鬼塚電気工事 ZEB社屋に集った思い
 

品質・安全管理の徹底、そしてみんなが楽しく笑顔あふれる現場

文/田中 秀和

   
 
 
  新社屋建設プロジェクトにかけた思いや苦労話、出来上がったときの思い出や感想など
   
 

2021年4月1日、私は本プロジェクトの現場責任者に任命され、人生で初めて大分に家族同伴で赴任しました。大分は優しい人柄の方が多くて馴染みやすく、家族もすぐに気に入りました。

最初に本プロジェクトの詳細を聞いた時の光景は今でもよく覚えています。『ZEB』(Net Zero Energy Buildingの略)の建築物という点に強く興味をそそられました。最近では「ZEB Ready」や「Nearly ZEB」といった言葉をよく耳にしますが、当時はまだ新しく、その仕様や内容に感銘受けるとともに、一方で行政手続きとの兼ね合いにより、非常に短工期であることが懸念されました。

しかし、2021年5月の着工以降、発注者様及び設計者様のご協力により、仕様・材料ならびに工法など様々な検討事項をスムーズに決定・まとめて行くに連れ、その不安も次第に払拭されていきました。
特に、発注者様が強い信念をお持ちだった「木材(杉)に対する想い」と「社員の働きやすさ」に応えるため、エントランスの杉板型枠、ELVホールの壁面杉板張り、展望デッキの休憩ベンチなどの仕様について、設計者様と何度も相談しながら発注者様に提案、認めていただいたことは、感慨深い思い出になっています。

私が掲げた本現場運営の目標は、「品質・安全管理の徹底、そして、みんなが楽しく笑顔あふれる現場にすること」でした。この目標設定の甲斐もあって、竣工まで無事故・無災害で工事を進められたことは、高い技術力を持った協力会社様をはじめとする関係者の皆様が一致団結し、より良いものづくりを目指した結果と感謝しております。
また、工事隣接地に発注者様の旧本社があったことや発注者様からのご要望もあって、勉強会や見学会を複数回開催させていただきました。勉強会を通じ、社員の方々の期待や心待ちしている姿を垣間見るたびに、私のモチベーションも高くなり、現場を円滑に運営する力になりました。

竣工後、見学会の開催やウッドデザイン賞の受賞など、様々な表彰や受賞の報を頂くたび、我が家が選ばれたような喜びを感じ、やりがいと誇りを噛みしめています。

最後に、本プロジェクトを通して「社会のこと・社員のこと」を常に想う発注者様の理念と姿勢に深く敬意を表すと共に、今後の益々のご発展をお祈り申しあげます。

   
   
   
   
   
  ●<たなか・ひでかず> 清水建設
   
 
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