連載

 
『東京の杉を考える』/第6話
文/  萩原 修
あの9坪ハウスの住人がスギダラ東京支部長に。東京から発する杉ものがたり。半年の連載スタートです。
 
 
 

神田・杉屋台プロジェクトはじめます。

 

なんとか9月9日の『神田技芸祭』http://www.kanda-gigei.net/の神田公開企画会議が終わりました。ふー。なんだか今だに気が抜けた感じです。あまりのスギダラ三兄弟のパワーに圧倒されました。やはり、この人たちのエネルギーはすごいです。まわりを取り巻くサポーターの冷静な行動力もすごいです。たぶん、神田も油断していたんだと思います。ここまで、やってくれるとは想像つかなかったのでしょう。

というわけで、おかげさまで『スギダラトーキョー』の活動の方向性が具体的にみえてきたような気がします。神田でできることを本気で模索したいと思います。公開企画会議でのスギダラ三兄弟の発言で、なんとも不思議な、それでいてなるべくしてそうなるような予感がしています。来年の今頃は、ほんとにすごいことになっているのかもしれません。人の力、杉の力、そしてデザインの力。何をやるかよりも、誰がやるのかが大切だと言うことを、強く再認識しました。

今回の神田の公開企画会議のテーマは、『不動産』『飲食』『仕事場』『駅』そして、『杉』でした。なんだか唐突な流れのような気もすると思いますが、それが、思いの他、自然につながっていた感じです。結局は、最後の『杉』に集約していった感じです。『不動産』のパートでは、「神田のまちに不動産のビジネスチャンスはあるのか」といろいろと話がでましたが、結局は、神田の町の個性がみえてくることが必要だということになったように思います。大規模開発ではなく、人が歩ける神田らしい個性的な町として発展していったらうれしいですね。

『飲食』では、神田に多いのは、すし、ぞば、てんぷら、うなぎなどだということになりました。それは、地元の人がやっている小さな店。大手資本の会社がやっているチェーンではない店をもっと大切にしていきたいという話。また、日本各国や、世界中の下町らしい食べ物がそろったらおもしろいという話もでていました。『仕事場』のところでは、町中の仕事場のメリットとして、サンダル履きでも歩ける町というのが話題になっていました。スタイリッシュではなく、気どらないカジュアルな仕事のスタイルを模索してみるとおもしろいかもしれません。

『駅』では、5年後ぐらいの駅改築に向けて、駅周辺の環境整備をするにはいいのではないかという話になりました。路地が多く、歩ける町。大開発とは違う、ヒューマンスケールの町として、十分な可能性があるように感じました。そして、『杉』。スギダラ三兄弟のこれまでの活動を振り返るあついトークが繰り広げられました。そして、今回、交流会には、杉の屋台やでかい鍋が登場。これを発展したらおもしろいことになりそうです。神田の町内会やこども、そして、全国の杉の産地と物産を巻き込んで、路地をつかった『杉の屋台』イベントの可能性がみえてきました。

東京支部『スギダラトーキョー』では、本気でこの『神田・杉屋台プロジェクト』を推進していきたいと考えています。みなさんのお力が必要です。このプロジェクトに興味がある方は、ぜひ、ご一報ください。

スミレアオイハウス住人  萩原 修

 
<はぎわら・しゅう> デザインディレクター
1961年東京生まれ。9坪ハウス/スミレアオイハウス住人。つくし文具店店主。
中央線デザイン倶楽部。カンケイデザイン研究所。リビングデザインセンターOZONE を経て 2004年独立。生活のデザインに関連した書籍、展覧会、商品、店舗などの 企画、プロデュースを手がける。日本全国スギダラケ倶楽部 東京支部長。  


   
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