連載
  杉という木材の建築構造への技術利用/第47回
文/写真 田原 賢
  N値計算法の中の『L』の原理となった柱カウンターウェイト検証実験 後編6
 
 
*第42回 N値計算法の中の『L』の原理となった柱カウンターウェイト検証実験 後編1
 
*第43回 N値計算法の中の『L』の原理となった柱カウンターウェイト検証実験 後編2
 
*第44回 N値計算法の中の『L』の原理となった柱カウンターウェイト検証実験 後編3
 
*第45回 N値計算法の中の『L』の原理となった柱カウンターウェイト検証実験 後編4
 
*第46回 N値計算法の中の『L』の原理となった柱カウンターウェイト検証実験 後編5
   
   
  3.実験結果
   
  3−2.実験結果
   
  3−2−1 実験結果
 
(1) ジャッキ部及び土台反力の時間-荷重関係グラフ
(2) 時間-柱ロードセル荷重関係グラフ
(3) 実験状況写真
(4) 水平耐力、梁浮き上がり、柱頭ロードセル値一覧図面
(5) 水平耐力、カウンターウェイト推定値一覧表
   
  つづき
   
   
   
 
(4) 水平耐力、梁浮き上がり、柱頭ロードセル値一覧図面
   
  実験結果図面(No.3−1)
   
 
  図21
   
 
  図22
   
 
   
  実験結果図面(No.3−2)
   
 
  図23
   
 
  図24
   
 
   
  実験結果図面(No.3−3)
   
 
  図25
   
 
  図26
   
 
   
  実験結果図面(No.3−4)
   
 
  図27
   
 
  図28
   
 
   
  実験結果図面(No.4−1)
   
 
  図29
   
 
  図30
   
 
   
  実験結果図面(No.4−2)
   
 
  図31
   
 
  図32
   
 
   
  実験結果図面(No.4−3)
   
 
  図33
   
 
  図34
   
 
   
  実験結果図面(No.4−4)
   
 
  図35
   
 
  図36
   
   
   
 
(5) 水平耐力、カウンターウェイト推定値一覧表
   
  水平耐力、カウンターウェイト推定値一覧表(押し荷重)
   
 
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  3−2−2 柱頭ロードセル値の補正について
   
  柱頭ロードセルの計測値は変形により正しく計測されなかったり、ジャッキ部の抵抗が含まれている可能性があるものもあり、正しいカウンターウェイト値を示していないと思われる。
そこで、浮き上がり範囲から得られるカウンターウェイト値CWUを参考にCWlを補正し、補正前後について前記の一覧表に掲載した。
補正前の表のCWlとCWUの関係から、ジャッキ部の抵抗は載荷状況によって左右すると思われ、耐力壁の位置や載荷方向によってCWl/CWUに一定の傾向が見られることから、CWl値の補正を行った。その傾向を以下の(1)〜(6)に示す。
なお、表中の値は、ジャッキ部の抵抗(先に記述した抵抗を検討する小実験から計50(kg)程度見込まれると思われる)及びジャッキ荷重を含めていない。
   
  (1)押し載荷のX9通り
  1間半の構面の中央に耐力壁があり、ジャッキ部から半間のところで柱による突き上げが発生する場合、ジャッキ抵抗による押さえ込みが大きいのか、CWUに比べCWlがかなり大きな値を示している。柱頭ロードセル値を0.7倍に低減して補正を行った(CWl×0.3がジャッキ抵抗とみなした)。
   
  (2)引き載荷のX1通り(No.4-2、No.4-3)
  (1)と同様にジャッキ部から半間のところで柱による突き上げが発生し、押し載荷時程ではないがCWUに比べCWlが大きな値を示している。柱頭ロードセル値を0.9倍に低減して補正を行った(CWl×0.1がジャッキ抵抗とみなした)。
   
  (3)引き載荷のX9通り(No.3-1〜No.4-1、No.4-4)
  1間半の構面の中央に耐力壁があり、引き載荷時に限り、CWUに比べCWlがかなり小さな値を示している。柱頭ロードセル値を500(kg)増して補正を行った。原因は推測できないが、次の(4)も見られるように、今回の実験では引き載荷時の柱頭ロードセル値が小さくなる傾向が見られた。
   
  (4)引き載荷のX1通り(No.3-1〜No.4-1、No.4-4)
  1間半の構面の両端に耐力壁がある場合、引き載荷時に限り、CWUに比べCWlが比較的小さな値を示している。柱頭ロードセル値を1.2倍にして補正を行った。
   
  (5)X5通り、X1通りの一部
  浮き上がり範囲が大きい場合、大きなカウンターウェイトを1本の柱が負担する。その場合、CWUに比べCWlが比較的大きな値となった。浮き上がりによるCWUが直線的に結んだ範囲でのもので実際には円弧状に浮き上がりが生じている可能性もあるが、安全側の考えで、CWlを1割低減した。
   
  (6)No.4-4
  この試験体では直交耐力壁が存在し、柱頭がNo.3-2、No.3-4と同様に金物で締結(耐力壁のすべての柱頭)されており、同様の抵抗効果が見られた。ひずみゲージを取り付けていないので、No.3の時の直交壁の3カ所に柱頭金物を設置した場合(Y1通り)の金物抵抗と同程度の抵抗値をCWlから低減することとした。
   
  以上の6種類の柱頭ロードセル値補正を行った。いずれにしろ今回の実験においてカウンターウェイト荷重の正確な測定はできなかったといえる。
しかしながら、浮き上がり範囲計測範囲を直線的に考えたCWUの値程度は少なくともカウンターウェイトとして発生していると考えられる(安全側の考え)として、考察、モデル化を進めた。
今後のカウンターウェイト実験の際には、載荷方法及びカウンターウェイト荷重値の測定について検討の必要性があるが、その参考としてCWLの値をCWUの値に合わせるような形で上記のような補正を行った。
   
   
   
   
   
   
  ●<たはら・まさる> 構造設計家
「木構造建築研究所 田原」主宰 http://www4.kcn.ne.jp/~taharakn
大阪工業大学大学院 建築学科 客員教授
月刊杉web単行本『杉という木材の建築構造への技術活用』 http://www.m-sugi.com/books/books_tahara.htm
   
 
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