じなんです。なもんで、ここ2年ほど内輪で簡単な花見をしていました。


 
で、今年はウチダラ洋行の社長が「お客さん呼んで花見やろう!」と言い出したからさあ大変! お祭り事と言えば、スギダラ本部デザイン部長の杉若丸さん率いるデザインチームの出番です! 大半の準備を請け負うことになりました。夜の宴なので桜のライトアップの演出もしなくては! 早速、照明機材の調達に・・・器具の必要台数は? 発電機が必要? 購入かレンタルか?・・・もう、大騒ぎです。おもてなしの食べ物だって出来合いのものを買ってきたり、ケータリングなんてありえません。自分たちで食材を調達して・・・ 会場の設営は? 飾りつけは? もう、チーム一丸となって取り組みます。何事もやるときはトコトンやる。これが杉若丸一家のスタイルです。実はこれは仕事においても一緒。デザインは団体戦。メンバー各自それぞれの役割を持って最善を尽くす。それが我がチームの素晴らしいところでボクは日本最強のデザインチームだと思ってます。

さて、今回の花見、我がチームがやる以上、単に桜を愛でながらの宴会にするはずも無く、会場をスギダラケにしてしまおう!というになりました。会場のデザインはスギダラ会員のコバケンとスギダラ事務局のバッテンヤノちゃんが担当しました。

社員食堂が会場となるのですが、そのままではあまり風情が無いので、杉材を使ってインテリアを即興的に改造する案が考案されました。食事を置くテーブルは食堂用のテーブルに杉の角材の長モノをドーンと置いて、見苦しいところには杉の板材でフェンスを作りました。もちろん、みんなで施工です。

それだけでなく会場にここぞとばかりスギダラファニチャーも展示してしまおう!ってことで、つくりかけていた杉王様デザインの新作を完成させました。工場に頼むのではなく自分たちで加工、組み立てをやりました。杉若丸さん、オートバックスの店員みたいでいいでしょ?(笑)

  
 
 
 

   
さらに会場にくつろぐ場が必要だ!と、スギダラ仲間の杉の木クラフトさんから、宮崎の杉コレクション2005にて優秀賞を取った「縁台テント」仕入れました。短納期にも関わらず無理なお願いを聞いていただきました。溝杉さん、池杉さんありがとうございました。会場に華を・・・いや、杉を添えることができました。組み立ても非常に簡単でとても美しいテントで、社内でも評判になりました。杉と桜って相性がとってもいいですね。

もちろん、今回もKATARI BARとぶんぶくすぎっちんも起用されました。となるとメインの食事はおでんときりたんぽ鍋です。

いつものミーティングコーナーは食材加工場に! みんなでごぼうの笹がきをやってます。いやー、楽しそうだ! もちろん、わたしもやりました!

これが社員食堂改め、花見会場?いや、杉見会場ですね。今回の材料は埼玉のフォレスト西川の浅見さんにご協力いただきました。

 
   
 
   
 
 

   
普段の様子からはとても想像できないくらい素敵な空間に早変わりしました。おまけに安上がりだし・・・ほんのちょっとの工夫だと思うんです。このさりげなさはスギダラの極意みたいなもんですね。要は使いようってことです。(ちょっと偉そうですが・・・)

で、会場の要所要所にはスギダラファニチャーが・・・凝ったことをしなくてもとても心地の良い空間をつくってくれる、それがスギダラファニチャーのすごいところです。
 

   

   

かくして、桜の宴、ボク等的には杉の宴が始まりました。ライトアップされた桜が杉を引き立ててくれる、また杉が桜をより一層美しく魅せてくれる、そんな競演でした。

おもてなしの方もぬかりはありません。既に我がチームの定番となっているきりたんぽ鍋を専用調理家具「ぶんぶくすぎっちん」でつくりました。

これもまたまた定番のおでん屋台。4月とは言え、まだまだ肌寒いのでこういった温かい食べ物は超人気です。もてなす方も楽しいからみんな張り切ってます。


   
 
     
今回の志向を宮崎県庁の皆様にもお知らせしたところ、県の東京事務所の皆様が大勢で駆けつけてくださいました。やはり花見に来たというより地元の杉がどのように使われているのか見学にいらしたって感じでしたが・・・(笑)
中央できりたんぽのお椀を持っていらっしゃるのが、チヨダラが懇意にしていただいている二見さんで、多くの宮崎関係者に声をかけていただき、多数の来場をいただきました。
いやはや、宮崎県人の杉連携はいつもながら驚かされます。

写真暗いですが、スギダラ倶楽部からはウチダラさんと小町さんのスギダラ姉妹とユミ杉さんデミ杉さんのナグモデザイン軍が駆けつけてくれました。ナグモ一派は何と八海山の前掛け持参です。(八海山は杉王様のご実家、新潟県六日町の清酒ブランドであります)
写真は無いですが、ミロモックルの関根さん、ヨシモトポールの鈴木さんもお土産持参で来ていただけました。会社のイベントだったのでスギダラのホームぺージでは案内出さなかったんですが、この際そうすればよかったと後々後悔しました。いや、そうしていたらすごい人で溢れかえってもっと後悔したかも・・・うそ!

いや、何にしても来ていただいた皆様には大層楽しんでいただけました。二日間で300名近いお客様をお迎えすることができました。特に外国人の方には杉でつくったもてなし空間がかなりインパクトあったようでした。
で意外だったのは、お客様以上に社員の方が杉の魅力に感銘を受けていたことでした。普段見慣れた空間がちょっとした工夫で見違えるようになっていたからでしょう。社長も会社の上層部の皆さんもうまく行って相当気を良くしていましたので、これから毎年やることになるでしょう! ということは、毎年杉の宴があるということなので、皆様にもご案内したいと思います。

こちらが我が軍の最強の婦人部のお二人で、今回の影の功労者であります。
いつもこういったイベントの素敵な飾りつけやセンスある食事の盛り付けをやってくれる本部スタッフのオクちゃん(左)と今回の会場のデザインと設営を担当した本部事務局のヤノちゃんです。会員証の送付はこのヤノちゃんがやってくれています。皆様、お見知りおきを・・・

こうして、ウチダラ洋行として初の試みとなった「桜の宴」は大成功を持って終えることができました。こういった場が盛り上がるのは我が軍の頑張りともてなしの心がなせる業ではありますが、これもひとつの杉の効能なのではないでしょうか。

 
   
 
   
 
   
 
杉は人と人とをつなぐそんな力を持った素晴らしい素材であることをことさら痛感する二日間でした。
ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。そしてウチダラ洋行の社員の皆さん、スギダラ本部のスタッフの皆さん、お疲れさまでした。
さて、次のスギダライベントの準備もしなくては・・・次は群馬からのレポートになろうかと思います。(ち)


   
●<ちよだ・けんいち>インハウス・プロダクトデザイナー
株式会社内田洋行 テクニカルデザインセンター所属。 日本全国スギダラケ倶楽部 本部広報宣伝部長


 
   
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