連載

 
東京の杉を考える/第22話 「東京の山を買う」
文/ 萩原 修
あの9坪ハウスの住人がスギダラ東京支部長に。東京から発する杉ものがたり。
 
 

不遜なことを考えてしまった。「東京の山を買いたい」と。4月18日に、武蔵五日市に行って、いろんな人と話をしていて、そう思った。ほとんどなりゆきで、そんな話になった。

山がいくらなのか、どこの山がいいのか。まだまだ、そういう具体的な話になっているわけではない。もちろん、ぼくにあまっているお金があるわけないので、自分だけのお金で買うわけにはいかない。考えているのは、こんなことだ。ひとり1万円ずつだして、300人集まったら、300万。どうやら、それぐらいでも買える山がありそうなのである。300万円で、どのぐらいの広さの山なのか想像もつかない。

どんなに小さな山だろうと、自分たちで山をもっているなんて、なんだかかっこいい。自分たちの山だから、もちろん、定期的に山に行く。自分たちの山だから、もちろん、きれいに使いたい。自分たちの山だから、もちろん、愛着もわいてくる。自分たちの山でできることをいろいろ考えてみたい。小さな小屋やツリーハウスなんかは、つくれるかもしれない。植物や動物を観察するのもいい。杉を植林して、伐採して、市場にだしてみたり、間伐材で何かをつくるのも楽しいだろう。まじめに考えれば、里山的にきちんと管理して、循環していくしくみができればいいなあと思う。しつこいようだけど、自分たちの山である。ほっておくのは、もったいない。せっかくだから、いろいろ有効に活用したい。都心や郊外の家と、武蔵五日市の山。いったりきたりが、ますます、楽しくなりそうだ。

自分たちの山を持つために、やらなければいけないこと。それは、共感できる仲間を集めること、多少なりともお金をだして、積極的に東京の山にかかわりたいと思う人。そういう人を、300人ぐらい集めたいと思う。

まずは、てはじめに、2008年7月12日(土)に、武蔵五日市でイベントを開催することにした。詳しくは、まだ決まっていないけど、「カワ」をテーマにした内容になる予定。杉の「カワ」を使った染め物のワークショップに、「カワ」の近くでバーベキューなど。
できるだけ、多くに人に来て欲しいと思っている。

   
   
   
   
   
   

●<はぎわら・しゅう> 9坪ハウス/スミレアオイハウス住人。

 



 
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