特集 秋田「杉恋」プロジェクト  
  秋田「杉恋」発進、楽しみです
文/ 加藤長光
   
 
 
  秋田杉のぬくもりで「おもてなし」。
秋田杉のさまざまな“かたち”で「にぎわう」、秋田の顔づくり。
   
  とても楽しみです。
秋田は杉どころ、声はあがれど姿なく。が、現状ですから。
「杉恋」プロジェクト・秋田杉景観デザインコンペの応募作品の一つひとつが、秋田杉の姿が観える“かたち”として連なり、街並みへ、家並みへとつながる景観となってほしいものです。
   
  秋田には、「わたしの杉」と「あなたの杉」があります。「わたしの杉」は民有林の杉です。「あなたの杉」は国有林の杉です。しかし、どちらも私たち秋田県民の財産であり、国民の財産です。
   
  秋田杉・ブランドの産地は、対外的なイメージとしては秋田県内全域ですが、本当は米代川・雄物川・子吉川の流域が産地です。それぞれに自慢できる歴史・文化があり、生活や経済の成り立ち、秋田弁の違いなど地域性の豊かなところです。
   
  ちなみに全国の杉の産地では、宮崎県・飫肥杉、静岡県・天竜杉、山形県・金山杉など地域や流域の名前・ブランド名で知られています。
   
  秋田杉も地域や流域の名前を冠に第二のブランドにすると地域の人たちに“わたしの財産”として実感してもらえるかもしれない、そんなきっかけの一つにこの秋田「杉恋」プロジェクトがなればとも思います。
   
  また、コンペで提案された作品が秋田駅周辺など公共の場で活かされ、街並みに「おもてなしとにぎわいの空間」を創り、それが地域の建物・家づくり、佇まいなどの景観づくりまで拡がれば素晴らしいことです。
   
  街並みや景観づくりを続けていくためには、秋田杉の観える“かたち”に寄せられた作品・提案を具体化させる仕組として、木材製品の供給・産地化の形成が大事な役割の一つですから、そのための機会もあってほしいものです。
   
  秋田県内の学校や公共施設などの木造化の取組は全国に誇れます。しかし、秋田杉を観えるように使う建物・家づくりを通した街並み景観づくりへの民間波及はこれからです。
   
  秋田杉景観デザインコンペを通して、秋田県民に緑豊かな秋田杉の森の全てが“わたしの秋田杉・財産”と感じてもらえればとてもうれしいことです。
   
   
   
   
 

●<かとう・ながみつ> スギダラ二ツ井支部長
窓山の再生を願う会・モクネット事業協同組合 理事長 http://mokunet.or.jp/

   
 
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