連載

 

小さな杉暦 総集編(最終回) (おまけはお休みします

文/写真 石田紀佳
あのスギぼっくりからとびだしたスギの種が、再びスギぼっくりを鈴生りに するまでのほんの歩みはじめの記録。
 
 

桃栗3年柿8年、柚子のおおばか18年といいますが、スギは何年で実をつけるのでしょうか。
去年の5月9日に細長さ4mmほどの種をまいて、今では背丈14cmあまりに育ちました。
一年の生長ぶりをふりかえって、最終回とさせていただきます。
・・・この一年もいろんなことがありましたね。

   
   
  5月23日に種の帽子をかぶったスギの芽が出ました。   5月30日、スギの双葉はみつばでした! そして本葉もみっつでした。このときはみんな感動しましたね〜。みっつみっつのスギの芽ちゃん♪〜なんてね。「三つ子の魂百まで」、「三つ葉の杉魂百まで」、を感じた瞬間でした。
       
   
  6月はじめ小さいながらもスギらしくなってきました。   6月24日、梅雨に入ってぐんぐんスギに。
       
   
  7月末、梅雨明けの遅い年でしたが、すくすくスギに。   8月18日、 夏の日ざしをあびます。
       
   
  9月15日、小さな枝を広げている子、まだ広げずにいる子。   9月15日、杉中くらいの子。 4ヶ月でここまで。
       
   
    11月初旬、喰われ杉。悲しい姿。。。
   
 

10月中旬、ずっと順調に来たスギでしたが、虫喰いのような跡が!

  12月はじめ、後姿。 喰われながらも、育っています。鉢の上には落ち葉がつもる季節に。
       
   
  12月末、紅葉。 育っていることに安心してほったらかしにしていたら、寒さと乾燥のせいかこんどは変色。あわてて、室内に移動。   1月中旬、回復。色がもどってきました。常緑樹も紅葉するのだと知りました。
       
   
  2月27日、復活。春に向かって新しい芽が出てきました。   2月28日、室内。ひのきさんもいっしょに冬を越しました。
       
   
  3月29日、杉苗。ふたたびお外に出しました。   別れの朝。4月のある日、兵庫に旅立つことに。茎が太くなりましたね。
       
 
  6月20日、そして一年、小さな鉢は今ではすっかり杉林。
   
 
  6月20日。雨の少ない梅雨のはじまりですが、2年目のスギさんたちにはどうでしょうか。やわらかな枝葉がのびのびと夏至前に。
   
 
 
 

 

●<いしだ・のりか>フリーランスキュレ−タ−
1965年京都生まれ、金沢にて小学2年時まで杉の校舎で杉の机と椅子に触れる。
「人と自然とものづくり」をキーワードに「手仕事」を執筆や展覧会企画などで紹介。
近著「藍から青へ 自然の産物と手工芸」建築資料出版社

   

   
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