特集 2周年 

 

日本全国スギダラ勢力図2007年版

文/ 千代田健一

 

 
  次号で創刊2周年を迎えるにあたり、この直前号23号ではスギダラな人々の勢力分布図を再度整理してみようと思います。
昨年の年始(07号)でも一度まとめたものがありますので、それから1年半経った現在その分布がどのように変化したのか、見比べてみると各地の頑張り様がわかるかもしれません。
http://www.m-sugi.com/07/m-sugi_07_chiyo.htm
   
  前回の調査時(平成18年1月)の会員数は約250名でした。現在、平成19年6月25日時点で618名をカウントしています。1年半で370名の増ですから、設立当初からすると徐々にですが、登録ペースは上がってきていると思います。会員登録のペースが上がっているという事は、活動が活性化しているということに他なりません。さらに急上昇ではなく徐々に上がって来ているというのがいいように思います。着実に仲間が増えているってことです。いたずらに数だけ延ばしてもあまり意味はありません。行動レベルで活動を共にしていただける方が増えてきました。
それはここ1年くらいの会員登録の傾向を見てもわかります。誰が紹介するでもなく、ネット上から、我々の活動に「興味があります」とか「応援しています」という激励の会員登録ももちろん多いのですが、最近は各支部単位の活動に直接触れた方々の入会が多くなってきました。
特に関西支部は活動家の仲間が増えてきました。本部メンバーもまだお会いしていない方でバリバリ活動してくれている仲間がたくさんできました。これは各支部にブログを設けたことにより地域情報中心のより身近なコミュニティが形成できたためだと思います。
実は1年半前は各支部のブログはありませんでした。それが今や本部のホームページ以上の盛り上がりを見せています。これも各支部の支部長、広報宣伝部長、事務局の皆さんが情報の更新を意欲的にやっていただいている成果ですね。各支部間で競争しているわけではないでしょうが、いい刺激にはなっているみたいです。
   
  さて、各地の盛り上がりがスギダラ勢力図に表れているか、地区ごとに見ていって見ましょう。
   
  日本全国スギダラMAP
   
  全国のスギダラ会員の人数分布をわかりやすいように色分けして地図にまとめてみました。これをパッと見てわかるのは、まだまだ活動できていない地域がたくさんあると言うことです。中国地方、四国地方、北陸地方、それと秋田を除く東北地方においては殆ど活動できていないことを示しています。スギダラ不在の県がまだ4県もありました。こんなのを見ると「日本全国」を掲げた倶楽部としては何となく征服意欲が湧いてきてしまいます。人間の悲しい性なのでしょうかね?それぞれの地域には魅力的な杉産地が存在しているにも関わらず、リーチが伸びていないのは、単にまだ出会いが少ないからだと思います。
スギダラも人が集まってできているコミュニティですから、当然その地域地域を引っ張って行ってくれる「人々」が重要なのです。恐らくスギダラ過疎地域においても、独自に暑苦しいスギダラな活動をしている人々がたくさんいるはずですが、まだ出会いが無いだけのことだと思います。これまでもそうでしたが、年を重ねるごとに素晴らしい出会いがありました。来年の3周年記念号直前にもまたこの分布図を作ってみようと思いますが、どれだけ白とかグレーのところに色が付くか、楽しみです。
   
  では、各支部ごとに担当エリアと人数を見てゆきましょう。
   
 

■本部&東京支部 支部長:萩原修(No.15)

本部と東京支部の管轄エリアは主に首都圏。
さすがに首都東京、会員登録数174名は圧倒的です。スギダラの1/4以上が東京に集中しています。さらに神奈川、埼玉、千葉を加えた首都圏で見ると、その数270名。半数とまでは行きませんが、かなりの密集度合いです。これは本部が所在しているから当然とも思えますが、スギダラ設立当初からスローダウンすることなく活動を続けられている証でもありますね。それでも最近の登録の傾向は1年半前とは少し変わってきています。
以前はスギダラ3兄弟が講師を勤めた学校の学生の比率がかなり高かったのですが、最近では建築、インテリア、土木、木工等の実務に携わる方々、そこから仕事で繋がっている方々の比率がかなり上がっています。新聞、雑誌等のメディアに携わる方が増えたのも特徴的です。私自身がデザイン業界にいるせいもありますが、ものづくりや場づくりの現場ではスギダラファニチャー等を通して、何か新しさを感じ取ってくれる人がかなり増えてきたという実感があります。
それがウチダラ編集長の名コピー「杉とゆく懐かしい未来」なのだと思います。

最近の本部の活動は、この月刊杉の編集、各地のイベントサポート、会員サポートがメインです。各支部が強烈に頑張ってくれているので、以前に比べると楽になったかに見えますが、会員が増え、活動も増えてゆくとやはり大変ですね。でも、順調に会員数が伸びているのは嬉しい限りであります。
現在事務局を担当しているのは山田聖士(No.98)と堂元洋子(本部No.06)で、月刊杉のレイアウトデザイン、会員証の発行、スギダライベントの設営を主にやってくれています。なぜ、山田は一般会員番号を持っているのか? 本部に入る前から会員であったからです。一方、堂元はなぜに本部番号? それは本部で指名したからです。二人とも仕事にスギダラに頑張ってくれていて、大助かりです。

東京支部も静かに?活動を続けています。支部長萩原さんのデザイン業界ネットワークを活かし、中央線沿線、多摩地区で活躍するデザイナー、建築家の方々をスギダラ化してしまおうと企んで・・・いるのかな?
萩原さんがディレクトしているデザインセミナー「グリーンフォーラム 木と生活のデザイン」の第3回が8月4日に予定されています。講師はわれ等が南雲勝志です。
http://www.greenwise.co.jp/green_forum03.html
スギダラトーキョーのビッグイベントにしたいですね。読者の皆様も是非、ご参加お願いいたします。

一方、関東地区には日光・今市支部(栃木)を設立準備をしていましたが、支部長の山本さん(No.346)のご出産もあったりでまだ具体的活動は開始できていません。首都圏から近場の産地でありますから、まずは気候の良い時期にスギダラツアーで訪れてみたいと思います。

   
   
 

■秋田支部 支部長:菅原香織(No.47) 営業部長:渡辺千明(No.302)
広報宣伝部長:小林瑞穂(No.279) 技術部長:佐々木貴信(No.332)
二ツ井出張所長:加藤長光(No.280)

※北のスギダラブログページ http://sgicci.exblog.jp/

支部としてのスタートが一番早かった秋田支部では、着実に会員数も伸ばし、具体的なアクションも次々に起こるようになってきました。支部の運営スタッフが充実しているのが特徴。今のところ活動拠点がやや能代地区に集中しており、まだまだこれから広げてゆかねばならないのですが、二ツ井出張所長の加藤さん曰く、「変わんねーのが、秋田の特徴だべ」らしい。その言葉通り、影響を近県にまで伸ばすに至っていない。これはお国柄というか東北地方ならではの傾向なのか私にはわかりませんが、本部でも秋田以外の県を訪れる機会がなかなか得られないし、きっかけがまだまだ無いに等しいですね。
しかしながら、秋田の窓山のように、東北地方には素晴らしい景観がたくさん残っていますし、素敵な出会いが用意されている気がしてなりません。もっと踏み込んでみたい地域のひとつなので、引き続き秋田支部の皆さんが引っ張っていって欲しいと思います。
東北地方まとめて50名。ヨロスギお願いいたします。今年の9月には秋田でわか杉国体が開催されますが、国体の名前が名前だけにスギダラでも何かしら参画したいですね。

   
   
 

■宮崎支部 支部長:海野洋光(No.03)広報宣伝部長:吉武春美(No.118)

※ミヤダラブログページ http://miyadara.exblog.jp/

東京以外だと最大の会員数79名を誇る宮崎県、常にスギダラをリードしていってくれていますね。とにかくアクションが絶えない。つねにどこかで杉のイベントが起こっているのが宮崎です。今年の秋には第3回杉コレクションデザインコンペが都城にて開催予定です。これはスギダラの中でもかなりのビッグイベントです。読者の皆様も是非、応募なさってください!→http://www.miyazakikensanzai.com/mokuseikai/sugi_collection/index.html
日南にも分室?(オビダラ)ができて飫肥杉ダラケのまちづくりを強力に推進中。つい先ごろ、油津の堀川運河沿いに建設中の屋根付き木橋の棟上式がありました。橋と言うか木造建築物って感じですね。→http://obidara.exblog.jp/
この橋は今年の7月末に完成予定で、開通式に乗じた「スギダラ全国大会in日南」なるものを東京在住のミヤダラ部員で宮大生の辻喜彦さん(No.48)が企画してくれています。本当に集まれるかな??? 楽しみですね。

あと宮崎には高千穂秋元支部(支部長:飯干淳志 No.133)があります。ネット上にはなかなか登場してきませんが、時折ミヤダラ広報宣伝部長の吉武春美さんがその地を訪れ、レポートしてくれています。一度夜神楽の時期にお邪魔してみたいです。

   
   
 

■北部九州支部 支部長:池田陽子(No.87)広報宣伝部長:佐藤薫(No.126)

※杉九ブログページ http://sugikyu.exblog.jp/

1年半前にはまだ支部としての活動はありませんでしたが、25年以上もつるんでいる池田さん、佐藤さんのコンビはスギダラに新たな旋風を巻き起こしてくれました。何と言ってもすごいのはこのコンビの行動力。とにかくどこにでも顔お出す。直にスギダラをPRして会員獲得。ブログにもオリジナリティ溢れるコンテンツを用意し楽しい話題を常に提供してくれています。広報宣伝部長の佐藤さんによるブログの記述は文句無しに楽しいです。(かなり笑えますよね?)
カバーする地域は福岡、佐賀、大分の3県で、41名。ブログのイベントレポートを見ていただくとわかりますが、小人数でもメンバーの稼働率というか活躍率が高いのが特徴です。また今年の夏も日田界隈のイベントでの活躍が見れると思いますのでご期待ください。

   
   
 

■関西支部 支部長:山本三司郎(No.44) 事務局:石橋輝一(No.238)
  伐採計画部長:梶谷哲也(No.64)

※スギやねん、関西ブログページ http://sugikan.exblog.jp/

関西支部の設立は古いのですが、ブログページを開設したのは昨年末のことでした。そこから先の活動はかなり激しかった。現在も月刊杉に「吉野杉をハラオシしよう!」を連載執筆してくれているスギやねん、関西事務局の石橋さんの加入と何と言っても女性陣が増えたのが活性化のきっかけでした。
月刊杉19号でも執筆していただき、ご自身で設計事務所を主宰されている内田利惠子さん(No.397)を始め、アクティブに活躍する女性陣の加入はしょぼくれかけていた?支部のメンバーを一気に元気にしてくれました。おまけに内田さんのオフィスを度々、関西支部の定例会の会場として使わせていただいているようですね。内田さん、ありがとうございます。ってボクから言うのも変ですね。
関西の分布で一番多いのは大阪府の36名ですが、活動地域は近畿地方全域に及んでいます。近畿地方全体で言うと83名にもなります。一大勢力ですね。もはや!とにかく、地域イベントに参加したり、宮崎スギダラツアーを独自に実施したり、関西支部オリジナルグッズを作ったり、その勢いはミヤダラ以上かもしれません。飛ばし杉て後が続かなくなるんじゃないかとちょっと心配になるほどです。是非、このエネルギーを持続していって欲しいと思います。本部メンバーも吉野ツアー以来訪れていないし、新しいメンバーにもまだお会いしたことがありませんので、是非近い内に機会を持ちたいと思います。北山杉、びわこ材を巡る旅なんてどうですかね?

   
 

■その他

スギダラ過疎地域で南雲代表の故郷でもある新潟県で魚沼支部を立ち上げるべく藤田満さん(No.590)が名乗りを上げてくれました。藤田さんは以前南雲さんにデザインを教わっていたらしく、現在は実家のフラワーホームで越後杉の家を提案しているそうです。
http://www.ninavit.ne.jp/~flowerhome/

もうひとつ、天竜支部を立ち上げようとしていましたが、まだ活動できる状態には至っていません。支部長は山口好則さん(No.125)が名乗りを上げてくれています。静岡大学スギダラ化計画の時にお世話になって以来、ご無沙汰していますので、こちらもそろそろ行動開始かな・・・

後は中国、四国地方ですね。鳥取の智頭とも繋がりが持てたし、四国で言うと高知の魚梁瀬杉(土佐杉)だって大きなツテがある訳ですから活動があってしかるべきなんです。是非ともスギダラツアーを実施したいもんです。

   
   
 

■最後に

ボクと若杉デザイン部長はいつも隣の席で肩を並べて「デザインで世界に出るぞー!」「スギダラはインターナショナルだ!」と吠えながら仕事してるのですが、このスギダラ勢力図を見ると国内もまだまだ行くところがたくさんあるなー・・・としみじみ思いました。
本当に全国制覇するにはまだまだスギダラな旅は続きそうですね。(ち)

   
   
   
   
 
●<ちよだ・けんいち>インハウス・プロダクトデザイナー
株式会社内田洋行 テクニカルデザインセンター所属。 日本全国スギダラケ倶楽部 本部広報宣伝部長
   
 


   
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