特集 ティンバライズ九州展 「Let's Timberize! in 九州」
  「Let's Timberize! in 九州」概要レポート
文/ 千代田健一
   
 
 

*参照:月刊杉83号(2012年10月号)掲載
お知らせ ティンバライズ九州展「Let's Timberize! in 九州」 のご案内

   
  まずはエントランスより紹介します。会場のアイランドシティ中央公園内の施設「ぐりんぐりん」は伊東豊雄氏設計。その名の通り、建物が外溝緑地と入り乱れたようにぐねぐねとしている温室のような建物です。
 

受付カウンター、エントランスパネル製作提供:銘研工業株式会社

 
  「Let's Timberize! in 九州」エントランス風景
   
   
   
   
   展示内容
   
   
  1.ティンバライズ建築展
 
  都市木造のフロンティア/都市木造プロジェクトを実物大の展示や模型・ドローイングで紹介。
  2010年5月東京青山のスパイラルビルにて開催された時に展示したteam Timberizeによる提案展示。都市における木造建築の可能性を模型や素材サンプル、実物大のモックアップなどでこまめに解説。
 

模型展示台提供:志村製材有限会社、富士産業株式会社

 
 
  ティンバライズ建築展
   
   
   
  2.Timberize City KYUSYU 「西通り」木質化プロジェクト
 
  九州内の大学研究室が中心となって、都市木造の可能性を示す10 のプロジェクトを提案。 詳細は九州の大学研究室による「 西道り」 木質化プロジェクトの頁を参照。
   
   
   
  3.木とプロダクツ
 
  建築的な用途のみならず、家具や食器などの家庭用品などのプロダクツを始め、杉に関わる新しい取り組みを紹介。
  宮崎県杉インフィル、obisugi designの杉家具やギフト商品SUGIFT、杉の木クラフトの杉食器やグッズ、日田の杉屋台(屋形屋台)、有馬晋平氏のスギコダマなどを展示。会場に上質なクオリティ感を演出することができた。
詳細はスギダラメンバーによる原稿参照。
 
  宮崎県杉インフィル
 
  日田の杉屋台(屋形屋台)
 
  杉の木クラフトの杉食器やグッズ
   
   
   
  4.木とこども
 
  単に木に触れる場を用意し、体験していただくだけでなく、木とじっくり向き合うための木工ワークショップを実施。
  スギダラ天草支部支部長 森信行さんによる木の遊具コーナーは子供たちに大人気。毎日、学校帰りに遊びに来る子供たちもいた。子供が遊びまわっている建築展という風情も面白い。
 
 
  木の遊具コーナー
   
   
   
   
   イベントメニュー
   
   
  1.Timberize City KYUSYU 「西通り」木質化プロジェクト 講評会
 
 
日時
2012 年11 月18 日(日)12:00〜13:30
   
  各研究室がプレゼンボードと模型を前にプレゼンテーション。審査員からは時折厳しいつっこみもあるが、各研究室のアイデアの実現可能性を前向きに後押しするコメントが飛び交っていた。学生たちよりもプロの建築家の皆さんの方が盛り上がっていた。
 
 
  Timberize City KYUSYU 「西通り」木質化プロジェクト 講評会
   
   
   
  2.シンポジウム 『木の新しい可能性』
 
 
日時
2012 年11 月18 日(日) 14:00〜16:00
パネリスト
腰原幹雄(東京大学生産技術研究所教授 / NPO法人team Timberize理事長)
若杉浩一(デザイナー/パワープレイス株式会社 / 日本全国スギダラケ倶楽部)
山下保博(建築家/アトリエ天工人) 
司会 末廣香織 (九州大学大学院人間環境学研究科准教授 / NKSアーキテクツ)
   
  建築家、構造設計家、プロダクトデザイナーと、木という素材に関わりを持ちながら異なるスタンスで取り組んでいる3名のパネリストによる「木の新しい可能性」パネルディスカッション。
新しい技術を語る前に、鉄やコンクリートなど便利な材料や技術が何の疑問もなく現代社会に溶け込んでいる傍らでなぜ今木が使われなくなったのか? そういった根本的な問題から切り出し、これからの社会環境を踏まえて新しいデザイン、新しい木の使い方の考案に挑戦して行くことが重要である。といったことが提案されていたと思う。
我らがスギダラ本部の若杉さんは、なぜ杉なのか? なぜ、杉が日本中に溢れかえって困っているのか? という問題に端を発し、杉と人と社会のいい関係をどう築いて行けば良いか、スギダラでやって来た活動を通して語ってくれた。
  シンポジウム他の詳細レポートはスギダラの活動に大きく関わっていただいている九州大学大学院芸術工学研究院の藤原惠洋先生の研究室の修士 北岡慶子さんのブログ記事も参照ください。
 
 
  シンポジウム 『木の新しい可能性』
   
   
   
  3.『子どもワークショップ』スギコダマづくり、森の宝物づくり
 
 
日時
2012 年11 月25 日(日) 10:00〜16:00
   
 

森の宝物づくり、スギコダマづくりのワークショップは予定数を大幅に超えて大盛況。これを街中でやっていたらとんでもない人数が集まったことであろう。
子供向けに開催したイベントだったが、一緒に来た保護者の皆さんの方が熱中していたようだ。

 
 
  『子どもワークショップ』スギコダマづくり、森の宝物づくり
   
   
   
   
  ●<ちよだ・けんいち> インハウス・インテリアデザイナー
株式会社パワープレイス所属。 日本全国スギダラケ倶楽部 本部広報宣伝部長
『スギダラな人々探訪』web単行本:http://www.m-sugi.com/books/books_chiyo.htm
『スギダラな人々探訪2』web単行本:http://www.m-sugi.com/books/books_chiyo2.htm
   
 
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