雑木(ナラ、タモ、メープル、ウォールナット、オークなど)をメイン材にオーダー家具を中心に製作しています。 独立して10年、大分の杉林の山々に囲まれた環境の中で仕事をしていますが、周りの林業関係者から「杉で家具をつくってはどうか」と度々言われることを少々疎ましく感じていました。
しかし、これまでいくつかの杉の仕事をやる中で、最近は杉の良さを再認識してきています。 雑木にはないやわらかさ、軽さ、木目の強さ、手軽さ。
また、古いタンスなどの修理をする中で、九州においては杉はかつて家具についてもメイン材であったことも知りました。
日本に豊富にあるこの杉の木の特性をうまく生かした自分らしい家具をつくりたい!
しかしそれにはいくつかの課題があります。 現在メインに建築材として流通している杉ですが、建築としては使用するに十分な乾燥でも家具材としては乾燥が甘く納品後反ったり割れたりします。 自分達のような人乾室をもたない小工房では大きな問題です。
また、一般に’杉=安い材’というイメージがあるのか、手間分の価格(構造が同じであれば雑木でも杉でも工程は同じです。)を提示するとお客さんには割高な印象を与えてしまうようです。 これについては雑木と同じデザインではなく、杉の特性を生かした独自のデザインであるべきだと考え、現在試行錯誤中です。
その他にもいくつか課題がありますが営業の段階でもキチンと杉についての説明をしていくことが大切だと思います。
私としてはこれからのすこしづつですが杉をつかった家具、板立ての大きな箱物(フラッシュの代替として)から椅子テーブルのなどの脚物まで幅広くを提案していきたいと思ってます。 |