特集秋田 

 
白神山麓・窓山デザインコンテスト ぬぐだら記
文/ 菅原温子
 
 
 

「ここが窓山か?、なんて素敵な所なんだろう?」
百聞は一見にしかず。まさにそんな場所に巡り会う。

「窓山コンペ、締め切りまであと何日?!…!!…やばい…。」
朝、目が覚めても。美味しいご飯を食べてても。夜、眠り森に迷い込もうとする直前まで、菅原先生・南雲さん・加藤さん、そしてまだ見ぬ若杉さん・千代田さんの顔がメリーゴーランドのようにグルグル頭の中を回る日々。
エントリー当初から「主催に近いところにいるけれど、120人のエントリー者の1人として作品を出したい!」なんて、ちょっとかっこいいことを思いつつ、提出日ぎりぎりまで作業は続いた。そして、作品が手元を離れた瞬間、いつ蒔いたのか、誰が蒔いたのか、私の中に「ビビり杉」の種が芽を出した。
この日から、秋田を出発する日までに、私の中の「ビビり杉」は目覚ましい成長を遂げた。

【2007.2.28公開審査当日】
タクシーで内田洋行の潮見のオフィスへ。その頃には、「ビビり杉」は大木になって、私の口を塞いでしまっていた。それに拍車をかけるように飛び込んできた、オフィスエントランスに作られた会場。やっと見る事が出来た杉屋台。そして杉グッズの数々。
借りてきたネコ状態の私が、やっと言えた言葉は「…秋田より杉の匂いがする…」
バタバタと会場設営が進められ「わぁ?スギダラ3兄弟だぁ?!写真で見たことある人たちがいっぱいいる?!」なんて思いつつ、緊張で大きく育った「ビビり杉」は、社食のカレーの辛さを消し去り、変な汗だけが出てくる体調にしてくれた。
審査開始。デジタルカメラとビデオカメラの二刀流で、記録係に専念する。いや、何かやっていないと落ち着かないので、ひたすら記録。(後にデータを確認すると、自分の作品付近の映像を撮ってなかった。心情としては怖くて近付けなかった。)

 
  インタビュアーすぎっち、カメラガールぬぐだら、秋田ビューティーペアで取材攻撃。
 

「二次選考残ったらしいよ。」「誰がですか?…マジッスか!!」
審査発表。各賞が発表され、特別賞に名前が呼ばれる。
…嬉しい。思い入れが強かった分、嬉しかった。そして、やっと笑えるようになった。
懇親会。審査員の方々と、作品についていろいろお話させてもらい。指摘された点や今後の課題など、本当に勉強になった。その夜は、ホテルに帰って取りあえず、覚えていることをメモしている途中で、眠りの森に旅立ってしまっていた。その時には、「メリーゴーランドの顔が消えてぐっすり♪」いやいや、そんな甘いもんじゃない。むしろよりリアルに、そして人数も増えて登場してきた。でも「このわくわくする人たちにいつ会えるだろうか」という気持ちのほうが強かった。

 
  懇親会。南雲さんとぬぐだら、杉屋台で語る。特別賞、おめでとう。
 

【2007.3.1 翌日】
私たちは秋田に戻った。やっぱり秋田は、あの会場より杉の匂いはしなかった。そのかわり、外の空気はだいぶ遅い冬の匂いがした。

私の「ビビり杉」は、どこかに置いてきてしまったらしい。
誰か、どこかで見つけたら秋田まで届けに来て下さい。その時はぜひ窓山にいらして下さい。
「百聞は一見にしかず」
きっとわかっていただけるはずです。

   
 
 
  ●<すがわら あつこ> 温だら/スギダラ秋田支部イメージマスコット
日本全国スギダラケ倶楽部 秋田支部長 北のスギダラ http://sgicci.exblog.jp/
   
   
   
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