特集  上崎橋10周年!!
  かみざきぷろろーぐ 2

文 / 長谷川民子

   
 

上崎橋は上崎住民だけでなく、とても多くの方に愛されて支えられてこんなにも息づいている橋が生まれたんだ。と月間杉を読み返しながら涙が溢れた。

あのとき村人は戸惑った、そう今から10年前の事だ。私もそうだった。上崎に橋が架かることでワクワクと色々な夢に溢れていた私達と、堅実派の村長達それぞれの思いが交差した。
全国どこの村でもそうあったように上崎も遠い昔々から村を守るために村人が共に協力し、村をまとめてきた。 10年前の村長が言っていた。29歳の時に上崎に橋をかけたいとの思いを現実のものとしたい、と構想を抱いていたと!
その時は渡し船があるだけの離れ島的な上崎に橋をかけるなんて夢のまた夢、その時代の村長たちに「ばかろがなん夢のようなことを言よっとか」そう思われていたが、上崎に橋をかけるその思いを実現するために、ひとつずつ、ひとつずつ問題をかいけつしながら、一歩一歩夢へ近付いていった。

そして時は過ぎていき、38年の時を刻み上崎に橋が架かる夢がかなった。

上崎橋はやっとの思いでかけることのできた橋。無事に開通式を終えること以外はどこかそっと見守っていたかったのかもしれない。壮大な夢が叶うとき、嬉しいと思う気持ちとは裏腹に不安な気持ちがあったのかもしれない。

そして今回10周年を迎え記念式典を開催するにあたっても一筋縄では終わらなかった。

だけど話し合いを重ねるごとに村人の気持ちが寄り添いひとつになっていった。話し合いを重ねていくなかで誰かが言った。「こうして皆で集まってああでもないこうでもないと話せるのっていいね。最近は行事があるときだけだったもんね。」橋がくれた想いだと思った。イベントを迎えるにあたり、あのときの福祉大生を招待したいとか、沢山の方がイベントにきて頂けるように上崎橋○×クイズなどを考えていたが、大勢をおもてなしするより暖かい上崎らしいおもてなしをすることになった。イベントが終わり、月間杉を読み返したとき感謝の気持ちと共にある思いが改めて込み上げてきた。

 

 ・ 橋にかかわった人達が招かれるのではなく、
   自分からまた行きたいと思えるような上崎でありたい。
 ・ いつ訪れても上崎の手すりは優しく触れたいものでありたい。
 ・ 公園に立ち止まった人に季節の花々を見にきてほしい。
 ・ 村人の橋に対する思いを忘れてはいけない。
 ・ 村人がいつも元気で笑顔でいれるように、
   いまの私たちが上崎を未来へ育てていかなければいけない!
 ・ 杉ダラケの皆さんに会えて、こうして月間杉を読み返すことがなければ、
   なかった想いかもしれない。

 

そうだ!この事も伝えなくては…

上崎橋や上崎の環境はとても素晴らしいと思う。
そしてそこに住む村人もこれまた素敵なんです。

☆ とてもお世話好きで明るい御夫婦は橋のたもとに住んでいて上崎を訪れる人に声を掛けては楽しくお喋り、また訪れたくなりますよね。そうそうダンスも上手なので機会があったらぜひ申し込んでみてくださいね。

☆ 見た目は大人しい印象ですが名人芸の大工さん、あっという間に自然のものを活かした器や容器を作ります。そして流石です木のことを聞くと色々おしえてくれます。

☆ 笑顔のなかに厳しさを持った役員のYさん。縁の下の力持ちで、笑顔で激を飛ばしみんなをまとめてくれていました。朝早くからパソコンに向かい上崎橋10周年記念行事成功と村人の為に夫婦の会話もそこそこに頑張っていたとYさんを陰で支えていた奥様が教えてくれました。村の相談役ですね。

☆ 区長さんはチョッピリ口下手なんですが今回の式典では上崎を愛する気持ちを語ってくださいました。村人も同じ想いです!

☆ 子供たちもきっと私たちの思いを受け止め、宜しくお願い致します。てくれていると思います。生まれたときからあるこの橋を毎年一生懸命磨いてくれています。大きくなって上崎を離れることがあっても橋は変わらず待ってます。

☆ 10年前に橋作りに参加していた小学生だった女の子は成人し、今回はカメラマンとして式典の準備から終演までをカメラに納めていました。今回の月間杉にも掲載されると思います。女の子の上崎を愛するショットが楽しみです。

本当に温かく真剣に生きている素敵な上崎の人々です。 高齢化はすすんでいきますがこの村人たちの未来が見えてくるような今回のイベントだったのではないでしょうか。

最後になりますが、上崎橋製作から上崎の地域お越し、メンテナンスなど本当に沢山の方々に助けていただきました。心から感謝いたします。
これからも上崎橋や上崎を可愛がっていただきたいと思います。

追記:
今回の執筆で娘に助けられることが多くて娘の成長に驚きました。
これもまた新しい発見をありがとうございました。
杉木に壮大な夢と繋がりを感じました。凄い。 

   
   
   
   
  ●<はせがわ・たみこ> 上崎生まれの上崎育ち。この地をこよなく愛す。
   
 
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