連載 杉道具特集と連動

 
吉野杉をハラオシしよう!〜“駆け出し”専務の修行日記〜第18回
文/写真 石橋 輝一
鍛え系杉連載。さぁ、吉野中央3代目と一緒に勉強だ!
 
 

こんにちは。連載18回目です。今月も奈良県吉野から元気いっぱいでお贈りします!

さて今回は特集「杉道具」に連動して、吉野中央木材で使っている色々な杉道具をご紹介したいと思います。製材所では端材などを利用して、色々な道具を自分で作っています。物置台や作業台、収納箱などです。長い年月の中で修繕をしながら、大切に使っているものばかりです。
   
   
  丸ノコ台   丸ノコ台
丸ノコ台上面
丸ノコ台
  丸ノコ台   脚の一つをカスガイで固定して使用
   
  まずは、丸ノコ台です。杉の端材を利用しています。一体いつ頃から使われているのかは不明です。会社のみんなに聞いても、分かりませんでした。主役の丸ノコは何度も買い替えていますが、下の台はずっとそのままです。長年使っているのでボロボロになりました。一本の脚を金属のカスガイで固定して、なんとか持たせています。
   
  小さな丸ノコ台   小さな丸ノコ台
  小さな丸ノコ台   何だか、かわいらしい
   
  小さな丸ノコ台です。単純な構造ですが、かわいい感じがします。ノコの刃が当たって、削れている部分があります。使い込んでいくと、木目(冬目の部分)が浮き出て、手触りが気持ちいいです。
   
  背の高い丸ノコ台   背の高い丸ノコ台です。補修のために一部桧を使っています。その時に余っている材を使って補修します。丸ノコの載っている台の白い部分が桧です。
  背の高い丸ノコ台    
   
  小箱   ビニールの紐を入れる小箱です。まだ新しいです。杉の板の端材で作りました。まだ日焼けをしていないので、赤味の色合いがよく分かります。
  ビニールの紐を入れる小箱    
   
  箱   箱
  ビニールバンドを入れる箱   底板は杉を使用
       
  ビニールバンドを入れる箱です。かなり古いです。実加工をした桧のフローリング板の端材で出来ています。この箱を作った時にはフローリングではなく、縁甲板(えんこいた)と呼んでいました。底板は杉です。
   
  作業椅子   帯ノコの目立て場にある作業椅子です。座面は桧、脚が杉です。比較的新しいです。
  作業椅子(新しめ)    
       
  作業椅子   同じく目立て場にある作業椅子です。こちらはかなり年季が入っています。
  作業椅子(年季もの)    
       
  作業テーブル   作業テーブルです。杉のフローリング板で作っています。作って2年目くらいです。今では作業テーブルと言うより荷物置き場になってしまいました。
  杉の作業テーブル    
       
  送材車付帯ノコ盤   送材車付帯ノコ盤
  送材車付帯ノコ盤(通称、台車)   写真奥は角材、手前は切り株
       
  杉を製材する「送材車付帯ノコ盤(通称、台車)」です。デッキ部分は全て杉の板材で作っています。登り口にご注目下さい。これぞ端材、といった材を使っています。写真奥は角材、手前は切り株、どちらも杉です。切り株の階段はかなり古く、真っ黒に焼けています。
   
  階段   もう一つの台車に上がる階段です。杉で出来ています。結構グラグラしていますので、気をつけて上ります。
  杉の階段    
   
   
 

当社で使っている自家製杉道具の数々をご紹介しました。
使い込んでボロボロのものが多いのですが、長い間使い込まれて、深い味わいを醸し出しています。古くなって汚れますが、新たな魅力が生まれる、これは木の良いところの一つだと思います。

工場の中を色々と見渡してみると、普段は何気なく使っていますが、いろんな意味で貴重なものに囲まれているなぁ…と実感するのでした。

つづく
   
   
   
   
 
 
  ●<いしばし・てるいち> 吉野杉・吉野桧の製造加工販売「吉野中央木材」3代目(いちおう専務)。杉歴やっと1年。杉マスターを目指し奮闘中!
吉野中央木材ホームページ http://www.homarewood.co.jp
ブログ「吉野木材修行日記」http://blogs.yahoo.co.jp/teruhomarewoodもよろしく!ほぼ毎日更新中です。
   
   
   
同じく目立て場にある作業椅子です。こちらはかなり年季が入っています。
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