『多摩産材』という言葉が気になりはじめた。確かに、東京の中には多摩地域にしか山はない。だけど、『多摩』と聞いて、他の地域の人はどんなことを想像するのだろうか。東京の都心に住む人は、『多摩』は、東京じゃないと思っているような気がするし、全国的にも、『多摩』の知名度は低いだろう。だからこそ、多摩をアピールすることも大事なのだろうか。『産材』というのもひっかかる。『さんざい』とパソコンでうって変換すると『散財』となる。あんまりいいイメージじゃない。『産業』や『材料』という言葉からは、あまり文化や生活の香りがしてこない。花粉も近づいてこない。
それじゃあ。別に名前をつけるとしたら何がいいのだろう。ストレートに「東京の木」でもいいような気がする。あるいは、「東京育ち木」とか。「東京生まれ木」とか。変かな。あるいは、山や森を強調して、「東京の山で育った木」とか。「東京の森が育んだ木」とか。くどいか。いっそカタカナで「トーキョーウッド」というのは、もっと変だよね。「トーキョー材」ならいいのかな。「トーキョーボク」だと、なんかトウヘンボクみたいだね。スギダラとしては、「杉」を強調したいから、「東京杉」とか「トーキョースギ」というのがいいかもね。「東京杉」がブランドに育つ日はくるのだろうか。
なんてこともぐだぐだと考えながら、3月22日に「2008年春の多摩産材ツアー」に行ってきました。スギダラトーキョーとして2回目となる地元東京の山と林業と製材の現場を見に行こうというこのツアー。今回も武蔵五日市の中嶋材木店にお世話になりました。http://www.gws.ne.jp/kigokoro/
昨年10月の見学会は、8人しか参加者がいなかったのですが、今回は、なんと総勢26名。武蔵五日市の駅で集合して、車6台に分乗して、約1時間走って山の奥へと向かいました。昨年夏頃から、花粉症対策のために伐採されはじめた山が、約半年かけて、ほとんどまるはだかにされていて、なんだかちょっとせつない感じ。その後、中嶋材木店の材料置き場や製材所を案内してもらいました。スギダラのツアーは、見学も大事だけど、その後の懇親会が大切みたいですね。スギで出会った人が、それぞれの思いを語り、立場の違いをこえて、個人としてつながっていく。スギダラ宣言の最後の文章には、「大人や子供、組織や企業、地域や分野を超え、意気投合した仲間達とその可能性を語り、様々なプロジェクトを実行するためのネットワークをつくり、日本中に広げいくことを目的とする」とあります。それを実践している実感がわくツアーでした。
最後に、中嶋さんが用意してくれたコピーの文章を転記しておきますね。
この文章を肝に命じて、「スギダラトーキョー」では、次の展開を考えていきたいです。 |